Claude Codeでコーディングする際、「PRDをどう書くか」「TDDをどう進めるか」「リファクタリングの計画をどう立てるか」といった開発プロセス上の判断は、毎回プロンプトで指示し直す必要がある。CLAUDE.mdに全部書くとトークンが膨張し、かといって都度入力するのは非効率だ。

mattpocock/skillsは、TypeScript教育で10万フォロワーを持つMatt Pocockが公開するClaude Code向けのスキル集だ。GitHub上で14,500スター超を獲得しており、npx skills@latest addコマンド1つで個別のスキルを自分の.claude/skills/に追加できる。Planning & Design、Development、Tooling & Setup、Writing & Knowledgeの4カテゴリに18スキルを収録し、開発の上流(要件定義)から下流(ドキュメント作成)までをカバーする。

このリポジトリが画期的なのは「開発プロセスそのものをパッケージ化」している点だ。単なるプロンプト集ではなく、参照ファイル・設計思想・ワークフロー全体を含む「知識パッケージ」として配布されている。Claudeに「TDDしろ」と言うだけでなく、TDDの教科書一式を渡す感覚だ。

mattpocock/skillsリポジトリ

本記事では全18スキルの内容と使い方を日本語で解説する。

この章のポイント
mattpocock/skillsはClaude Code向けスキル集——14,500スター超の人気OSS
4カテゴリ・18スキルを`npx skills@latest add`で個別導入できる
参照ファイルを同梱した「深い」スキル設計が最大の特徴

この記事ではClaude Codeに特化して解説します。Claude Code全般は Claude Code完全ガイド2026:インストールから本番運用まで をご覧ください。

インストールと基本的な使い方——npx 1行で開発プロセスが変わる

スキルの導入はnpxコマンド1行で完了する。グローバルインストール不要で、必要なスキルだけをピンポイントで追加できる。

# TDDスキルをインストール
npx skills@latest add mattpocock/skills/tdd

# PRD作成スキルをインストール
npx skills@latest add mattpocock/skills/write-a-prd

# アーキテクチャ改善スキルをインストール
npx skills@latest add mattpocock/skills/improve-codebase-architecture

インストールされたスキルは.claude/skills/ディレクトリに配置される。Claude Codeのセッション中に/tdd/write-a-prdのようにスラッシュコマンドで呼び出すか、Claudeがdescriptionを読み取って自動的に選択する。

各スキルは単一ファイルではなくフォルダ構成だ。たとえばTDDスキルの構造は以下のようになっている。

tdd/
├── SKILL.md           # メインの指示書(Red-Green-Refactorの手順)
├── tests.md           # テストの書き方ガイドライン
├── mocking.md         # モッキングのルール
├── refactoring.md     # リファクタリング手法
├── interface-design.md # インターフェース設計原則
└── deep-modules.md    # Deep Module設計パターン

SKILL.mdがメインの指示書で、参照ファイルはClaudeが必要に応じて読み込む。この「プログレッシブ・ディスクロージャー」方式により、必要なコンテキストだけをロードしてトークン消費を抑える設計だ。

スキルはフォルダだ——SKILL.mdを中心に、tests.md・mocking.md・refactoring.mdなど専門知識ファイルを同梱できる。Claudeは必要になったときだけ読み込む。

インストール後の確認

インストールが成功しているかは以下のコマンドで確認できる。

# .claude/skills/ ディレクトリを確認
ls -la .claude/skills/

# スキルのSKILL.mdをcatで覗く
cat .claude/skills/tdd/SKILL.md

# Claude Codeで /help を叩くと登録済みスキル一覧が見える
# セッション内で /tdd を打てばTDDスキルが呼び出される
npxで毎回最新版を取れる仕組み
skills@latestと指定しているため、常に最新版のスキル定義を取得できる。Matt Pocockがスキルを更新したら、再度npx skills@latest addを叩くだけで反映される。チーム内でバージョンを固定したい場合は[email protected]のようにバージョンを指定する。
この章のポイント
npx skills@latest add mattpocock/skills/スキル名で1行インストール
各スキルは参照ファイル同梱のフォルダ構成でプログレッシブ・ディスクロージャーを実現
スラッシュコマンド(例: /tdd)またはClaudeの自動判断で呼び出される

Planning & Design——コードを書く前の思考を構造化する6スキル

開発で最もコストが高いのは「手戻り」だ。Planning & Designカテゴリの6スキルは、コードを1行も書く前に判断を固めるプロセスを構造化する。

スキル名 用途 インストールコマンド
write-a-prd 対話形式でPRD(製品要件定義書)を作成しGitHub Issueに登録 npx skills@latest add mattpocock/skills/write-a-prd
prd-to-plan PRDからVertical Sliceベースの実装計画を生成 npx skills@latest add mattpocock/skills/prd-to-plan
prd-to-issues PRDを独立したGitHub Issueに分割 npx skills@latest add mattpocock/skills/prd-to-issues
grill-me 設計の穴を徹底的にヒアリングで洗い出す npx skills@latest add mattpocock/skills/grill-me
design-an-interface 並列サブエージェントで複数のインターフェース案を生成 npx skills@latest add mattpocock/skills/design-an-interface
request-refactor-plan リファクタリング計画を対話で策定しGitHub Issueに登録 npx skills@latest add mattpocock/skills/request-refactor-plan

特にwrite-a-prdは実用性が高い。Claudeがユーザーにヒアリングを行い、コードベースを探索した上で、Problem Statement・Solution・User Stories・Implementation Decisions・Testing Decisionsを含むPRDを自動生成してGitHub Issueに登録する。

# Claude Codeで呼び出す
> /write-a-prd

# Claudeが対話形式でヒアリング開始
# → 問題の詳細な説明を求められる
# → コードベースを自動探索して現状を確認
# → 設計の分岐点を1つずつ解決
# → 最終的にGitHub Issueとして登録

grill-me——Claudeが容赦なく設計を詰める

grill-meは「設計レビュー」をClaudeに任せるスキルだ。SKILL.mdの指示はシンプルで、「このプランのあらゆる側面について容赦なくヒアリングし、意思決定ツリーの全分岐を解消するまで続けろ」というものだ。コードベースを見れば答えられる質問はコードを見て自ら解決する。

Grill the user on every aspect of the plan. Do not stop until every branch of the decision tree is resolved.

「設計レビュアー役」をエージェントに委ねることで、人間では見落としがちな論点を網羅できる。ペアプログラミングで厳しい相手と議論する効果を、Claude Codeで再現する発想だ。

design-an-interface——並列サブエージェントで案を複数出す

design-an-interfaceは複数のサブエージェントを並列起動し、それぞれ異なるインターフェース設計案を生成させる。最後にメインのClaudeが結果を比較してユーザーに提示する。

> /design-an-interface ユーザー認証API

# Claudeが並列でサブエージェントを3つ起動
# → エージェントA: REST APIベースの案
# → エージェントB: GraphQLベースの案
# → エージェントC: RPC + イベント駆動の案
# 最後に比較表と推奨案を提示

Claude Codeの全体像を理解していれば、サブエージェント並列実行の仕組みが活きる設計と分かる。

この章のポイント
Planning & Designは6スキル——write-a-prd / prd-to-plan / prd-to-issues / grill-me / design-an-interface / request-refactor-plan
write-a-prdはヒアリング+コードベース探索でGitHub Issue化まで自動
grill-meとdesign-an-interfaceは「AIが設計に介入する」新しい開発スタイルを実現

Development——TDDとアーキテクチャ改善の実践手法

Developmentカテゴリには5つのスキルがある。中でもtddimprove-codebase-architectureは、参照ファイルを多数同梱した「深い」スキルだ。

スキル名 用途
tdd Red-Green-Refactor + Vertical SliceでTDDを徹底
improve-codebase-architecture Deep Module設計を基盤にアーキテクチャを改善
triage-issue GitHub Issueの優先度と実装可否をトリアージ
fix-a-bug バグ再現テスト→修正のフローを強制
implement-a-plan prd-to-planで作った計画を1スライスずつ実装

tdd——Vertical Sliceで回すTDD

tddスキルは単なる「テストを先に書け」という指示ではない。Red-Green-Refactorのループを「Vertical Slice」で回す手法を徹底する。

# tddスキルが禁止するパターン(Horizontal Slice)
RED:   test1, test2, test3, test4, test5
GREEN: impl1, impl2, impl3, impl4, impl5

# tddスキルが強制するパターン(Vertical Slice)
RED→GREEN: test1→impl1
RED→GREEN: test2→impl2
RED→GREEN: test3→impl3

Horizontal Slice(テストを全部先に書いてから実装する)では、実装前に「想像した」振る舞いをテストしてしまい、実際のコードと乖離する。Vertical Sliceなら「前のサイクルで学んだこと」を次のテストに反映できる。

観点 Horizontal Slice Vertical Slice(tddスキル)
テスト記述のタイミング 最初に全部書く 1サイクルずつ書く
実装との乖離リスク 高い 低い
学びの反映 困難 次のテストに即時反映
リファクタリング頻度 まとめて実施 各サイクルで実施
デバッグ難易度 複数テストが同時に失敗し切り分け困難 1テストずつ通すため特定容易

improve-codebase-architecture——Deep Moduleで設計を深くする

improve-codebase-architectureは、John Ousterhoutの「A Philosophy of Software Design」で提唱されたDeep Moduleの概念を基盤にしている。小さなインターフェースの裏に大きな実装を隠すモジュール設計を目指し、テスタビリティの向上とAIナビゲーションの容易さを両立する。Claudeがコードベースを有機的に探索し、「浅いモジュール」を発見してリファクタリング候補として提示する。

// 浅いモジュール(インターフェース == 実装量)
export function addOne(n: number): number {
  return n + 1;
}

// Deep Module(小さなインターフェース、豊かな実装)
export function retryFetch(url: string, options?: RetryOptions): Promise<Response> {
  // 指数バックオフ、タイムアウト、サーキットブレーカー等
  // 数百行のロジックを隠蔽
}

improve-codebase-architectureスキルはこの違いをClaudeに判断させ、Deep化できそうなモジュールをリスト化する。

graph LR A["write-a-prd
PRD作成"] --> B["prd-to-plan
実装計画"] B --> C["prd-to-issues
Issue分割"] C --> D["tdd
テスト駆動開発"] D --> E["improve-codebase
-architecture
アーキテクチャ改善"] E --> F["request-refactor
-plan
リファクタリング計画"] F --> B G["grill-me
設計レビュー"] --> A G --> B G --> F
この章のポイント
tddスキルはVertical Sliceを強制——学びを次のサイクルに反映できる
improve-codebase-architectureはDeep Moduleパターンで設計を深化
Development 5スキルはPlanning成果物と連携してループを回す

Tooling & Setup——プロジェクト基盤を整備する2スキル

Tooling & Setupカテゴリには2つのスキルがある。いずれも「開発の安全網」を構築するスキルだ。

  • setup-pre-commit — Husky + lint-staged + Prettier + 型チェック + テストのpre-commitフックを一括セットアップ
  • git-guardrails-claude-codegit push --forcegit reset --hardなどの危険なGitコマンドをClaude Codeのフックでブロック
# pre-commit一括セットアップ
npx skills@latest add mattpocock/skills/setup-pre-commit

# Claude Codeに実行させる
> /setup-pre-commit

# 自動で以下が設定される:
# - husky installコマンド実行
# - .husky/pre-commit ファイル生成
# - lint-staged 設定をpackage.jsonに追加
# - TypeScript型チェック + テスト実行を組み込み

git-guardrails-claude-codeは特に重要だ。Claude Codeがエージェントとして自律動作する際、git push --forcegit reset --hardを誤って実行するリスクを回避する。

{
  "hooks": {
    "PreToolUse": [
      {
        "matcher": "Bash",
        "hooks": [
          {
            "type": "command",
            "command": "./.claude/hooks/block-dangerous-git.sh"
          }
        ]
      }
    ]
  }
}

このフックスクリプトはスキルインストール時に自動配置される。Claude Codeのエージェント動作を安全化するベストプラクティスとして広く参考にされている。

Claude Codeのエージェントを本番環境に近い状態で走らせる場合、Git操作のガードレールは必須だ。誤操作1つで数時間の作業が消える。

この章のポイント
setup-pre-commitはHusky+lint-staged+型チェック+テストを一括セットアップ
git-guardrails-claude-codeはClaude Codeフックで破壊的Git操作をブロック
両スキルとも「エージェント時代の安全網」として機能する

Writing & Knowledge——ドキュメントと知識管理を強化する4スキル

Writing & Knowledgeカテゴリは4スキル構成で、ドキュメンテーション・用語管理・ノート管理の文脈を扱う。

スキル名 用途
write-a-skill 新しいスキルの構造設計を対話形式で支援
edit-article 記事のリストラクチャリング・明確化・文章引き締め
ubiquitous-language DDDスタイルのユビキタス言語用語集を会話から抽出
obsidian-vault Obsidianノートの検索・作成・管理(Wikilinks、インデックスノート対応)

write-a-skill——メタなスキル

write-a-skillは「スキルを作るためのスキル」というメタな存在だ。対話形式でスキルの目的・descriptionの書き方・参照ファイル構成を一緒に設計してくれる。

> /write-a-skill

Claude: どんなスキルを作りたい?
User: PRレビューを自動でやるスキル
Claude: トリガーワードは何にする?
User: /review-pr か "review PR"
Claude: 参照ファイルは何が必要?
  → review-checklist.md(レビュー観点)
  → security-rules.md(セキュリティ項目)
  → style-guide.md(コードスタイル)
  これでどう?

ubiquitous-language——DDD用語集の自動生成

ubiquitous-languageはDDD(ドメイン駆動設計)で提唱される「ユビキタス言語」を、Claudeとの会話から抽出して用語集化する。チーム内で「カート」「注文」「決済」がそれぞれどういう意味か揺らいでいる状況を、会話ログから自動整理する。

# ユビキタス言語(自動生成)

## カート(Cart)
- ユーザーが購入予定の商品をまとめた一時的なコンテナ
- セッションに紐づく(ログイン前は匿名カート)
- 最大保持期間: 30日

## 注文(Order)
- カートを確定してサーバ側に永続化した状態
- 注文ID、ユーザーID、商品リスト、金額、配送先を含む
- キャンセル可能期間: 発注から24時間

用語の揺らぎが減るとコードレビューとエージェント実行の両方で効果が出る。Claudeにドメイン用語を教え込むことで、「注文」と「カート」を混同した実装を未然に防げる。

AIコーディングエージェントのセットアップで迷う場合は、OpenHandsのようなブラウザベースの自律エージェントと比較検討するのも有効だ。mattpocock/skillsはClaude Codeに特化した「スキル拡張」アプローチであり、エージェント自体を置き換えるものではない。

この章のポイント
Writing & Knowledgeは4スキル——write-a-skill / edit-article / ubiquitous-language / obsidian-vault
write-a-skillは「スキルを作るスキル」というメタ構造
ubiquitous-languageはDDD用語集を会話から自動抽出しチーム認識を統一

既存のスキルシステムとの比較——何が違うのか

Claude Codeのスキルは.claude/skills/にSKILL.mdを置くだけで動作する。では、mattpocock/skillsの価値は何か。自作スキルやAnthropics公式スキルとの違いを整理する。

比較項目 自作スキル mattpocock/skills Anthropics公式スキル
インストール 手動でSKILL.md作成 npx skills@latest addで1コマンド 手動コピーまたはnpx
スキル数 必要なだけ 18スキル(4カテゴリ) 数スキル
参照ファイル 自分で用意 同梱済み(tests.md等) 最小限
設計思想 自由 Deep Module・Vertical Slice重視 汎用
カスタマイズ 完全に自由 SKILL.mdを編集可能 SKILL.mdを編集可能
更新頻度 自分次第 Matt Pocockが継続更新 Anthropicが管理

最大の差別化ポイントは参照ファイルの充実度だ。tddスキルにはtests.md(テストの書き方)、mocking.md(モッキングのルール)、interface-design.md(インターフェース設計)、deep-modules.md(Deep Moduleパターン)、refactoring.md(リファクタリング手法)が同梱されている。単に「TDDしろ」と指示するのではなく、Claudeに読ませる教科書がセットになっている。

ForgeCodeのようなAIコーディングツールが「コード生成」にフォーカスするのに対し、mattpocock/skillsは「開発プロセスの質」を高めるアプローチだ。両者は競合ではなく補完関係にある。

SKILL.mdの構造を覗く

自作する際の参考として、mattpocock/skillsのSKILL.md構造を見ておこう。

---
name: tdd
description: Use this skill when the user asks for TDD, test-driven development, or when writing new features that need tests.
---

## TDD Rules

Red-Green-Refactorのサイクルを回す。1スライスずつ垂直に。

詳細は以下の参照ファイルを順に読むこと:
- `tests.md` — テストの書き方
- `mocking.md` — モッキングのルール
- `refactoring.md` — リファクタリング手法
- `interface-design.md` — インターフェース設計
- `deep-modules.md` — Deep Moduleパターン

descriptionにトリガーワード(TDD, test-driven, writing new features)を明示することで、Claudeの自動呼び出し精度が上がる。本文は「参照ファイルを読め」と指示するだけのシンプルな構造で、具体論は各ファイルに切り出す。

この章のポイント
mattpocock/skillsの差別化ポイントは参照ファイルの充実度
SKILL.md本体はシンプル——具体論は参照ファイルに切り出してプログレッシブに読ませる
ForgeCode等の「コード生成ツール」とは補完関係、競合ではない

実践的な導入パターン——どのスキルから始めるか

18スキルを全部入れる必要はない。プロジェクトの状況に応じた導入パターンを紹介する。

# パターン1: 新規プロジェクト立ち上げ
npx skills@latest add mattpocock/skills/write-a-prd
npx skills@latest add mattpocock/skills/prd-to-plan
npx skills@latest add mattpocock/skills/tdd

# パターン2: レガシーコード改善
npx skills@latest add mattpocock/skills/improve-codebase-architecture
npx skills@latest add mattpocock/skills/request-refactor-plan
npx skills@latest add mattpocock/skills/triage-issue

# パターン3: チーム開発の品質向上
npx skills@latest add mattpocock/skills/grill-me
npx skills@latest add mattpocock/skills/setup-pre-commit
npx skills@latest add mattpocock/skills/git-guardrails-claude-code
状況 推奨スキル 得られる効果
新規プロジェクト write-a-prd + prd-to-plan + tdd 要件→計画→実装のフローを確立
レガシー改善 improve-codebase-architecture + request-refactor-plan Deep Module化で保守性向上
チーム開発 grill-me + setup-pre-commit + git-guardrails 品質ゲートと安全網を構築
ドキュメント整備 edit-article + ubiquitous-language + obsidian-vault 知識資産を組織化
スキル自作 write-a-skill 社内ノウハウをスキル化

特にtddとwrite-a-prdの組み合わせは汎用性が高い。PRDで要件を固め、TDDで1つずつ実装する——このサイクルをClaude Codeが自律的に回せるようになる。Claude Codeの全体像を把握した上でスキルを追加すれば、エージェントの実行品質が格段に上がる。

カスタマイズも自由

インストール後のSKILL.mdは自由に編集してよい。チーム固有のコード規約やデプロイ手順を追記すれば、「mattpocock/skillsをベースにした自社スキル」になる。

# インストール後にチーム規約を追記
vi .claude/skills/tdd/SKILL.md

# 追記例:
# - テストはJestではなくVitestを使う
# - カバレッジ80%以上を維持する
# - E2EテストはPlaywrightで書く
スキルをチームで共有するコツ
.claude/skills/をGit管理に含めるとチーム全員で同じスキルセットを共有できる。~/.claude/skills/(Personalスコープ)に置くと個人設定として運用可能。プロジェクト固有のカスタマイズはProjectスコープ、汎用的なものはPersonalスコープに置き分けるのが基本だ。

自分独自のスキルを作りたい場合は、MCPサーバーの構築ガイドも参考になる。MCPサーバーでツール連携を拡張し、スキルでワークフローを定義する——この2つを組み合わせることで、Claude Codeの活用範囲は大きく広がる。

この章のポイント
新規/レガシー/チーム/ドキュメント——状況別に必要スキルを選べる
tdd + write-a-prdの組み合わせが汎用性最高
SKILL.mdはインストール後に自由にカスタマイズ可能でチーム資産化できる

📌 まとめ

mattpocock/skillsは、Claude Code向けの開発プロセススキル集として現在最も充実したOSSリポジトリのひとつだ。npx skills@latest addコマンド1行でPlanning・Development・Tooling・Writingの4カテゴリ・18スキルを個別導入でき、参照ファイルを同梱した「深い」スキル設計によってClaudeの実行品質を底上げする。

最大の価値は「開発プロセスの教科書をClaudeに渡せること」だ。TDDスキルにはtests.md・mocking.md・refactoring.md・deep-modules.mdが同梱されており、単なる「TDDしろ」という指示を超えた体系的な教育がエージェントに施せる。Vertical SliceやDeep Moduleといった設計哲学が、スキルを通じてコードベースに浸透していく。

導入の最短コースはtdd + write-a-prdの2スキルだ。PRDで要件を固めてTDDで1スライスずつ実装するという王道サイクルを、Claude Codeが自律的に回せるようになる。慣れたらgrill-meで設計レビューを厳しくし、improve-codebase-architectureで既存コードをDeep化していく。18スキル全部ではなく、プロジェクトに必要なものだけを選んで育てるのが正解だ。

Claude Codeのスキルシステム自体の詳細はClaude Skillsを徹底解説で網羅している。仕組みを理解した上でmattpocock/skillsを導入すれば、自社独自のスキル開発にもスムーズに移行できる。

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参照ソース