Plane OSS(makeplane/plane)は、課題の追跡・サイクル(スプリント)の運用・ロードマップ管理を行うオープンソースのプロジェクト管理ツールです。Jira・Linear・Notion の代替として注目され、ライセンスは AGPL-3.0。GitHubスターは 58,976、最新リリースは v1.4.2(2026-08-23)で、2026-09-07時点でも数日単位でコミットが続いています。

WHAT IT REPLACES何を代替するか

同じ道具立てのまま、データを自社に置ける

Jira / Linear / Notion

商用 SaaS

  • データは各社のクラウド
  • 1ユーザーごとの月額課金
  • 料金・機能は提供側の都合で変わる

Plane

OSS(AGPL-3.0)

  • セルフホストDocker / Kubernetes で自社環境に置く
  • ソフトは無料コストはインフラと運用の手間
  • PM 機能一式Work Items〜Analytics、AI つき Pages
出典: makeplane/plane README・LICENSE(2026-10-11 確認)

30秒でわかるPlane

  • ・Jira/Linear/Notion代替のOSSプロジェクト管理ツール(AGPL-3.0)
  • ・Work Items / Cycles / Modules / Views / Analytics / Pages を備える
  • ・PagesがAIの執筆支援とリッチテキストエディタを内蔵。ただしAIが主役の製品ではない
  • ・Docker/Kubernetesでセルフホストしてデータを自社管理できる。クラウド版(Plane Cloud)もある

開発ワークフローの自動化全体の選び方は AI自動化ツール|ノーコードからコードまで2026年版の比較と選び方 にまとめています。本記事はその中で、AI開発を含む開発チームの「管理基盤」を扱います。

Plane OSSとは:データ主権を保てるプロジェクト管理ツール

JiraやLinear、Notionは強力ですが、いずれも商用SaaSで、データは各社のクラウドに置かれます。課題やロードマップ、議事録には機密が多く、人数が増えればサブスク費用もかさみます。提供側の都合で料金体系や機能、データの扱いが変わることもあります。

Planeはこの構造にオープンソース+セルフホストで答えます。Jira/Linear/Notion相当の使い勝手を、自社環境にデプロイしてデータを自分で持ったまま使えるのが最大の価値です。セルフホストならソフトウェア自体は無料で、コストはインフラの運用費に収まります。

技術スタックはフロントエンドがReact系、バックエンドがDjango(Python)、ランタイムにNode.jsを使います。主な機能は次の6つです。

・Work Items:課題(タスク)の作成・管理。リッチテキストエディタ+ファイル添付
・Cycles:スプリント運用。バーンダウンチャートで進捗を追う
・Modules:プロジェクトを機能やテーマごとの単位に分ける
・Views:カスタムフィルタと共有可能なビュー
・Pages:アイデア・ドキュメントの記述(AI機能+リッチテキスト)
・Analytics:リアルタイムのインサイトとトレンド可視化

タスク管理の4機能:Work Items・Cycles・Modules・Views

日々のタスク管理を担うのは、課題そのものである Work Items と、それを束ねる Cycles(期間で区切る)・Modules(成果物で区切る)、見せ方を切り替える Views の4つです。Jiraの「課題/スプリント/エピック/フィルタ」、Linearの「Issue/Cycle/Project/View」にそれぞれ対応するので、スクラムでもカンバンでも、同じデータを見る角度だけ変えて運用できます。

SAME IDEAS言葉の対応

Jira の言葉を、Plane の4機能に置き換えて読む

Jira(Linear)

Plane

Jira(Linear): 課題(Issue)

Plane: Work Items:タスクの最小単位

Jira(Linear): スプリント(Cycle)

Plane: Cycles:期間で束ねる

Jira(Linear): エピック(Project)

Plane: Modules:成果物で束ねる

Jira(Linear): フィルタ(View)

Plane: Views:見せ方を切り替える

課題を最小単位に、Cycles/Modulesで束ね、Viewsで切り出し、Analyticsで俯瞰し、PagesでAI支援つきにドキュメント化する、という流れです。個々の機能はJiraやLinearを使ったことがあれば馴染みのあるものばかりで、学習コストは高くありません。Planeの個性は機能の目新しさではなく、一通りそろったPM機能をまるごと自分の手元で動かせる提供形態にあります。

AI機能:Pagesに組み込まれた執筆支援

箇条書きメモ→Pages内のAIが整形・要約・続き提案→課題やサイクルと地続きの整ったドキュメント、という3段の流れを示す図
PagesのAIは箇条書きの整形・議事録の要約・続きの提案を担う(編集部作図)。

Pagesは、アイデア・ドキュメント・議事録などを記述・整理する機能で、AIによる執筆支援とリッチテキストエディタを備えます。箇条書きのメモを文章に整える、長い議事録を要約する、書きかけの続きを提案する、といった支援を、書いているその場で受けられます。チャットAIへコピペして貼り戻す往復が要らず、課題やサイクルと地続きのままドキュメントを整えられるのが、専用のAI執筆ツールとの違いです。

AIプロダクトを作るチームは、プロンプトの設計メモ、モデルの評価結果、実験の振り返りなど、文章で残す知見が多い職種です。Pagesに置けば「この実験はどの課題に紐づくか」という文脈が失われず、セルフホストなら独自のプロンプトや評価データを外部に出さずに扱えます。

なお、AI機能の具体的な範囲(対応モデルや、セルフホスト時の構成)はバージョンや構成で変わります。最新の仕様は公式ドキュメントで確認してください。

Plane OSSの導入:Plane Cloudとセルフホスト

・Plane Cloud:ホスト版。インフラ運用なしで始められる
・セルフホスト:Docker / Kubernetes で自社環境にデプロイ。データを外に出さない
・God mode:インスタンス管理者向けの設定画面。インスタンス全体の構成を一元管理する

セルフホストで得られるのはデータ主権・カスタマイズ性・コスト最適化で、引き換えにデプロイ・アップデート・バックアップ・障害対応が自前になります。運用担当を置けない小さなチームは、まずPlane Cloudか検証用の小さなDocker環境で、Work Items→Cycles→Pagesの一連を触ってから判断するのが安全です。

BEFORE SELF-HOSTING導入前に確かめる

「OSSだから無料」の前に、この4点を確かめる

  1. 1.誰が運用を担うか

    デプロイ・アップデート・バックアップ・障害対応は自前

  2. 2.AGPL-3.0 の範囲

    社内利用は問題になりにくい。改変版を SaaS で出すならソース開示

  3. 3.AI 機能の範囲

    Pages の AI の対応構成はバージョンで変わる

  4. 4.移行コスト

    データ移行とチームの習熟。段階的に進める

「OSSだから無料」だけに飛びつかず、運用の人件費・時間まで含めた総コストで判断してください。具体的な導入手順・対応バージョンは変わるため、公式リポジトリのドキュメントを確認してください。

Jira / Linear / Notion との違いと向き不向き

ツール形態データの所在AI特徴
PlaneOSS(AGPL)自社(セルフホスト可)Pagesに執筆支援データ主権+現代的PM機能
Jira商用SaaS外部クラウド各種AI機能高機能・エンプラ向け
Linear商用SaaS外部クラウドAI機能高速・洗練されたUX
Notion商用SaaS外部クラウドNotion AIドキュメント+DB

エンタープライズの複雑な要件や手厚いサポートが必須ならJira、スピードと洗練されたUXならLinear、ドキュメントとデータベースの組み合わせならNotionが強みを持ちます。データを自社に置きたい・コストを抑えたい・自分でカスタマイズしたいならPlaneが候補です。細部の作り込みでは成熟した商用SaaSに差がある場合があるので、要件に合うかは検証してください。

同じくJira・Linearの代替を狙うOSSには、チャットやドキュメントまで1つに束ねるHulyがあります。サーバーを立てずに個人やごく小さなチームで使うなら、ローカル完結のTaskFlowの方が軽く済みます。開発ワークフロー側にエージェントを組み込む話は GitHub Agent HQ で扱っています。

2026-10-11 に実測で確かめ直した

対象リポジトリを 2026-10-11 に clone して、ライセンスの実体・更新状況・規模を測り直しました。紹介文やバッジではなく、リポジトリの中身を直接読んだ値です。

# ① 浅く clone する
git clone --depth 1 https://github.com/makeplane/plane /tmp/plane
# ② 直近のコミット日を見る → 2026-10-08
git -C /tmp/plane log -1 --format=%ad --date=short
# ③ ライセンスの実体と規模を見る → AGPL-3.0 / 5,031 ファイル
head -3 /tmp/plane/LICENSE* 2>/dev/null; git -C /tmp/plane ls-files | wc -l
確認項目 2026-10-11 の実測 確認方法
ライセンス AGPL-3.0 head -3 LICENSE* でファイル本文を読む
直近コミット 2026-10-08(3日前) git log -1 --date=short
規模 追跡ファイル 5,031 本 git ls-files \| wc -l

AGPL-3.0で気をつけること

  • ・自社内でセルフホストして使う分には問題になりにくい
  • ・Planeを改変して外部にSaaSとして提供するなら、改変部分のソース開示が求められる可能性がある。商用の組み込みは公式のLICENSEと法務で確認する

参照ソース

・makeplane/plane(GitHub) — 本記事が 2026-10-11 に測り直した対象
・LICENSE — ライセンスの実体(手順③で読んだファイル)
・Plane 公式サイト