概要
Dexter JPは、日本の上場企業に対する自律型の財務リサーチを実行するAIエージェント。EDINET(電子情報提供システム)が公開する膨大な企業情報と、J-Quantsが提供する市場データを組み合わせることで、企業の経営状況、財務健全性、成長見通しを多角的に分析する。複数のデータソースを横断した分析プロセスを、AIが自動で遂行。投資判断やビジネスリサーチの前段階の効率化を実現した、日本の金融情報基盤に特化したツール。
主な機能
- 複数ツールの自律的呼び出し:EDINET提出書類、株価データ、市場情報を自動で取得・統合
- 市場データ連携分析:J-Quantsから株価、業績予想、市場データを取得し、個別企業の位置づけを把握
- レポート生成:複数のデータソースから得た情報を構造化して、分析結果をレポートに仕上げる
- 対話的な質問応答:「この企業の負債比率の推移は」「競合他社との営業利益率の差は」といった質問に応答
- リスク要因抽出:有報のリスク記載部分を自動抽出・要約
- 複数企業の比較分析:企業群の財務指標を並列取得し、相対的な位置づけを把握
技術スタック
- 言語・フレームワーク:TypeScript/JavaScript、Bun(実行環境)
- LLMバックエンド:複数のLLM APIに対応
- OpenAI(デフォルト)
- Anthropic(Claude)
- Google(Gemini)
- XAI(Grok)
- OpenRouter
- データソース API:EDINET DB、J-Quants API
- 自然言語処理:テキスト抽出、エンティティ認識
インストール & 起動
git clone https://github.com/edinetdb/dexter-jp.git
cd dexter-jp
bun install
cp env.example .env # 編集してAPIキーを設定
bun run start
環境変数設定(.env):
# LLM(いずれか1つ以上を設定。複数設定可能)
OPENAI_API_KEY=sk-...
ANTHROPIC_API_KEY=sk-ant-...
GOOGLE_API_KEY=...
XAI_API_KEY=...
OPENROUTER_API_KEY=...
# データAPI
EDINETDB_API_KEY=edb_...
JQUANTS_API_KEY=... # オプション
# Web検索(オプション)
EXASEARCH_API_KEY=...
PERPLEXITY_API_KEY=...
TAVILY_API_KEY=...
# その他
X_BEARER_TOKEN=...
OLLAMA_BASE_URL=http://127.0.0.1:11434
使い方の例
自律的な分析
複雑な問いを投げると、Dexter JPが自分で計画を立て、複数のデータソースを横断し、レポートを仕上げる:
トヨタの競争力を総合分析して。財務データ、有報のリスク要因、最新決算を踏まえてレポートにまとめて
ソニーと任天堂、投資先としてどちらが優れているか。財務健全性・収益性・成長性・リスクを比較して結論を出して
高ROE・高配当の割安銘柄を探して、トップ3の財務健全性と事業リスクを深掘り分析して
キーエンスのDCFバリュエーションをして。現在の株価水準が割高か割安か判断して
シンプルな質問もOK
トヨタの直近5年の財務推移を見せて
ROE15%以上で営業キャッシュフローが安定している企業を探して
競合比較
| ツール | データ源 | 対応言語 | 分析の深さ | 日本株専門性 |
|---|---|---|---|---|
| Dexter JP | EDINET + J-Quants | 日本語ネイティブ | 自律的な多角分析 | 最高(EDINET特化) |
| Bloomberg Terminal | 多言語・グローバル市場 | 複数言語 | リアルタイム取引機能重視 | 低い |
| Refinitiv Eikon | 多言語・欧米企業重視 | 複数言語 | 相対的に浅い(画面統合) | 中程度 |
| 野村インベスター・リレーションズサイト | 各企業個別サイト | 日本語 | 企業別でばらつき | 中程度(手動確認要) |
差別化ポイント:
Dexter JPの最大の強みは、EDINET DBという日本独自の大型情報基盤に最初から最適化されていること。海外ツールは日本株対応をあとづけしているのに対し、本ツールはEDINETの規則的な構造(セクション分類、財務テーブルの位置など)を深く理解した解析エンジンを持つ。結果として、有価証券報告書に隠れた「業界別セグメント利益」や「新規開示項目」といった詳細情報まで正確に抽出できるため、機関投資家レベルの分析を個人でも実行可能にしている。
活用シーン
シーン1:個人投資家による投資判断
複数の企業候補を比較検討する際、各企業の過去の収益性指標、負債比率の推移、セグメント別利益などを自動生成。同時に「この企業のROICが同業平均より低い理由は」といった対話的な質問も投げかけられ、企業分析の効率が向上。
シーン2:アナリスト・レポートの初期リサーチ
企業の過去数年間の経営数字、キャッシュフロー、経営方針の変化を一括取得し、構造化レポートを自動生成。初期段階のデータ集約時間を削減し、より深い分析に注力できる。
シーン3:企業IR・経営管理部門による競合分析
競合企業複数社の直近決算内容をまとめたいというニーズに対応。各社の売上高、営業利益、営業キャッシュフローの最新データを一覧で取得し、自社との比較を自動計算。経営会議資料の作成が効率化される。
こんな人におすすめ
-
個人投資家・トレーダー:深い企業研究に時間を割きたいが、データ集計に時間を取られたくない人。EDINET情報を自分のペースで掘り下げたい投資判断ニーズに応える。
-
金融機関のアナリスト:定期的に複数企業のリサーチレポートを作成する業務に従事する人。初期のデータ収集・検証フェーズを時間短縮し、より高度な分析に集中できる。
-
企業の経営企画・IR部門:競合企業の経営状況を常にモニタリングしたい経営層、投資家対応の根拠データを素早く準備する必要がある部門。意思決定スピードが向上する。
-
経営コンサルタント:クライアント企業の業界ポジション診断や競争分析が必要な場面で、公開情報の入手と初期分析を自動化。コンサルティングの質を高める基盤情報を迅速に構築できる。
-
大学・研究機関の研究者:日本企業の財務パターン、業界構造の変化を大規模データセットで分析したい学術目的のニーズに対応。EDINET全体を統一的に処理できる基盤として活用可能。
FAQ
[
{
"q": "リアルタイムで株価データは取得できますか?",
"a": "J-Quants APIを通じた市場データは当日中の更新ですが、リアルタイムではありません。本ツールは短期トレーディング向けではなく、企業の中期・長期的な経営実績と見通しの分析に最適化されています。リアルタイム取引判断が必要な場合は Bloomberg Terminal など別ツールの併用をお勧めします。"
},
{
"q": "対応している企業数は? 非上場企業も分析できますか?",
"a": "EDINET登録企業(東証・名証・福証・札証上場企業および売却予定企業など約4000社)に対応しています。非上場企業の分析には対応していません。ただしIR資料がPDF等で入手できる場合、カスタマイズにより拡張可能な設計になっています。"
},
{
"q": "生成されたレポートの精度・信頼性はどの程度ですか?",
"a": "EDINET原文からの自動抽出精度は高いですが、AIの解釈については常に人間の目による検証を推奨しています。分析結果は投資判断の参考材料であり、最終判断は利用者の責任で行うべきものです。"
},
{
"q": "導入にはどの程度の専門知識が必要ですか?",
"a": "TypeScript/JavaScriptの基本的な実行環境構築と API キーの設定ができれば、特に金融の専門知識は不要です。ただし結果の解釈には財務諸表の基本知識(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)があると実用的です。"
},
{
"q": "商用利用は可能ですか? ライセンスは?",
"a": "リポジトリのライセンスに従えば商用利用可能ですが、EDINET DBとJ-Quants API自体の利用規約を確認する必要があります。詳細は各データ提供元の規約をご確認ください。"
}
]