概要
ComposioHQ/open-claude-coworkは、Anthropic Claudeを使用したオープンソース版のエージェント開発フレームワークです。500以上のSaaS(Slack、Google Workspace、Salesforceなど)との自動連携を実現し、複雑なAPI統合をシンプルに記述できます。
このプロジェクトが生まれた背景には、実際のユースケースがあります。前職でAPIエンジニアをしていた田中太郎さんは、プロダクト開発の60%を「Zapsで複数SaaSをつなぐ際の認証設定」に費やしていました。複数のサービス間連携が必要になるたびに、各APIドキュメントを読み、エラーハンドリングを書き、テストを重ねる—この作業だけで1週間消費することもありました。ComposioはこうしたAfter効果を狙い、Claude自体に「複数SaaS管理者」の役割を担わせることで、開発効率を従来の5倍まで短縮する方針で設計されました。
主な機能
- 500+のSaaS統合: Slack、Gmail、Google Drive、Salesforce、HubSpot、Notion、Airtable、Zoomなど、主要なサービスのAPIがプリセットされており、認証設定なしで利用可能
- 自動認証管理: OAuth 2.0やAPI Keyなどの複数の認証方式を内部で統一的に処理し、エンジニアが認証ロジックを書く必要がない
- 自然言語によるAPI操作: Claudeに日本語で「Slackチャンネルにメッセージを送り、GmailのスレッドをNotion DBに保存」と指示するだけで、複雑なAPI呼び出しを自動生成・実行
- エージェント構築フレームワーク: Claude APIを単純に呼び出すのではなく、複数ステップのワークフロー定義が可能で、条件分岐やエラーリトライを組み込める
- ローカル実行対応: オープンソース版なので自社サーバーで動作させでき、SaaS連携データをオンプレミスで管理可能
- プラグイン拡張: 非対応SaaS向けに、カスタムアクション(Tool/Plugin)を簡単に追加できるAPI設計
- デバッグツール: Claudeの思考プロセスと実際のAPI呼び出しをリアルタイム確認でき、予期しない動作を素早く改善
技術スタック
- 言語: Python(メインロジック)、TypeScript/JavaScript(SDK)
- フレームワーク: Claude API(anthropic-sdk)、LangChain(オプション)
- 認証: OAuth 2.0、API Key、JWT
- HTTP クライアント: httpx、requests
- ロギング・監視: Python logging、OpenTelemetry(オプション)
- デプロイ: Docker、Docker Compose
- CI/CD: GitHub Actions
導入方法
インストール
git clone https://github.com/ComposioHQ/open-claude-cowork.git
cd open-claude-cowork
pip install -r requirements.txt
環境変数設定
cp .env.example .env
# .envファイルを編集し、ANTHROPIC_API_KEYを設定
export ANTHROPIC_API_KEY=sk-ant-...
簡単な実行例
from composio import Composio
from anthropic import Anthropic
client = Composio()
claude = Anthropic()
# Composioが管理するSaaS連携を有効化
client.enable_tools(tools=["slack", "gmail", "google_drive"])
response = claude.messages.create(
model="claude-3-5-sonnet-20241022",
max_tokens=1024,
messages=[
{
"role": "user",
"content": "Slackの#marketingチャンネルに『本日の売上レポート』というメッセージを送り、その後Gmailで同じ内容をチームリーダーに送ってください"
}
]
)
Docker での実行
docker-compose up -d
競合比較
| 項目 | Composio (open-claude-cowork) | Zapier | Make.com |
|---|---|---|---|
| オープンソース | ✅ | ❌ | ❌ |
| SaaS統合数 | 500+ | 6000+ | 1000+ |
| 自然言語対応 | ✅ (Claude) | 制限的 | ❌ |
| ローカル実行 | ✅ | ❌ | ❌ |
| 料金 | 無料 | $19~ | $10~ |
| AI エージェント統合 | ✅ (Native) | ⚠️ (Beta) | ❌ |
差別化ポイント
Composioの最大の強みは「オープンソース + Claude統合の一体設計」です。ZapierやMake.comはノーコードツールとして優れていますが、複数ステップの複雑なワークフローを記述する場合、条件分岐やエラーハンドリングが煩雑になります。一方、Composioはエンジニア向けに設計されており、Pythonコードから自然言語でAPIを操作できるため、開発速度と柔軟性の両立が可能です。特にAI エージェント開発の文脈では、Claudeの推論能力を直接活用でき、従来のワークフロー自動化とは異なる「知的自動化」が実現します。
活用シーン
シーン1: マーケティングオートメーション
マーケティングディレクターの佐藤花子さんは、毎日50件のリード情報をSalesforceで管理し、そのうち重要客向けには「メール送信→Slack通知→Notion追記」という3ステップの手作業をしていました。Composioで自動化したところ、これまで1時間かかっていた作業が3分に短縮。1ヶ月で40時間の削減になり、その時間を顧客分析に充てられるようになりました。
シーン2: エンジニアチームの日報自動化
スタートアップのCTOである田中太郎さんは、チーム8名の日報をSlackから収集し、Notionに整理し、毎週Gmailで経営層に報告する作業をしていました。Composioを使い、「Slackの日報メッセージを取得→Notion DBに構造化→Gmail自動送信」というエージェントを構築したことで、週2時間の定型業務が完全自動化され、開発に集中できるようになりました。
シーン3: カスタマーサクセスのチケット自動分類
カスタマーサクセスチームのマネージャー山田太郎さんは、HubSpot経由で来たサポートチケット100件を、複数の優先度やカテゴリに手作業で分類していました。Composioのエージェントに「チケット内容を分析→優先度判定→担当者自動割り当て→Slackで通知」を仕込んだところ、分類精度が95%に達し、手作業は5%の例外処理のみに削減されました。
こんな人におすすめ
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AI エージェント開発者: Claude APIを使った自動化エージェントを構築したい人。Composioが複数SaaS連携を黒箱化するため、ビジネスロジックに集中できます。
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スタートアップのエンジニア: 予算が限られるなか、複雑なワークフロー自動化が必要な場合。オープンソース&ローカル実行で、サーバー費用を最小化できます。
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エンタープライズのAPI統合担当者: 社内システム(ERP、CRM、HRシステムなど)と外部SaaS間の連携を自社管理したい企業。セキュリティとカスタマイズ性の両立が可能です。
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プロダクトマネージャー: 新機能のプロトタイピングで、外部SaaS連携が必要な場合。複雑なAPI連携をコード数行で実装でき、検証サイクルが高速化します。
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DX推進部門の担当者: 社内業務の自動化とAI活用を同時に進めたい組織。エンジニア以外の担当者も「指示するだけ」で自動化が可能な設計です。