NASAの探査機Voyager 1が、1977年の打ち上げから45年以上経った現在でも正常に稼働していることが改めて注目を集めている。搭載されているメモリはわずか69キロバイト、データ記録には8トラックテープレコーダーを使用。この極限的に限定された資源の中で、太陽系外縁部からの科学データを地球に送信し続けている。
Voyager 1とVoyager 2は、1977年に打ち上げられた無人惑星探査機。木星、土星、天王星、海王星のフライバイ観測を目的とした任務から始まった。現在、Voyager 1は太陽圏外に位置し、星間空間における唯一の科学観測プラットフォームとして機能。限定的な計算能力と記憶容量にもかかわらず、4.5世紀以上にわたる連続運用に耐えうる設計がなされていた。当時の工学基準と製造技術の制約の中で、冗長性と堅牢性を優先した結果だ。
69KBのメモリという数字は、現代のスマートフォンやPCと比較すると、その極限の制約が明白になる。2024年の一般的なアプリケーションは数百メガバイト以上のメモリを要求するが、Voyager 1の全計算機システムはその数千分の一で稼働している。8トラックテープレコーダーは、当時の標準的なデータ記録装置。ソリッドステートメモリが存在しなかった時代、磁気テープが最信頼性の高いデータ保存手段だった。
プロセッサーも同様に古い仕様。当時の設計思想は、複雑さを最小化し、故障点を削減することに注力。冗長なセンサーと通信システムを搭載し、部分的な機能喪失に耐えられる設計が採用された。
Voyager 1は現在、星間物質とプラズマの相互作用を観測し続けている。この探査機が送信するデータは、人類が初めて太陽系外の環境を直接測定した唯一の情報源。メモリ容量の制約から、データは圧縮・優先順位付けされたうえで地球に送信される。電力供給も限定的で、発電源は放射性同位体熱電気変換装置(RTG)。毎年その出力は低下しており、遠くない将来、通信機能の維持が困難になる時期が来ると予測されている。
しかし現在のところ、この1977年の工学的傑作は、人類の手の届かない領域で静かに、しかし着実に、宇宙の謎を探り続けている。
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