何が起きたか
Vercelが2026年3月25日、AI Gateway向けの「Custom Reporting API」をベータ版としてProおよびEnterpriseプラン向けに提供開始した。複数のAIモデルプロバイダー、APIキー、ダッシュボードに散在していた利用料データを統一エンドポイントから取得できるAPIである。あるプラットフォーム企業はサードパーティのプロキシレイヤーを排除し、8万ドル以上のコスト削減を実現したと報告されている。
APIの仕組み
Custom Reporting APIは3つのステップで動作する。
ステップ1: AIモデルへのリクエスト時に、providerOptions.gatewayフィールドで顧客IDやカスタムタグを付加する。これにより各リクエストに識別情報が埋め込まれる。
ステップ2: AI SDK、Chat Completions API、Responses API、OpenResponses API、Anthropic Messages APIなど複数のインターフェースで付加されたメタデータが統一フォーマットで記録される。
ステップ3: 専用エンドポイント(GET https://ai-gateway.vercel.sh/v1/report)で期間・条件を指定して抽出。日次データとして総コスト、市場コスト、入出力トークン数、キャッシュトークン、推論トークン、リクエスト数がユーザー単位で返却される。
取得可能なメトリクス
| メトリクス | 内容 |
|---|---|
| 総コスト | プロバイダー別・モデル別の利用料合計 |
| 市場コスト | 標準価格との比較 |
| トークン使用量 | 入力・出力・キャッシュ・推論の各トークン数 |
| リクエスト数 | ユーザー別・タグ別の集計 |
| BYOK使用量 | ユーザー持ち込みAPIキー経由の利用も統一管理 |
エンジニアへの影響
- 請求書分析の自動化: CSV抽出とスプレッドシート再構築作業が不要になる
- マルチテナント対応: 顧客別・プランティア別のコスト追跡がプログラマブルに実現
- BYOK可視化: ユーザー持ち込みAPIキー経由の利用料も同一ダッシュボードで管理
- 内部ツール簡素化: 複数プロキシレイヤーの排除によるアーキテクチャの簡素化
- 外部ツール連携: Claude Codeなど外部ツールからのライブクエリに対応
試してみるには
Vercel Pro以上のプランでAI Gatewayが利用可能であれば、公式ドキュメント(vercel.com/docs)からCustom Reporting APIの仕様を確認後、リクエスト時にメタデータ付加の実装を追加する。レポート取得にはAPIキー認証が必要。
参考リンク
この記事はAI業界の最新動向を速報でお届けする「AI Heartland ニュース」です。