台本・画像・読み上げ・音楽・ショート動画・ポッドキャスト・SNS投稿まで、AIコンテンツ制作の工程を自動化するOSSを10本並べた。紹介文をそのまま写さず、2026-10-16 に全リポジトリを clone して、LICENSE ファイルの実体・最終コミット・README が求めるAPIキーを確かめた記録である。

この記事は「AIエージェント」クラスタの1本です。エージェント基盤そのものの比較は AIエージェントフレームワーク比較2026|LangGraph・CrewAI・Dify等9種をStar数・実コードで検証 にまとめています。

CONTENT PIPELINE制作の流れ

10本は制作工程のどこか1つを受け持つ

  1. 調べる

    Local Deep Research・Social Media Research Skills

  2. 台本と作業台

    OpenCreator

  3. 画像・声・音楽

    FLUX.2・Kokoro・ACE-Step 1.5

  4. 動画にする

    Short Video Factory・AI YouTube Shorts Generator

  5. 配る

    Podcastfy・Social Media Agent

出典: 各リポジトリの README(2026-10-16時点)

30秒でわかる

  • ・10本はすべて実在し、アーカイブされたものは無い。★は2.8k〜13.7k
  • ・コードのライセンスは MIT 5本・Apache-2.0 4本・AGPL-3.0 1本。モデルの重みは別条件
  • ・FLUX.2 で Apache-2.0 の重みは [klein] 4B 系だけ。9B 系と [dev] は非商用
  • ・10本中6本は既定の構成で外部APIのキーを使う。手元だけで完結する構成を持つのは一部
  • ・Kokoro は最終コミットが2025-08-06で、1年以上止まっている

AIコンテンツ制作を自動化するOSS10本の一覧

10本の条件を1枚にまとめた。ライセンスは LICENSE ファイルを開いて確認し、★と fork は github.com のリポジトリページの表示値(k 丸め)、最終コミットは git clone --depth 1 後の git log -1 で取った。

ツール 工程 ライセンス(コード/重み) 手元で動くか 必要なAPI・キー ★ 最終コミット
OpenCreator(旧KrillinAI) 台本・画像・吹き替え・動画翻訳の作業台 Apache-2.0 実行環境はローカル。生成は外部サービス Codex(ChatGPTサインインかAPIキー)+各生成サービスのキー 13.4k 2026-10-16
Social Media Research Skills SNSの伸びた投稿・競合・コメントの調査 MIT スキルは手元。データはAPI経由 ScrapeCreators のAPIキー(クレジット制) 3.9k 2026-08-26
Local Deep Research テーマから調査レポート MIT Ollama+SearXNGで完結できる 不要(クラウドLLMも選べる) 9.2k 2026-10-16
FLUX.2 画像の生成・編集 Apache-2.0/4B系はApache-2.0、9B系と[dev]は非商用 4Bは約8GB VRAM(README公称) 不要 2.8k 2026-03-12
Kokoro 読み上げ(TTS) Apache-2.0/Apache(README記載) 82Mパラメータ 不要 9.4k 2025-08-06
ACE-Step 1.5 作曲・伴奏・部分の作り直し MIT/未検証 6GB以下から段階あり(README) 不要 13.7k 2026-08-29
Short Video Factory 素材+台本からショート動画を量産 AGPL-3.0 デスクトップアプリ。文案と音声は通信する OpenAI互換APIのキー 5.7k 2026-10-16
AI YouTube Shorts Generator 長尺動画から縦型ショートを切り出す MIT ローカルモードあり(LLMだけ外部) 既定は MuAPI、ローカルでも OpenAI か Gemini 5.4k 2026-10-11
Podcastfy 資料から対話形式のポッドキャスト Apache-2.0 ローカルLLM+Edge TTSならキー不要 既定は Gemini と OpenAI の2つ 6.6k 2026-05-04
Social Media Agent URLからXとLinkedInの投稿案、承認、予約 MIT LangGraph サーバーを手元で起動 Anthropic・LangSmith・FireCrawl・Arcade 2.9k 2026-10-15

GITHUB STARS★の数

★は1万超が3本、最少でも2.8k

ACE-Step 1.5

13700

OpenCreator

13400

Kokoro

9400

Local Deep Research

9200

Podcastfy

6600

Short Video Factory

5700

AI YouTube Shorts Gen.

5400

Social Media Research

3900

Social Media Agent

2900

FLUX.2

2800
出典: github.com の各リポジトリページの表示値(k 丸め・2026-10-16 取得)

★はどれも当サイトの採用基準(200)を大きく超えるが、成熟度は★と一致しない。Kokoro は既定ブランチの最終コミットが2025-08-06で、PyPI の最新版 0.9.4 も2025-04-05の公開だった。Podcastfy も最終コミットは2026-05-04で、5か月以上動いていない。逆に Social Media Research Skills(2026-08-26・PR #6)と AI YouTube Shorts Generator(2026-09-11)は、ここ2か月で MIT の LICENSE ファイルが足されたばかりだ。それ以前に取得したコードは、再利用の条件が書かれていなかったことになる。

調べる・台本を書く工程:Local Deep Research、Research Skills、OpenCreator

Local Deep Research:手元のLLMで調査レポートを書く

テーマを渡すと、Web検索と手元の文書を何度も引き直して、出典つきのレポートにまとめる。README の最短手順は Docker で Ollama・SearXNG・本体の3つを立ち上げ、http://localhost:5000 の画面から使う形で、pip install local-deep-research でも入る(PyPI 最新は 1.10.7、2026-08-28)。検索も推論も手元に置けるので、未公開の資料を外に出さずに下調べができる。

README は単一の RTX 3090 で Qwen3.6-27B を動かし、SimpleQA で約95%と書くが、これは開発者の自己申告で、今回は測っていない。AVX 命令の無い古いCPUでは依存ライブラリが落ちるという注意書きもある。

Social Media Research Skills:伸びた投稿とコメントを掘る

ScrapeCreators 社が公開する、エージェント向けのスキル集である。npx skills add で入り、Claude Code・Codex・Cursor・Gemini CLI など Agent Skills 仕様に対応するエージェントで使える。中身は SKILL.md が13本で、同梱の検査スクリプト scripts/validate-skills.py を手元で実行すると「Validated 13 skills」と返った。

・outlier-post-finder:投稿者のふだんの水準を超えた投稿を探す
・comment-mining:コメントから質問・不満・言い回しを集める
・transcript-intelligence:動画の文字起こしからフックと主張を抜く
・competitor-social-research:競合の発信方針を比べる

データ取得はすべて ScrapeCreators のAPIを通るため、環境変数 SCRAPECREATORS_API_KEY が要る。スキル内の説明では大半のエンドポイントが1リクエスト1クレジットで、TikTok の視聴者属性は26クレジットかかる。料金ページはこの環境から開けず、価格と無料枠は未検証とした。

OpenCreator:Codex を使う制作者向けの作業台

旧名 KrillinAI。自前のエージェントループを作らず、Codex CLI を実行エンジンに据えて、画面・ローカルの実行環境・デスクトップアプリをかぶせた構成だと README は説明する。台本、記事、サムネイル、画像生成(GPT Image)、動画生成(Seedance)、吹き替え、動画翻訳(翻訳元14言語・翻訳先101言語)が並び、長尺からの自動クリップとアバター動画は「開発中」の表示だった。

デスクトップ版は macOS と Windows x64 向けで、Codex CLI を同梱する。実際の生成には ChatGPT のサインインかAPIキーが要り、画像・音声・文字起こしは設定画面でサービスごとにキーを入れる。キー不要と明記されているのは Edge TTS などの一部だけである。実行環境は 127.0.0.1 でだけ待ち受け、APIには Bearer トークンを求める。

画像・声・音楽をつくる工程:FLUX.2、Kokoro、ACE-Step 1.5

FLUX.2:Apache の重みは4B系だけ

Black Forest Labs の画像生成・編集モデルの推論コードである。コードは Apache-2.0 だが、重みのライセンスはモデルごとに分かれる。「Klein 4B の重みは Apache」という紹介は正しいが、同じ [klein] でも 9B 系は非商用だ。

モデル 重みのライセンス README の目安
[klein] 4B/4B Base Apache-2.0 4Bは約8GB VRAM(RTX 3090/4070以上)
[klein] 9B/9B KV/9B Base FLUX Non-Commercial License 9B KV は複数参照の編集が速い
[dev](32B) FLUX Non-Commercial License H100級。量子化版で一般GPU向けの手順あり
オートエンコーダー Apache-2.0 —

非商用ライセンスの本文は、モデルの利用を「非商用かつ非プロダクション」に限る。生成物は禁止事項を除いて商用でも使えると書く一方、生成物で競合モデルを学習することは禁じている。README の中でも 9B 系の参照先が LICENSE-FLUX-NON-COMMERICAL(v2.1)と LICENSE-FLUX-DEV(v2.0)の2つに割れている。業務のサムネイル量産に回すなら、4B 系を選ぶのが無難だ。

Kokoro:82Mパラメータの軽い読み上げモデル

pip install kokoro で入る推論ライブラリで、README は82Mパラメータの軽さと Apache の重みを売りにする。英語(米・英)、スペイン語、フランス語、ヒンディー語、イタリア語、ブラジルポルトガル語、中国語、日本語に対応し、日本語は misaki[ja] を追加する。英語の未知語の補完などに espeak-ng を使う。

気をつけたいのは止まり具合だ。最終コミットは2025-08-06で、main は Python 3.13 対応を入れているが、PyPI の 0.9.4 は <3.13 のままである。重みのモデルカードは Hugging Face にあり、この環境から開けなかったため、重みのライセンスは README の記載で確認した。

ACE-Step 1.5:手元のGPUで曲を作る

テキストと歌詞から10秒〜10分の曲を作る音楽生成モデルで、コードは MIT。伴奏だけの生成、既存の曲の一部を作り直すリペイント、ボーカルから伴奏を起こす機能、トラック分離、LoRA 学習まで備える。導入は Python 3.11〜3.12 で uv sync、CUDA を推奨しつつ MPS・ROCm・Intel XPU・CPU にも対応すると書く。

README の目安表では、VRAM 6GB 以下でも 2B モデルを量子化と退避で動かせ、4B の XL は退避ありで12GB以上、退避なしで20GB以上が要る。品質を「Suno v4.5 と v5 の間」とする比較は自己申告である。重みは Hugging Face 配布で、そのライセンス表記は確認できず未検証とした。

動画にする工程:Short Video Factory と AI YouTube Shorts Generator

Short Video Factory:素材と台本からショート動画を量産

Electron 製のデスクトップアプリ(Windows・macOS・Linux、最新は v1.3.0)。プロンプトから文案を作り、手持ちの動画素材を自動で切り貼りし、読み上げと字幕を合成する。プリセットを決めておけば連続で書き出す一括処理もできる。字幕の装飾(特効)はロードマップで未完了のままだ。

README は「完全にローカルで動く」とうたうが、文案は OpenAI 互換APIを呼び、読み上げの Edge TTS はソース上 speech.platform.bing.com へ接続する。オフライン完結ではない。製品版には主要操作の匿名イベントを stat.yils.blog へ送る実装があり、設定で止められるかは未確認。ライセンスは AGPL-3.0 なので、改変して配布やネット越しの提供をするならソースの公開が要る。package.json の Electron は ^22.3.27 と古い系列である。

AI YouTube Shorts Generator:長尺から見どころを切り出す

YouTube の長尺動画URLを渡すと、文字起こしからLLMが見どころを採点し、9:16 に切り抜いた mp4 を返す。30分を超える動画は重なりを持たせて分割し、似た候補は点数で1本に畳む。顔追跡での縦切り抜きと JSON 出力もある。

注意点は既定の API モードが MuAPI という外部サービスのキーを前提にしていることで、README 冒頭も同社のAPIへ誘導している。--mode local にすると取得・文字起こし・切り抜きは yt-dlp・faster-whisper・ffmpeg/OpenCV で手元に移るが、見どころ選びには OpenAI か Gemini のキーが残る。README の clone 先は SamurAIGPT/AI-Youtube-Shorts-Generator で、リポジトリページの持ち主(Anil-matcha)と表記が違う。

ショート動画の全自動化は、台本から素材まで生成する ShortGPT 解説|ショート動画をAIで丸ごと自動生成するOSSフレームワーク や、1本16円でYouTubeショート動画を全自動生成するOSS「YouTube Shorts Pipeline」の全貌 も同じ領域にある。

配る工程:Podcastfy と Social Media Agent

Podcastfy:資料を対話形式の音声にする

Webページ・PDF・画像・YouTube動画・テーマを入力に、掛け合いの台本を作って音声にする Python パッケージ(Apache-2.0、PyPI 最新は 0.4.3)。NotebookLM の音声解説の代替を掲げる。既定の設定は「要約役」と「質問役」の2人で、会話の口調・構成・話者の役割を設定ファイルで変えられ、2〜5分の短尺と30分超の長尺を選べる。

既定は台本が Gemini(gemini-2.5-flash)、音声が OpenAI TTS で、キーが2つ要る。設定ドキュメントはローカルLLMと Edge TTS を組み合わせれば「APIキー不要」の構成にできると書き、品質は Google の複数話者TTS、次いで ElevenLabs が良いとしている。最終コミットが2026-05-04で止まっている点は、組み込む前に見ておきたい。

Social Media Agent:URLから投稿案を作り、人が承認する

LangChain 社が公開する TypeScript の LangGraph エージェント。URLの中身を読んで X と LinkedIn の投稿案を作り、Agent Inbox で人が直してから予約投稿する、人の確認を挟む流れが前提になっている。Slack のチャンネルを定期的に読んで投稿案を作る cron の使い方も README にある。

クイックスタートでも Anthropic・LangSmith・FireCrawl・Arcade の4つのキーが要り、この最小構成では GitHub・X・YouTube のURL解析、Slack 連携、画像の選択が使えない。最終コミットは依存更新のボットによるもので、人の手による直近の変更は2026-10-12の依存修正だった。複数のSNSへまとめて投稿する側は AiToEarn徹底解説:12媒体SNS一括投稿AIエージェントOSS完全ガイド が詳しい。

AIコンテンツ制作の自動化OSSを選ぶときの3つの確認点

TWO AXES選び方

業務で回すならライセンスとAPIキーを先に見る

利用条件の制約(緩い → 強い)→

非商用の重み

FLUX.2 [dev]・[klein] 9B系

AGPL-3.0

Short Video Factory(改変して配布・提供するなら公開義務)

手元で完結・商用可

Kokoro・FLUX.2 [klein] 4B・Local Deep Research

MIT/Apache・既定でキーを使う

Research Skills・Social Media Agent・Shorts Generator・Podcastfy・OpenCreator

外部APIへの依存(少ない → 多い)→

出典: 各 LICENSE と README(2026-10-16時点)

図の4象限は LICENSE と README から置いた。ACE-Step 1.5 は重みの条件が確かめられず、どこにも置いていない。

・重みのライセンスをコードと分けて読む:FLUX.2 はコードが Apache-2.0 でも 9B 系と [dev] の重みは非商用。ACE-Step 1.5 の重みは未検証
・有料APIのキーが何本要るかを数える:Social Media Agent はクイックスタートで4本、Podcastfy の既定は2本。キーの本数がそのまま運用費の項目数になる
・既定ブランチの止まり具合を見る:Kokoro は1年以上、Podcastfy は5か月以上コミットが無い。★の多さは現役かどうかを示さない

今回やっていないこと

モデルの重みは1つもダウンロードしておらず、画像・音声・音楽・動画の生成品質は未検証です。各サービスの料金も公式ページを開けず確認していません。数値は README の公称値と、2026-10-16 時点のリポジトリの実体です。

動画の工程をエージェントのスキルで組むなら、動画生成Agent Skill 20本を全部cloneした|ライセンスとスキル数を実測 にライセンスの落とし穴をまとめている。

参照ソース

・OpenCreator
・Social Media Research Skills
・Local Deep Research
・FLUX.2(重みのライセンス本文は model_licenses/)
・Kokoro
・ACE-Step 1.5
・Short Video Factory
・AI YouTube Shorts Generator
・Podcastfy(設定は usage/config.md)
・Social Media Agent
・Social Media Research Skills に MIT を足した変更