この記事ではUIデザインに特化して解説します。デザインシステム・UI生成全般は デザインシステムとは?仕組み・構成要素・有名事例をエンジニア向けに完全解説 をご覧ください。

DESIGN.mdとは何か ── AIエージェント時代のデザイン仕様書

AIにUIを作らせると、毎回違う色、違うフォントサイズ、違う余白のページが出てくる。「Stripeっぽいデザインで」と指示しても、AIが勝手に解釈した「それっぽい」結果しか得られない。

この問題を解決するのがDESIGN.mdという新しいフォーマットだ。Google Stitchで導入されたこの仕様では、デザインシステムの全要素をMarkdownで記述する。プロジェクトルートに置くだけで、Claude CodeやCursor、Google StitchなどのAIエージェントが仕様を読み取り、一貫したUIを生成する。基本の書き方や最小テンプレートはDESIGN.md入門記事にまとめているので、初めて触る場合はそちらを先に読むとスムーズだ。

ファイル 対象読者 定義内容
README.md 人間 プロジェクトの使い方
AGENTS.md コーディングエージェント プロジェクトの構築方法
DESIGN.md デザイン/コーディングエージェント UIの外観・色・フォント・余白の全仕様

awesome-design-mdは、このDESIGN.mdを58ブランド分キュレーションしたOSSリポジトリだ。Vercel、Stripe、Claude、Linear、Notion、Figma、Airbnb、SpaceXなど、一流企業のデザインシステムを参考にしたDESIGN.mdファイルをnpx1コマンドで自分のプロジェクトに導入できる。2026年3月31日の公開直後から急成長し、4月上旬には週間GitHubトレンド上位を独占。現在は35,000スターを超えており、今年最速で伸びたリポジトリの1つになった。

AI design.md の役割 — LLM向け設計ドキュメントの書き方

「ai design.md」で情報を探している読者が最初に押さえたいのは、「design.mdとは何のためのファイルで、どう書けばAIが正しく解釈するのか」という点だ。DESIGN.mdはLLM・AIエージェントに読ませることを目的とした設計ドキュメントで、人間向けREADMEとは明確に役割が異なる。プロジェクトルートに置くだけでClaude Code・Cursor・Google StitchなどのAIエージェントがUI生成時に自動参照し、毎回ブレていたデザインを一貫化できる。

AI向け設計ドキュメントとしてDESIGN.mdを書く際のコツは以下の5点だ。

ポイント 書き方 AIが解釈しやすい理由
①セクション見出しを番号付きで固定 ## 1. Visual Theme, ## 2. Color Palette 参照箇所が安定する
②色はHex値とロールを対にする - Primary (#0052CC): CTA, リンク 曖昧な色指定を排除
③タイポグラフィはテーブル形式 Role / Size / Weight / Letter Spacing 各フォント設定が機械的に抽出可能
④Do’s and Don’tsを明示 Don't use weight 700 on body text 禁止事項をAIに強制できる
⑤Agent Prompt Guideを付ける そのままエージェントに渡せる例文 プロンプト設計の手間を削減

awesome-design-mdが生成するDESIGN.mdは、約310行・9セクション構成で、上記5つのパターンを全て網羅している。最小構成なら以下の3セクションだけでも実用する。

# My Product Design System

## Color Palette
| Role | Hex | Usage |
|------|-----|-------|
| Primary | #0052CC | CTA, リンク |
| Background | #ffffff | ページ背景 |
| Text | #171717 | 本文 |

## Typography
| Role | Size | Weight |
|------|------|--------|
| Heading | 32px | 600 |
| Body | 16px | 400 |

## Do's and Don'ts
### Don't
- border-radius を 12px 以上にしない
- グラデーション背景を使わない
- 本文に weight 700 を使わない

AI向け設計ドキュメントとしてDESIGN.mdを採用する最大の利点は、確率的に出力するLLMに対して「境界条件」を明示的に与えられる点にある。READMEやFigmaのスクリーンショットだけでは伝わらない「やってはいけないこと」を、AIが参照可能な構造化ドキュメントに落とし込むことで、v0・Claude Code・Cursorどれを使っても同じブランドトーンのUIに収束させられる。

AGENTS.md × CLAUDE.md × DESIGN.md ── 3層のMarkdown仕様書

AIエージェント向けのコンテキストファイルは役割が分かれている。DESIGN.mdだけを見ても全体像はつかめないので、関連する3つのMarkdownファイルの分業を先に整理する。CLAUDE.mdの書き方はKarpathy流CLAUDE.md徹底解説が、さらに一段抽象度を上げた「スキル」という概念はClaude Skills完全解説で詳しく扱っている。

flowchart LR A["ユーザー指示
『ダッシュボード画面を作って』"] --> B["AIエージェント
(Claude Code / Cursor / Stitch)"] B -->|"① プロジェクト構造"| C["AGENTS.md
ビルド・テスト・依存関係"] B -->|"② プロジェクト固有ルール"| D["CLAUDE.md
コーディング規約・命名"] B -->|"③ 見た目の仕様"| E["DESIGN.md
色・フォント・余白・Do/Don't"] C --> F["最終出力
ブランド一貫のUI + 正しいビルド"] D --> F E --> F style C fill:#e8f5e9,stroke:#43a047 style D fill:#e3f2fd,stroke:#1e88e5 style E fill:#fff3e0,stroke:#fb8c00
観点 AGENTS.md CLAUDE.md DESIGN.md
主管 OpenAI/Codex中心に策定 Anthropic(Claude Code標準) Google Stitch発祥、VoltAgentが拡散
定義対象 ビルド・テスト・依存関係 コーディング規約・禁止事項 UI仕様(色/タイポ/余白/Do’s & Don’ts)
参照されるシーン npm install、テスト実行、CI 関数命名、型定義、ディレクトリ配置 UIコンポーネント生成、スタイル付け
書き手 バックエンド/DevOps テックリード デザイナー/フロントエンド
置き場所 リポジトリルート リポジトリルート リポジトリルート(またはdocs/

この3つが揃うと、AIは「ビルドが通る・規約を守った・ブランドらしい」コードを生成できる。awesome-design-mdは3つのうちDESIGN.mdだけを専門にキュレーションしているプロジェクトだ。

npxコマンドで即導入 ── awesome-design-mdの使い方

インストール不要。npxで即実行できる。

# Vercelスタイルを導入(プロジェクトルートにDESIGN.mdが生成)
npx getdesign@latest add vercel

# 58ブランドの一覧を確認
npx getdesign@latest list

# 別ブランドを追加(2つ目以降はブランド名フォルダに配置)
npx getdesign@latest add stripe

# 出力先を指定
npx getdesign@latest add claude --out ./docs/DESIGN.md

# 既存のDESIGN.mdを上書き
npx getdesign@latest add linear --force

listコマンドで出力される58ブランドの一部を紹介する。

カテゴリ ブランド例
AI・ML Claude, Cursor, Ollama, Together.ai, ElevenLabs, Mistral
開発者ツール Vercel, Linear, Supabase, Sentry, Warp, Raycast
インフラ Stripe, MongoDB, ClickHouse, HashiCorp
デザイン・生産性 Figma, Notion, Miro, Framer, Webflow
フィンテック Coinbase, Revolut, Wise, Kraken
自動車 Tesla, BMW, Ferrari, Lamborghini, Renault

DESIGN.mdの中身 ── 9セクション310行の設計仕様書

生成されるDESIGN.mdは約310行。9つのセクションで構成される。実際にVercelのDESIGN.mdから抜粋して内容を見てみよう。

セクション1: Visual Theme(デザイン哲学)

デザインの方向性を言語化している。AIはこれを読んで「このブランドらしさ」を判断する。

# Design System Inspiration of Vercel

## 1. Visual Theme & Atmosphere

Vercel's website is the visual thesis of developer infrastructure
made invisible — a design system so restrained it borders on
philosophical. This isn't minimalism as decoration; it's minimalism
as engineering principle.

セクション2-3: Color Palette + Typography

全色のHex値と役割、全フォントサイズ・ウェイト・字間の対応表がテーブル形式で定義される。

## 2. Color Palette & Roles

### Workflow Accent Colors
- **Ship Red** (`#ff5b4f`): the "ship to production" workflow step
- **Preview Pink** (`#de1d8d`): the preview deployment workflow
- **Develop Blue** (`#0a72ef`): the development workflow

## 3. Typography Rules

| Role | Size | Weight | Letter Spacing | Notes |
|------|------|--------|----------------|-------|
| Display Hero | 48px | 600 | -2.4px | Maximum compression |
| Body Large | 20px | 400 | normal | Feature descriptions |
| Mono Caption | 13px | 500 | normal | Code labels |

セクション7: Do’s and Don’ts

AIに「やるな」を明確に指示するセクション。これがDESIGN.mdの最大の強み。

## 7. Do's and Don'ts

### Don't
- Don't use weight 700 (bold) on body text — 600 is the maximum
- Don't use traditional CSS `border` — use shadow-border technique
- Don't use pill radius (9999px) on primary buttons — pills are for badges only
- Don't skip the inner #fafafa ring in card shadows

セクション9: Agent Prompt Guide

AIエージェントにそのまま渡せるプロンプト例が記載されている。

## 9. Agent Prompt Guide

### Example Component Prompts
- "Create a hero section on white background. Headline at 48px
   weight 600, letter-spacing -2.4px, color #171717."
- "Design a card: no CSS border. Use shadow stack:
   rgba(0,0,0,0.08) 0px 0px 0px 1px."

DESIGN.mdあり/なしで出力はどう変わるか

同じ指示「ランディングページのヒーローセクションを作って」をAIに渡して、DESIGN.mdの有無で比較した結果を示す。

DESIGN.mdなし ── AIが「それっぽく」判断した汎用デザイン

DESIGN.mdなしのAI生成UI

紫グラデーション背景、pill型ボタン、半透明カード。どこかで見たことあるような、個性のないUI。AIが「ランディングページ」と聞いて連想した平均値が出力される。

Vercel DESIGN.md準拠 ── 白と黒の精密なミニマリズム

Vercel DESIGN.md準拠のAI生成UI

白背景に#171717テキスト。枠線はCSSのborderではなくbox-shadow: 0px 0px 0px 1pxで表現するVercel独自の手法。見出しの字間は-2.4pxで圧縮され、Develop(青)→Preview(ピンク)→Ship(赤)の3色パイプラインが再現されている。

Stripe DESIGN.md準拠 ── 極細フォントと青みシャドウの高級感

Stripe DESIGN.md準拠のAI生成UI

見出しがfont-weight: 300の極細。CTAは#533afdパープル。カードのシャドウはrgba(50,50,93,0.25)という青みがかった色で、ダークセクションは#1c1e54(純黒ではなく深い紺)。Stripeの「金融×高級感」がそのまま出力される。

flowchart TD A["同じプロンプト
「ヒーローセクションを作って」"] --> B["DESIGN.mdなし"] A --> C["Vercel DESIGN.mdあり"] A --> D["Stripe DESIGN.mdあり"] B --> B1["紫グラデ背景
pill型ボタン
半透明カード
汎用的・個性なし"] C --> C1["白背景 #ffffff
shadow-as-border
letter-spacing -2.4px
Develop→Preview→Ship"] D --> D1["weight 300 極細見出し
#533afd パープルCTA
青みシャドウ
#1c1e54 紺セクション"] style B1 fill:#f0f0f0,stroke:#ccc style C1 fill:#ffffff,stroke:#171717 style D1 fill:#f8f6ff,stroke:#533afd
比較項目 DESIGN.mdなし Vercel準拠 Stripe準拠
背景色 AIが勝手に紫グラデ #ffffff #ffffff
見出しweight 700(太字) 600 300(極細)
字間 0(デフォルト) -2.4px(圧縮) -1.4px
ボタン形状 pill(丸型) 6px radius 4px radius
枠線 border: 2px solid box-shadow: 0px 0px 0px 1px(影で枠線を表現) 1px solid #e5edf5
シャドウ 黒の単層 多層スタック(3-4層) 青みがかった多層シャドウ
ダークセクション なし なし #1c1e54(紺)
ブランド個性 なし Vercelそのもの Stripeの高級感

結果: 同じ「ヒーローセクションを作って」という指示でも、DESIGN.mdがあるだけで出力が根本的に変わる。 特にVercelの「shadow-as-borderテクニック」やStripeの「weight 300見出し」など、各ブランド固有のデザイン判断がAIの出力に反映される。

DESIGN.md vs Figma Make vs v0 vs Google Stitch ── 使い分けの基準

AIでUIを生成する手段はDESIGN.mdだけではない。Figma Make(Figmaが提供するAIデザイン生成)、v0(Vercelのプロンプト→React UI)、Stitch(GoogleのAIデザイナー)が主要な選択肢として並ぶ。それぞれ強みが違うので、プロジェクトの段階に応じて使い分けるのが2026年の実践パターンだ。

ツール 主な用途 入力 出力 ブランド一貫性
DESIGN.md 既存プロジェクトに一貫性を足す Markdown仕様書 Claude/Cursorが生成するReact/HTML ◎(仕様書で厳密に制御)
Figma Make Figma上で詳細デザインを詰める プロンプト + Guidelines.md Figma上のデザイン + コード ◯(Guidelinesでコントロール)
v0.dev プロンプトだけで素早くプロトタイプ 自然言語プロンプト Reactコンポーネント △(都度ブレる)
Google Stitch デザインの方向性を探る 参考画像 + プロンプト デザイン + DESIGN.md ◯(DESIGN.md出力可)

2026年実践ワークフローは3ツールの合わせ技が主流になっている。Stitchで方向性を探り、Figma Makeで詳細を詰め、Claude Code + DESIGN.mdで実装するパイプラインだ。

flowchart LR A["① 方向性決定
Stitch
参考画像 → デザイン案"] --> B["② 詳細設計
Figma Make
Guidelines.md + DESIGN.md"] B --> C["③ 実装
Claude Code
DESIGN.md参照でReact出力"] C --> D["④ 微調整
人間 + Cursor
ピクセル単位の修正"] style A fill:#f3e5f5,stroke:#8e24aa style B fill:#e3f2fd,stroke:#1e88e5 style C fill:#e8f5e9,stroke:#43a047 style D fill:#fff3e0,stroke:#fb8c00

v0だけで作り続けると「毎回微妙に違うUI」が量産されてブランド崩壊につながる。DESIGN.mdを挟むことで、v0出力もClaude Code出力も同じ色・同じフォント・同じ余白に収束する。

Claude Code・Cursor・Google Stitchでの活用方法

Claude Codeで使う場合

DESIGN.mdをプロジェクトルートに置き、CLAUDE.mdに参照指示を追加する。

# CLAUDE.md に追記する内容

## デザインルール
- UIコンポーネント生成時は必ず DESIGN.md を参照すること
- DESIGN.md で定義された色・フォント・余白のみ使用
- 新しいデザイン値を勝手に発明しない

これだけでClaude Codeがデザイン仕様を自動的に読み込み、指示に従ったUIを生成する。

Cursorで使う場合

.cursor/rulesにDESIGN.mdの参照ルールを追加する。Cursor 3.0のマルチエージェント機能と組み合わせると、複数のコンポーネントを並列生成しながらデザイン一貫性を保てる。

Google Stitchで使う場合

Google StitchはDESIGN.mdをネイティブサポートしている。プロジェクトにDESIGN.mdを含めるだけで、Geminiが全プロンプトに対してデザイン仕様を自動適用する。

関連プロジェクトとエコシステム

awesome-design-mdを中心に関連ツールが成長している。

プロジェクト スター 内容
awesome-design-md 35,300+ 本体。58ブランドのDESIGN.md集
awesome-design-md-jp 670+ 日本語版。182サイト、CJKフォント・禁則処理対応
jp-ui-contracts 54 日本語UI設計契約キット。テンプレ+CSS+バリデーション
awesome-design-md-skills 54 Claude/Codex/Gemini向けスキルファイル
figma-design-system-to-design-md 15 FigmaデザイントークンをDESIGN.md形式に変換
getdesign.md ブラウザで閲覧できるWebフロントエンド + CLIツール

awesome-design-md-skillsは、Claude Code向けのスキル集として有名なmattpocock/skillsと同じ考え方でDESIGN.mdをパッケージ化する試みだ。UIコンポーネント集と組み合わせて使うなら、shadcn studioのテーマジェネレータSquare UIのレイアウトコレクションのトークンをDESIGN.mdに流し込むワークフローが実用的になる。

AIエージェントフレームワークと組み合わせることで、デザイン生成を自動パイプラインに組み込むことも可能だ。

awesome-design-md-jp ── 日本語サービス特化の拡張

本家awesome-design-mdは海外ブランド中心で、日本語UIの細かな作法(縦書き対応、和文欧文混植、句読点の扱い、CJKフォントのウェイト差など)はカバーされていない。この隙間を埋めるのがawesome-design-md-jp(スター670+)で、SmartHR、freee、note、メルカリ、LINE、Qiita、Zenn、無印良品、トヨタ、Apple Japan、任天堂、虎屋など182サイトのDESIGN.mdを収録している。本セクションは要点のみ抑えるので、日本語タイポ拡張の中身・本家との差分・落とし穴は専用記事の awesome-design-md-jp:182サイトの日本語UI DESIGN.md集(CJKタイポグラフィ拡張) を参照すると深く把握できる。

カテゴリ 収録ブランド例 日本語UI特有のポイント
SaaS・B2B SmartHR, freee, Sansan, MoneyForward, Cybozu 密度の高い情報表示、表組み優先
メディア・UGC note, Qiita, Zenn, pixiv, WIRED.jp 縦長テキスト、句読点字詰め
EC・決済 メルカリ 価格表記の視認性、バッジ多用
コミュニケーション LINE, connpass 吹き出しUI、絵文字前提
ライフスタイル 無印良品, Cookpad, 食べログ 余白多め、和モダン配色
エンタープライズ トヨタ, Apple Japan, ABEMA グローバル×日本語の混植

本家との構造的な違い

awesome-design-md-jpは本家の9セクション構成を踏襲しつつ、日本語タイポグラフィ専用のサブセクションを拡張している。

比較項目 本家 awesome-design-md awesome-design-md-jp
ブランド数 58(海外中心) 24(日本サービス)
フォント指定 欧文のみ(Inter, Geist等) CJKフォールバックチェーン対応
行間(line-height) 1.3〜1.6 1.5〜2.0(日本語に最適化)
字間(letter-spacing) 最小限 日本語本文用の詳細指定
禁則処理 なし kinsoku shori ルールあり
OpenType設定 なし font-feature-settings 指定
和文欧文混植 非対応 混植時のスペーシングルール

CJKフォントの扱いはDESIGN.mdの追加セクション「Japanese Typography Rules」で明示される。例えばnoteのDESIGN.mdは以下のような項目を含む。

## Japanese Typography Rules

| Role | Font | Size | Line Height | Letter Spacing |
|------|------|------|-------------|----------------|
| Heading JP | "Noto Sans JP" 700 | 28px | 1.5 | 0.02em |
| Body JP | "Noto Sans JP" 400 | 16px | 1.85 | 0.05em |
| Caption JP | "Noto Sans JP" 400 | 13px | 1.6 | 0.04em |

### Don't
- 日本語本文に letter-spacing: 0 を使わない(字詰めが崩れる)
- 縦書きモードで `font-variant-east-asian: proportional-width` を指定しない
- 全角スペースを padding の代わりに使わない

導入方法

# リポジトリをクローン
git clone https://github.com/kzhrknt/awesome-design-md-jp.git

# 使いたいブランドのDESIGN.mdをコピー
cp awesome-design-md-jp/services/smarthr/DESIGN.md ./DESIGN.md

# テンプレートから自社用を作成する場合
cp awesome-design-md-jp/template/DESIGN.md ./DESIGN.md

各ブランドディレクトリにはDESIGN.md本体に加え、preview.html(ビジュアルプレビュー)とスクリーンショットが含まれている。

jp-ui-contracts ── 日本語UI設計の「契約書」

jp-ui-contractsは、awesome-design-md-jpとは異なるアプローチで日本語UIの品質を担保するプロジェクトだ。DESIGN.mdが「ビジュアルの仕様書」なら、jp-ui-contractsは「AIが日本語UIを壊さないための契約書」という位置づけになる。

awesome-design-md-jpとの違い

比較項目 awesome-design-md-jp jp-ui-contracts
アプローチ ブランド別のDESIGN.mdコレクション 用途別のテンプレート+バリデーション
提供物 24ブランドの仕様書 テンプレート+CSSレシピ+検証ルール
焦点 「このブランドのUIを再現する」 「日本語UIを壊さない」
使い方 ブランドを選んでコピー プロファイルを選んでカスタマイズ

AIが日本語UIで起こす典型的な崩れ

jp-ui-contractsの作者hirokaji氏は、AI生成UIの問題を「AIの精度不足ではなく、日本語UI設計の契約が不十分」と分析している。具体的には以下の崩れが頻発する。

問題 原因 jp-ui-contractsの対策
見出しの折り返しが不自然 word-break: break-all の誤用 禁則処理ルールで制御
本文の行間が狭すぎる 欧文基準の line-height: 1.4 日本語は 1.7〜2.0 を契約で指定
英語サービス名との混在が不自然 和文欧文のスペーシング未定義 混植ルールをCSS変数で定義
フォームが窮屈 本文タイポグラフィがフォームに漏れる コンテキスト別プロファイルで分離
テーブルが読みにくい body用の行間がテーブルに適用 テーブル専用の密度設定

5つのプロファイル

jp-ui-contractsの特徴は用途別の5プロファイルだ。「メディアサイト」と「管理画面」では最適な密度やタイポグラフィが異なるという考え方に基づく。

プロファイル 用途 特徴
base 共通基盤 最小限の共有契約。全プロファイルの土台
media 記事・ブログ 段落のリズム重視。行間広め、読みやすさ優先
saas 管理画面・B2Bツール 高密度。フォーム・テーブルの情報量重視
docs 技術ドキュメント コードブロックとテキストのバランス
dashboard アナリティクスUI 可読性重視。数字の視認性、チャート配色
# jp-ui-contractsの構成
jp-ui-contracts/
├── templates/     # 用途別DESIGN.mdテンプレート
├── recipes/       # 日本語タイポグラフィCSSスニペット
├── validators/    # AI生成UIのレビュールール
├── schema/        # 機械検証用スキーマ(将来対応)
└── examples/      # サンプルDESIGN.md + preview.html

運用ワークフロー

jp-ui-contractsは「一度書いて終わり」ではなく、反復ループを前提としている。

graph LR A["DESIGN.md
を書く"] --> B["AIでUI
を生成"] B --> C["preview.html
で確認"] C --> D["validatorで
検証"] D --> E{"合格?"} E -->|"No"| F["契約を
修正"] F --> A E -->|"Yes"| G["本番適用"]

日本語プロジェクトでの3点セット

日本語UIの品質を確保するには、以下の3つを組み合わせるのが定番化しつつある。

  1. 本家 awesome-design-md — ベースとなるデザインシステムの雛形
  2. awesome-design-md-jp — 日本語タイポグラフィの仕様拡張
  3. jp-ui-contracts — 用途別の契約テンプレート+バリデーション

Claude Designがコードベースからデザインシステムを自動構築する際も、DESIGN.mdに日本語タイポグラフィルールが明記されているかどうかで出力品質が大きく変わる。デザインシステムの基本概念を理解した上で、日本語特有の拡張をDESIGN.mdに落とし込むことが重要だ。

導入時の注意点と限界

DESIGN.mdは確率的に解釈される。 AIが仕様を「理解」して適用するが、CSSコンパイラのようにピクセル単位で正確に再現するわけではない。DESIGN.mdはガイドであり、コンパイラではない。

知っておくべき制約

  • 公式デザインシステムではない — 各企業の公開CSS/パターンからリバースエンジニアリングした「インスピレーション」ファイル
  • カスタムフォント問題 — VercelのGeistやStripeのsohne-varは利用不可。Inter等の代替フォントで近似する必要がある
  • プロダクション運用 — 成熟したチームはDESIGN.md(AI向け)と従来のデザイントークン(CSS向け)を併用している
  • CJKフォント — 日本語プロジェクトではawsome-design-md-jpの拡張が必要になる場合がある

カスタムフォントの代替表

各ブランドのカスタムフォントは有料・非公開のものが多く、そのままでは再現できない。実用的な代替フォントの対応表を下にまとめる。Google Fontsで揃うものを優先している。

オリジナル 代替フォント 使用ブランド
Geist Sans Inter, Space Grotesk Vercel
sohne-var Manrope, Sora Stripe
Tiempos Headline Fraunces, Playfair Display Stripe見出し
Inter Display Inter(weight 600以上) Linear, Notion
Söhne Inter, IBM Plex Sans ChatGPT
Styrene A Satoshi, Söhne代替 Claude
SF Pro -apple-system, Inter Apple系

DESIGN.md内のfont-family定義を書き換える際、CSS変数経由で差し替えられるように記述しておくと切り替えが楽になる。

:root {
  --font-sans: "Inter", -apple-system, "Noto Sans JP", sans-serif;
  --font-display: "Space Grotesk", var(--font-sans);
  --font-mono: "JetBrains Mono", ui-monospace, monospace;
}

自社DESIGN.mdを書く場合のポイント

既存の58ブランドのDESIGN.mdを雛形として、自社デザインシステムを記述するのが最も効率的。最低限必要なのは以下の3セクション。

# My Company Design System

## Color Palette
| Role | Hex | Usage |
|------|-----|-------|
| Primary | #0052CC | CTA, リンク |
| Background | #ffffff | ページ背景 |
| Text | #171717 | 本文 |

## Typography
| Role | Size | Weight |
|------|------|--------|
| Heading | 32px | 600 |
| Body | 16px | 400 |

## Do's and Don'ts
### Don't
- border-radius を 12px 以上にしない
- グラデーション背景を使わない

まとめ

awesome-design-mdは「AIにUIを作らせるとデザインがブレる」問題を、310行のMarkdown仕様書で解決するツールだ。

npx getdesign@latest add vercel の1コマンドで58ブランドのデザイン仕様を導入でき、Claude Code・Cursor・Google Stitchでそのまま使える。特にDo’s and Don’tsセクションでAIに「やってはいけないこと」を明示できる点が、従来の「いい感じにして」型プロンプトとの決定的な違いになる。

Nothing Design SkillのようなAI向けデザイン学習ツールと組み合わせれば、デザイナーなしでもブランド一貫性のあるUI開発が現実的になる。

さらに2026年4月リリースのClaude Designでは、コードベースからデザインシステムを自動構築し、DESIGN.mdと連携してプロトタイプ・スライド・3Dデモまで生成できるようになった。デザインシステムの基本概念から実装パターンまではデザインシステム入門ガイドにまとめている。

なお、DESIGN.mdフォーマットの提唱元であるGoogleは、2026年4月にそのフォーマット仕様をOSSとして公式公開した。@google/design.md v0.1.0では、YAML+Markdownの2層構造・W3Cデザイントークン互換性・lint/diff/export CLIまで仕様化されており、awesome-design-mdとの連携も期待されている。

参照ソース