この記事ではv0.14.0以降の新機能に特化して解説します。基本的な使い方と学習ループの仕組みは Hermes Agent|自己学習AIエージェントの使い方 — Telegram・Discord・Slack対応、200+LLM切替 をご覧ください。

AIエージェントフレームワーク全般の比較は AIエージェントフレームワーク比較2026年版 をご覧ください。

Hermes Agent — Nous Research の自己改善型AIエージェント公式バナー
Hermes Agent 公式バナー(出典: NousResearch/hermes-agent README)

Hermes Agent v0.14〜v0.16:83K→193K★、3ヶ月でCLIから常駐アプリへ

2026年3月下旬、Nous ResearchがHermes Agentを公開した時点でのスター数は約83,000。それから3ヶ月足らずの2026年6月時点で193,000★規模へと達し、2倍以上に膨らむ異例のペースで成長を続けている。

週次リリースサイクルで積み上げてきた変更量は圧倒的だ。v0.14.0(Foundation)単体でも808コミット・633マージPR・1393ファイル変更・165,061行の追加。続くv0.15.0(Velocity)は1302コミット・747マージPR、v0.16.0(Surface)は874コミット・542マージPRと、いずれも1リリースとは思えない規模で積み上がっている。

本記事は、当初v0.14.0「Foundation Release」を起点に書かれたが、2026年6月時点で公開済みのv0.15.0「Velocity Release」(5月28日)とv0.16.0「Surface Release」(6月5日)まで対象を拡張した。インストール基盤を固めたFoundation、内部を高速化しつつセキュリティを固めたVelocity、そしてエージェントを「常駐するデスクトップアプリ」へ押し上げたSurface——この3段の進化を順に追っていく。

3リリースの位置づけを30秒で理解する
v0.14.0 Foundation:pip installでの正式配布・Kanban・hermes proxyで「導入と統合の基盤」を整備
v0.15.0 Velocity:run_agent.pyを76%削減、session_searchを4500倍高速化、Promptware防御でインジェクション攻撃を遮断
v0.16.0 Surface:ネイティブデスクトップアプリとWeb管理ダッシュボードで、ターミナルを開かなくても操作できる「表層(Surface)」を獲得

PyPI正式公開:pip install hermes-agent で即座に起動

v0.14.0以前のHermes Agentは、シェルスクリプトによる独自インストーラーが主流だった。v0.14.0ではPyPI正式パッケージとして公開され、標準的なPythonツールチェーンから直接インストールできるようになった。

# PyPIから直接インストール(v0.14.0以降)
pip install hermes-agent

# インストール完了後、即座に起動
hermes

# 全機能を含む拡張インストール
pip install "hermes-agent[all]"

従来のシェルインストーラーと比較した最大の変化は「重いバックエンドのレイジーインストール」だ。Slack・Matrix・Feishu・DingTalkアダプタ、画像生成SDK、音声TTS プロバイダーなどは、初回利用時に自動インストールされる仕組みに変わった。インストール直後のディスク使用量が大幅に削減され、初回 pip install が格段に速くなっている。

さらにサプライチェーンアドバイザリーチェッカーが新設され、依存パッケージのバージョンに既知の脆弱性がないかをインストール時に自動スキャンする。

uv + venv を使った軽量セットアップ
pip install hermes-agentでも動くが、uvを使うと依存解決が10倍以上速い。uv venv .venv --python 3.11 && uv pip install hermes-agentで環境を分離したうえで高速インストールできる。特に複数バージョンを試す際に効果的。

PyPIパッケージ化により、CI/CDパイプライン上でのHermes Agent利用が大幅に簡単になった。GitHub ActionsやDockerfileに pip install hermes-agent を一行追加するだけで、エージェントをワークフローに組み込める。

Kanbanマルチエージェント:AIチームが「最後まで」やり遂げる

v0.13.0(2026年5月7日リリース)で導入されたKanbanマルチエージェントは、Hermes Agentの最大の転換点だ。それまでのHermes Agentは「1人のエージェントが質問に答える」単体構成だったが、Kanbanにより複数のHermesワーカーが協調してタスクを完遂するチーム構成が実現した。

Kanbanの設計思想

従来のマルチエージェントフレームワークが抱える問題は「エージェントがタスクを途中で諦める」ことだ。ネットワーク障害、コンテキスト超過、推論エラーなど、長時間実行タスクには様々な失敗要因がある。HermesのKanbanはこれを正面から解決している。

graph TD A["ユーザー
タスク登録"] --> B["Kanbanボード
タスクキュー"] B --> C["ワーカー1
タスク取得"] B --> D["ワーカー2
タスク取得"] B --> E["ワーカー3
タスク取得"] C --> F{"完了判定
ハートビート"} D --> F E --> F F -->|"タイムアウト
ゾンビ検出"| G["タスク再キュー
自動リクレーム"] G --> B F -->|"正常完了"| H["完了レーン
結果集約"] H --> I["ユーザー通知
全プラットフォーム配信"]

Kanbanマルチエージェント — ワーカー3台・ハートビート監視・ゾンビ検出・タスク再キューによる自動リカバリ構成図

Kanbanの核心機能

ハートビート監視とゾンビ検出:各ワーカーは定期的にボードにハートビートを送信する。一定時間ハートビートが途絶えたワーカーは「ゾンビ」として検出され、担当タスクが自動的にキューに戻される。macOS(darwin)上の特殊なゾンビプロセス挙動も専用で対応済み。

幻覚ゲートとリカバリー:ワーカーが「タスク完了」を申告した際、実際の成果物との整合性を検証する「幻覚ゲート」が作動する。申告と実態が乖離している場合、タスクは未完了として扱われリトライされる。

自動ブロックと再試行バジェット:不完全な状態で終了したワーカーは自動的にブロックされ、次の試行では別のワーカーが引き継ぐ。タスクごとに max_retries を設定でき、無限ループを防ぐ。

# Kanbanボードの作成と操作
hermes kanban create --name "website-redesign" --workspace ~/projects/site

# タスクの追加(自然言語で記述可能)
hermes kanban add "トップページのヘッダー画像をWebP形式に変換して最適化する"
hermes kanban add "全ページのmeta description を120〜160字で最適化する"
hermes kanban add "404ページのデザインを改善してCTAを追加する"

# 複数ワーカーを起動してタスクを並列実行
hermes kanban worker start --board website-redesign --profile worker1
hermes kanban worker start --board website-redesign --profile worker2

# ボードの状態を確認
hermes kanban status

# ダッシュボードで視覚的に管理(ブラウザ)
hermes dashboard
Kanban利用時の注意点
各ワーカーは独立したHermesプロセスとして動作するため、ワーカー数分のLLMトークンが消費される。コスト管理の観点から、OpenRouterのParetoルーター(v0.14.0追加)を使うとタスクの難易度に応じて最安モデルが自動選択される。min_coding_scoreパラメータで品質バーを設定できる。

マルチボード構成

v0.13.0からは複数のKanbanボードを1インストールで管理できる。プロジェクトAとプロジェクトBで独立したボードを持ちながら、共通のワーカープールを使い回すことも可能。プロファイル間でボード・ワークスペース・ワーカーログを共有する仕組みも整備されており、チーム運用に対応している。

/goal と /subgoal:Ralphループによる永続ゴール管理

Kanbanがチーム向けの協調機構なら、/goal は個人エージェントが自律的に目標を達成し続ける仕組みだ。v0.13.0で追加されたRalphループの実装で、エージェントが「目標を忘れずにターンをまたいで継続する」ことを可能にする。

/goal の動作原理

通常の会話では、エージェントは各ターンの指示に応答して終了する。/goal を使うと、エージェントは「判定ループ」に入り、目標の達成基準を満たすまで自律的にタスクを継続する。

hermes
# 会話開始後

> /goal 「このリポジトリ全体のTypeScriptエラーをゼロにする。tsconfig.jsonの設定は変更しない」

# Hermesエージェントが判断ループを開始
# - エラー確認 → 修正 → 再確認 → まだエラーあり → 修正継続
# ユーザーの追加入力なしで目標達成まで継続

# 途中から追加条件を追加(/subgoal)
> /subgoal 「修正時にany型の使用は禁止する」

# 既存の/goalに新条件が追記され、判定基準が更新される

/subgoal はv0.14.0で追加されたコマンドで、実行中の /goal に追加条件を付け加える。エージェントを再起動せずにゴールの定義を絞り込める。長時間の自律実行タスクで「途中で条件を変えたい」という場面で特に有用だ。

/goal + Kanbanの組み合わせが特に強力で、各ワーカーが独自の /goal を持ちながらボード上のタスクをこなすというパターンで、複雑な自動化ワークフローが構築できる。

OpenAI互換ローカルプロキシ:既存ツールをそのまま活用

v0.14.0で追加された hermes proxy は、HermesをOpenAI APIと互換性のあるローカルエンドポイントとして動作させる機能だ。

# プロキシを起動(デフォルトポート: localhost:8080)
hermes proxy

# OpenAI APIを使う既存ツールからHermes(Claude Pro)を呼び出せる
export OPENAI_API_BASE=http://localhost:8080
export OPENAI_API_KEY=dummy

# これだけでClaude ProがAiderのバックエンドになる
aider --model claude-3-5-sonnet-20241022

# Codex CLIも同様
codex --api-base http://localhost:8080

# Cline(VS Code拡張)もエンドポイントURLを変更するだけ

この機能の意義は「サブスクリプション1つで全ツールを動かせる」点にある。Claude Pro・ChatGPT Pro・SuperGrok(xAI Grok)のいずれかのサブスクリプションを持っていれば、それを hermes proxy に向けた後、Codex・Aider・Cline・ContinueなどすべてのツールがAPIキーなしで動作する。

v0.14.0では同時にSuperGrok OAuthプロバイダーも追加された。xAI SuperGrokのサブスクリプションをOAuthで認証すると、grok-4.3(100万トークンコンテキストウィンドウ)がAPIキー不要で使える。リポジトリ全体を丸ごとコンテキストに詰め込む用途に特に向いている。

hermes proxy エコシステム — Claude Pro / ChatGPT Pro / SuperGrok のサブスクを統一エンドポイント経由で Codex・Aider・Cline・Continue に接続する構成図

パフォーマンス大幅改善:cold start -19秒・ブラウザ180倍高速化

v0.14.0の「Foundation Release」の名は、パフォーマンス改善にもよく表れている。特に起動速度ブラウザツール速度の2点が劇的に変わった。

起動時間:約19秒の短縮

hermes コマンドを実行してからプロンプトが表示されるまでの時間が、v0.13.0比で約19秒短縮された。改善の主な内容:

改善項目 手法
スキルキャッシュ 起動時の全スキルスキャンをキャッシュで代替
遅延インポート 未使用アダプタのPythonインポートを遅延化
モデルカタログ ディスクキャッシュを優先、ネットワーク呼び出しを後回し
ヘルスチェック hermes doctor チェックを並列実行
hermes tools 全プラットフォーム画面の表示を14秒 → 1.5秒以下に

hermes chat -q でウェルカムバナーをスキップするオプションも追加され、CI/CDや自動化スクリプトからの単発呼び出しがより軽くなった。

ブラウザツール:180倍の高速化

エージェントがブラウザを操作するツール(browser_console)の応答速度が180倍速くなった。v0.13.0まではブラウザツール呼び出しのたびに新しいChrome DevToolsセッションを起動していたが、v0.14.0からは永続的なWebSocket接続を使い回す仕組みに変わった。数秒かかっていた操作がミリ秒単位で返るようになり、ウェブスクレイピングや自動テストでの体験が大きく変わった。

クロスセッション1時間プロンプトキャッシュ

Anthropic・OpenRouter・Nous Portal経由でClaude を使う場合、プロンプトプレフィックス(システムプロンプト・スキル・メモリ)が1時間キャッシュされる。/new で新規セッションを始めても前のセッションのキャッシュが有効なため、最初のレスポンスが速く安くなる。バックグラウンドのメモリレビューもキャッシュを使うよう改善されている。

v0.14.0 Foundation Release 主要改善指標 — スター数83K→157K・cold start -19秒・ブラウザ180倍高速化・22プラットフォーム・1時間プロンプトキャッシュ・PyPI公開

22メッセージングプラットフォーム:LINEとSimpleXが追加

Hermes Agentがサポートするメッセージングプラットフォームは、v0.14.0で22プラットフォームに達した。

v0.13.0でGoogle Chat(20番目)、v0.14.0でLINEとSimpleX Chatが追加された。

日本ユーザー向け:LINEネイティブ対応の実際
LINEは日本・韓国・台湾で最大のメッセージングプラットフォームで、月間アクティブユーザーが約2億人。LINE Messaging APIを通じてHermesがLINEの公式アカウントとして動作できるため、エンタープライズや個人開発の自動化ボットとして国内での活用が広がりやすい。設定はhermes gateway setupのLINEオプションからチャンネルシークレット・アクセストークンを入力するだけ。

SimpleX ChatはユーザーIDを持たないプライバシー重視の分散型メッセンジャー。機密情報を扱うエージェント操作やセキュリティリサーチ用途で、追跡不可能な経路でエージェントに指示を送りたい場合に適している。

Microsoft Teamsもv0.14.0でエンドツーエンドの対応が完成した(Microsoft Graph認証・Webhookリスナー・パイプラインランタイム・送信配信の全スタック)。

主要プラットフォーム機能比較

プラットフォーム 地域特性 ネイティブボタンUI ボイスメモ 追加バージョン
CLI 全域 初期
Telegram 全域 初期
Discord 全域 初期
Slack 企業向け 初期
WhatsApp 全域・モバイル 初期
Signal プライバシー重視 初期
LINE 日本・東アジア v0.14.0
SimpleX Chat プライバシー重視 v0.14.0
Microsoft Teams 企業向け v0.14.0
Google Chat 企業向け v0.13.0

v0.14.0では各プラットフォームのclarifyツール(エージェントが選択肢を提示するとき)にネイティブボタンUIも追加された。TelegramとDiscordでは選択肢を番号で入力する代わりにボタンをタップするだけで操作できる。

Curator:バックグラウンドで自律的にスキルライブラリを保守

v0.12.0(2026年4月30日)で導入されたCuratorは、スキルライブラリの自動保守を担うバックグラウンドコンポーネントだ。

エージェントが長期間使用されるほどスキルが蓄積していく一方、品質が低下したスキルや重複スキルが増えてパフォーマンスに影響する問題があった。Curatorはこれを解決するために、スキルをグレード付け・整理・統合する作業を定期的かつ自律的に行う。

# Curatorの手動実行(同期・結果をターミナルに表示)
hermes curator run

# アーカイブ済みスキルの一覧
hermes curator list-archived

# 不要スキルのプルーニング
hermes curator prune

# 古いスキルをアーカイブ(削除せず保存)
hermes curator archive

v0.13.0でCuratorはさらに成長し、バックグラウンド自動実行に加えて手動サブコマンドも整備された。hermes curator run を実行するとプロセスが同期的に完了し、結果をポーリングせずにターミナルで確認できる。

Curatorの自律ループは、スキル自動生成(タスク完了時)→ Curatorによる品質評価・整理 → 高品質スキルのみが次回呼び出しに使われるという循環を形成する。使い込むほど「スキルライブラリが洗練されていく」という自己改善のサイクルが完成している。

Curatorはバンドル済みスキルやSkills Hubからインストールしたスキルは絶対に上書き・削除しないように保護されており、ユーザー作成スキルのみが評価対象になる安全設計になっている。

自己進化エコシステム:GEPA + DSPy で設計を遺伝的に改良

Hermes Agentのコアリポジトリとは別に、Nous Researchはhermes-agent-self-evolution(3,391★)という自己進化専用リポジトリを公開している。

このリポジトリはGEPA(Genetic-Pareto Prompt Evolution)+ DSPyを使い、Hermes Agentのスキル・ツール説明・システムプロンプトを自動進化させる。GPUトレーニング不要で、APIコール経由のテキスト変異・評価・選択だけで動作し、1回の最適化実行コストは約2〜10ドル。

# hermes-agent-self-evolution の基本的な使い方

# リポジトリをクローン
# git clone https://github.com/NousResearch/hermes-agent-self-evolution.git

import subprocess

# スキルを進化させる(合成評価データ使用)
result = subprocess.run([
    "python", "-m", "evolution.skills.evolve_skill",
    "--skill", "github-code-review",
    "--iterations", "10",
    "--eval-source", "synthetic"
], capture_output=True, text=True)

# 実際のセッション履歴から評価データを生成
result = subprocess.run([
    "python", "-m", "evolution.skills.evolve_skill",
    "--skill", "github-code-review",
    "--iterations", "10",
    "--eval-source", "sessiondb"  # Claude Code・Copilot・Hermesの実履歴を活用
], capture_output=True, text=True)

print(result.stdout)

GEPAの仕組み

GEPAはICLR 2026 Oral採択の最適化アルゴリズム。「なぜ失敗したか」を実行トレースから読み取り、ターゲットを絞った変異を提案する点が特徴だ。単にランダム変異を繰り返すのではなく、失敗パターンの原因分析に基づいて改善案を生成する。

進化の対象は現時点でスキルファイル(Phase 1:実装済み)で、ツール説明・システムプロンプトセクション・ツール実装コードへの適用は順次拡張予定(Phase 2〜5)。

5段階ガードレール

進化した変種が実際に採用されるには5段階の検証を通過する必要がある:

  1. フルテストスイート通過pytest tests/ -q が100%パスすること
  2. サイズ制限:スキルは15KB以下、ツール説明は500字以内
  3. キャッシュ互換性:会話途中での変更が禁止
  4. 意味的保存:元の目的からの乖離がないこと
  5. PRレビュー:すべての変更はdirectコミットでなくPR経由

この設計により「勝手に意図しない方向に進化する」リスクを最小化しつつ、人間がレビューできる形での継続的改善を実現している。

Agent Skill Harbor徹底解説|AIエージェントのスキル資産をGitで一元管理するOSS基盤と組み合わせると、進化したスキルをチーム間で共有・管理する体制が整う。

セキュリティ強化:v0.13.0で8件のP0脆弱性を修正

v0.13.0のリリースノートは「Security Wave」として8件のP0脆弱性修正を明示している。セキュリティを重視するユーザーは特に確認しておきたい。

修正内容 重要度 詳細
シークレット自動秘匿をデフォルトON P0 APIキー等の機密情報が会話・ログに露出しないよう設定変更
Discordロール許可リストのギルドスコープ化 P0 (CVSS 8.1) クロスギルドDMバイパスの脆弱性を修正
WhatsApp 見知らぬ人デフォルト拒否 P0 外部ユーザーからの無条件応答を廃止
MCP OAuth TOCTOU窓のクローズ P0 認証情報保存時の競合状態を修正
ブラウザ クラウドメタデータSSRFフロア適用 P0 SSRF経由のクラウドメタデータアクセスをブロック
cronプロンプトインジェクションスキャン P0 スキルコンテンツを含む全cronプロンプトをスキャン
hermes debug share アップロード時秘匿 P0 ログ共有時に機密情報を自動削除
.env / auth.json を0600パーミッションで復元 P0 誤った権限設定を修正

v0.14.0ではさらにsudo ブルートフォースブロックdangerous-commandバイパス3件の修正が加わった。また、ツールのエラー文字列がモデルコンテキストに再注入される前にサニタイズされるようになり、悪意あるファイルやリモートサービスがエラー出力を通じてエージェントに指示を渡す「プロンプトインジェクション経路」が閉じられた。

v0.15.0「Velocity Release」:内部を76%スリム化しつつ高速化

2026年5月28日リリースのv0.15.0「Velocity Release」は、その名のとおり速度と内部品質に振り切ったバージョンだ。v0.14.0からの差分は1302コミット・747マージPR・1746ファイル変更(282,712行追加/36,699行削除)に達し、321名のコミュニティ貢献者が関わっている。Foundationで広げた間口を、Velocityで内部から締め直した格好になる。

コア書き換えと起動・実行コストの削減

最も象徴的なのが、エージェントの心臓部である run_agent.py の大規模リファクタだ。16,083行から3,821行へと76%削減され、14個の凝集したモジュールに分割された。巨大な単一ファイルが解体されたことで、保守性とテスト容易性が大きく改善している。

実行コスト面でも効果が出ている。主な改善は次のとおり。

起動時間hermes --version が 701ms → 258ms と63%高速化
Termuxコールドスタート:2.9秒 → 0.8秒(モバイル端末での体感が大きく変化)
会話あたりの効率:31ターンのチャットで関数呼び出しが399k → 213kへと47%削減

session_search:補助LLMを捨てて4500倍高速化

v0.15.0で最も実用的なインパクトを持つのが、過去セッション検索の全面再設計だ。従来は検索のたびに補助LLMを呼び出していたため、約90秒かかり追加コストも発生していた。新しい session_search約20ミリ秒(4,500倍高速)かつ完全無料で動作する。

hermes
# 会話内で過去ログを横断検索(LLM不要・即時応答)
> session_search "先月設定したNginxのリバースプロキシ構成"

# 単一ツールが文脈から3モードを自動推論
#   discovery … キーワードで該当セッションを発見
#   scroll    … 1セッション内を前後に読み進める
#   browse    … 複数セッションを一覧して俯瞰

発見(discovery)・スクロール(scroll)・閲覧(browse)の3モードを推論で自動的に切り替える単一ツールに統合され、「どのコマンドを使うか」をユーザーが意識する必要がなくなった。

Promptware防御:インジェクションを3つのチョークポイントで遮断

セキュリティ面の目玉はPromptware防御だ。Brainworm/C2系の攻撃パターンを、エージェントが外部から文字列を取り込む3つの「チョークポイント」で照合・遮断する。具体的には、ツール出力・想起したメモリ・保存済みスキルの3経路がすべて検査対象になる。

graph LR A["ツール出力
(コマンド結果・
Web取得)"] --> G{"Promptware
パターン照合
Brainworm/C2"} B["想起したメモリ
(過去セッション・
ユーザープロファイル)"] --> G C["保存済みスキル
(自動生成・
Hubインストール)"] --> G G -->|"攻撃パターン検出"| D["遮断・サニタイズ
コンテキスト混入を阻止"] G -->|"クリーン"| E["エージェント
コンテキストへ投入"] F["コントロールプレーン保護
auth.json / config.yaml /
webhook購読"] -.->|"書込み拒否"| G

さらに auth.jsonconfig.yaml・Webhook購読といったコントロールプレーンのファイルを保護し、エージェント自身がこれらを書き換えられないようにする多層防御(defense-in-depth)が加わった。認証情報ストアは読み取り拒否がデフォルトになっている。

Bitwarden連携とKanbanの自動分解

シークレット管理ではBitwarden Secrets Manager連携が追加された。1つのブートストラップトークンを登録すれば、プロバイダーごとに散らばっていたAPIキーをBitwarden側で一元管理できる。EU Cloud・セルフホスト版のBitwardenサーバーにも対応し、認証情報がどこ由来かをラベル付けして検出する仕組みも入った。

Kanbanマルチエージェント(このリリースだけで104PR)も大きく進化した。

自動分解:トリアージ時にオーケストレーターが大タスクをサブタスクへ自動分解
タスク単位のモデル上書き:難易度に応じてカードごとに使用モデルを変更
worktree-per-task:タスクごとにgit worktreeを分離し、並列作業の競合を回避
swarmトポロジー:ルート+並列ワーカー+ゲート付き検証の構成を自動生成
運用機能:ワーカー可視化エンドポイント、スケジュールタスク、claim TTL設定、リトライ・フィンガープリント、停滞タスク検出

スキル・プロバイダー・プラットフォームの拡張

スキル面では、関連スキルをまとめて読み込むスキルバンドル(1スラッシュコマンドで複数スキルをロード)が導入され、新規スキルとして openhands(委譲)・code-wiki(永続開発Wiki)・web-pentest(OWASPレシピ)が追加された。Skills Hubにはヘルスチェックと鮮度バッジが付いた。

プロバイダーではxAIとの深い統合(Web Searchプラグイン・OAuthプロキシ上流・5月15日のモデル退役検出)、Krea画像生成(Medium $0.03/Large $0.06)、FAL.aiのプラグイン化、Nous承認MCPカタログの対話的ピッカーが入った。メッセージングは23プラットフォームに達し、サインアップもAPIキーも不要な ntfy プッシュ通知、Discord/Mattermostプラグインのバンドル化、Telegramのインプレース状態編集・STTスキップ・2GBローカルBot API上限対応が加わった。

開発者向けにはセッション制御REST API(/api/sessions/* のlist/create/read/patch/delete/fork、SSEストリーミング対応)、HTTP/SSE MCPサーバー向けのmTLSクライアント証明書、OSV.dev連携のサプライチェーン監査 hermes audit が追加された。Windowsサポートも install.ps1 による完全ブートストラップでベータ提供が始まっている。

v0.16.0「Surface Release」:ターミナルを開かずに使う常駐アプリへ

2026年6月5日リリースのv0.16.0「Surface Release」は、Hermes AgentをネイティブデスクトップアプリとWeb管理画面という新しい「表層(Surface)」に押し出した転換点だ。874コミット・542マージPR・1962ファイル変更(205,216行追加/46,217行削除)、399イシュークローズ(P0×2・P1×62・セキュリティタグ16)、170名の貢献者が関わっている。これまでターミナル中心だったエージェントが、初めて「アプリとして常駐する」形を獲得した。

Hermes Desktop:Electron製ネイティブアプリ

macOS/Linux/Windows向けに、Electronで構築されたネイティブデスクトップアプリが登場した。主な機能は次のとおり。

ワンクリックインストールとアプリ内セルフアップデート
・ファイルのドラッグ&ドロップ添付とクリップボード画像の貼り付け
Cmd+K コマンドパレットで操作を素早く呼び出し
・ステータスバーのインラインモデルピッカー
・複数プロファイルの同時セッションと、プロファイル横断の @session リンク
簡体中文(简体中文)の完全翻訳と型付きi18nレイヤー
・OAuthまたはユーザー名/パスワードによるリモートゲートウェイ接続

リモートゲートウェイ接続により、VPSやサーバー上で動くHermesゲートウェイへ、手元のデスクトップアプリからつないで操作できる。「サーバーで常駐させ、手元のアプリで指示する」という構成が、SSHを意識せず実現できるようになった。

Web管理ダッシュボード:ブラウザで一元設定

デスクトップアプリと並ぶもう一つの柱が、ブラウザベースのWeb管理ダッシュボードだ。これまで設定ファイルやCLIで行っていた管理操作を、GUIから一元的に扱える。

graph TD subgraph Surface["操作レイヤー(v0.16で拡張)"] A["Hermes Desktop
Electronアプリ
mac/Linux/Win"] B["Web管理
ダッシュボード
ブラウザ"] C["CLI / TUI
ターミナル"] end A --> G["Hermes
ゲートウェイ"] B --> G C --> G G --> H["MCPカタログ
有効/無効トグル"] G --> I["メッセージング
チャンネル設定"] G --> J["認証情報・
Webhook管理"] G --> K["Kanban
ワーカー群"] L["OAuth / OIDC /
ユーザー名・パスワード"] -.->|"認証"| B

ダッシュボードがカバーする範囲は広い。

・MCPカタログの有効/無効トグル
・メッセージングチャンネル(Telegram・Discord・Slackほか)の設定
・認証情報とWebhookの管理
・メモリ設定インターフェース
・更新前チェック(check-before-update)とDebug Shareを備えたシステムページ
・差し替え可能なユーザー名/パスワードログインと汎用OIDCプロバイダー対応

コア機能とモデルの追加

エージェント本体にも実用的な改善が入った。/undo [N] はN個分のユーザーターンを巻き戻し、入力欄にメッセージを再充填する。あいまい検索対応のモデルピッカーがデスクトップ・Web・TUI・CLIの全インターフェースで使えるようになり、NVIDIA/skills が信頼済みSkills Hubのタップとして追加された。デフォルトスキルセットは整理され(Spotify・Linearを除去、8スキルをオプション化)、MCP・プラグインツールは段階的に開示される(progressive tool disclosure)。委譲の max_spawn_depth は上限が撤廃され、下限1で深いサブエージェント委譲が可能になった。

新モデルとして deepseek-v4-flashMiniMax-M3(100万トークンコンテキスト)・qwen3.7-plusgemini-3.5-flash が追加され、デスクトップのモデルピッカーは1時間ごとにカタログを更新する。Kanbanでは goal_mode カードがワーカーを /goal ループで走らせ、タスクへのファイル添付にも対応した。

v0.16.0のセキュリティとパフォーマンス

セキュリティ修正も継続している。CVE-2026-48710(StarletteのBadHost脆弱性)に対してStarlette ≥1.0.1へピン留めし、非同期パスのSSRFチェックをイベントループ外へ移動、Bedrock推論のベアラートークンをサブプロセス環境から除去、スキルコンテンツ内の不可視Unicodeをサニタイズ、Dockerのrestart/stop/killを DANGEROUS_PATTERNS に追加した。

パフォーマンスでは、hermes sessions optimize によるVACUUM時のFTS5セグメントマージ、read_file のコンパクトな行番号ガター(トークン約14%削減)、遅いMCPサーバーがTUI起動を凍結させない改善、ツール出力をトレイル行に永続化しないことによるサイレントOOMの修正が入った。

どのインターフェースを選ぶべきか
デスクトップアプリ:画像添付やマルチプロファイルを多用する日常運用。常駐させて随時指示する使い方に最適
Web管理ダッシュボード:チームで認証情報やMCPを管理する運用、リモートサーバー上のHermesを設定する場面
CLI / TUI:CI/CD組み込み、深いデバッグ、スクリプトからの単発呼び出し。--cliフラグでデフォルトインターフェースも選べる

主要インターフェースの対応状況(v0.16時点)

機能 Desktop Web管理 TUI CLI
あいまい検索モデルピッカー
/undo [N] ターン巻き戻し
ドラッグ&ドロップ添付
Cmd+K コマンドパレット
MCP/チャンネルGUI管理
リモートゲートウェイ接続
CI/CD・スクリプト単発実行
簡体中文UI

OpenRouter・Fusion APIとの関係を一次ソースで確認する

読者から「Hermesを作るNous ResearchはOpenRouter Fusion APIと関連した企業ではないか」という指摘をいただいた。Hermes AgentがLLMプロバイダーとしてOpenRouterを多用するため、こうした疑問は自然だ。一次ソースを当たって整理すると、両者は別会社だが、プロバイダー統合という実体のある関係がある——という切り分けになる。憶測を避け、確認できた範囲のみを記す。

Fusion APIはOpenRouter単独の製品

まずOpenRouter Fusionそのものを確認する。Fusionは複数モデルの出力を統合して単一モデルを上回る回答を作るOpenRouterの機能だ。仕組みはシンプルで、パネルに登録した各モデルへ並列にプロンプトを送り(web検索・fetch有効)、judgeモデルが全回答を読んで「合意点・矛盾・部分的カバー・独自の洞察・盲点」を構造化分析し、呼び出し元モデルがその分析をもとに最終回答を執筆する。

提供形態openrouter/fusion エイリアス。プラグイン/サーバーツールとして利用
プリセット:Quality/Budgetの2系統
公開時期:2026年3月31日に実験公開、6月12日のブログ「Surpassing Frontier Performance with Fusion」で詳細を公表
ベンチマーク:Fable 5+GPT-5.5をOpus 4.8が統合したパネルが69.0%(Fable 5単体は65.3%)。Opus 4.8の自己統合でも65.5%(単体58.8%)。Budgetパネル(Gemini 3 Flash・Kimi K2.6・DeepSeek V4 Pro)は64.7%でGPT-5.5やOpus 4.8単体を上回った

重要なのは、Fusionの公式ブログ・ドキュメントにはNous ResearchもHermesも一切登場しない点だ。FusionはOpenRouterが単独で提供する機能であり、Hermes由来の技術ではない。

Nous ResearchとOpenRouterは別会社

次に資本・経営の関係を確認する。OpenRouterは創業者兼CEOがAlex Atallah氏(NFTマーケットプレイスOpenSeaの共同創業者)で、Andreessen Horowitz・Menlo Venturesに続き、CapitalG(Alphabet傘下)が主導するラウンドでNvidia・ServiceNow・MongoDB・Snowflake・Databricks系のVCが出資している($40M→$113M規模)。

一方で、公式ソースの範囲ではNous ResearchがOpenRouterに出資している/されている事実も、共同創業者・経営陣の重複も確認できなかった。したがって「OpenRouter Fusion APIの関連企業(資本関係のある会社)」という理解は、一次ソースでは裏付けられない。

確認できたこと/できなかったこと
確認できた:HermesモデルのOpenRouter配信、Hermes AgentのOpenRouterプロバイダー対応(事実)
確認できなかった:Nous⇔OpenRouterの出資関係、経営陣の重複、FusionへのHermes技術の関与(公式ソースに記載なし)
これらは「関係が無い」と断定するものではなく、公開された一次ソースの範囲で裏付けが取れなかったという意味だ。

実体のある関係=モデル配信とプロバイダー統合

では何が本当のつながりかというと、双方向のプロバイダー統合である。

graph LR subgraph N["Nous Research(別会社)"] H["Hermesモデル
4 70B/405B・
3 405B・DeepHermes"] A["Hermes Agent
OSSエージェント"] end subgraph O["OpenRouter(別会社)"] P["統一API
100+モデル"] PC["Pareto Code Router
openrouter/pareto-code"] F["Fusion
openrouter/fusion
※Hermes言及なし"] end H -->|"ホスト配信
18モデル"| P A -->|"第一級プロバイダー
として利用"| P A -.->|"実験的ルーター"| PC F -.->|"公式統合の
記載は未確認"| A

OpenRouter → Hermes:OpenRouterがNousのHermes系モデル(Hermes 4 70B/405B、Hermes 3 405B、DeepHermes 3など計18モデル)を openrouter/nousresearch 配下でホスト配信
Hermes → OpenRouter:Hermes AgentはOpenRouterを第一級プロバイダーとしてサポート。OPENROUTER_API_KEY を設定し、author/slug 形式で100以上のモデルを選択、provider_routing でprice/throughput/latencyソートやフォールバックを指定できる
Pareto Code Router:v0.14で触れた openrouter/pareto-code もOpenRouterの実験的ルーターで、コーディング品質バーを満たす最安モデルへ自動ルーティングする

なお、Hermes公式ドキュメントのプロバイダーページは現時点で openrouter/fusion を明記していない。HermesはOpenRouterのモデルを author/slug で指定できる設計のため、設定上はFusionをバックエンドに指定し得るが、公式に動作保証された統合として記載されているわけではない(ここは事実と推測を分けておく)。

まとめると
「Nous=OpenRouterの関連企業」ではなく、「Hermesという人気モデル/エージェントと、OpenRouterという配信・ルーティング基盤が、相互に深く統合している」という関係。Fusionはその基盤側(OpenRouter)の新機能であり、Hermes側の機能ではない——と理解するのが一次ソースに忠実だ。

v0.10.0 → v0.16.0 主要変更サマリー

3月初公開から6月初旬にかけての6リリースで追加された機能を一覧でまとめる。

バージョン リリース名 主な追加機能
v0.10.0 (4/16) Tool Gateway Nous Portal経由のWebSearch・画像生成・TTS・ブラウザ自動化を統合ツールゲートウェイで提供
v0.11.0 (4/23) Interface React/InkによるTUI完全リライト・AWS Bedrock対応・プラグインサーフェス拡張・GPT-5.5対応
v0.12.0 (4/30) Curator 自律スキルライブラリ保守(Curator)・4プロバイダー追加・18番目プラットフォーム
v0.13.0 (5/7) Tenacity Kanbanマルチエージェント・/goalループ・セキュリティWave 8 P0修正・7言語i18n対応
v0.14.0 (5/16) Foundation PyPI公開・SuperGrok OAuth・hermes proxy・LINE+SimpleX・cold start -19s・browser 180x
v0.15.0 (5/28) Velocity run_agent.py -76%・session_search 4500x・Promptware防御・Bitwarden連携・Kanban自動分解・23プラットフォーム
v0.16.0 (6/5) Surface ネイティブデスクトップアプリ・Web管理ダッシュボード・/undo [N]・簡体中文・CVE-2026-48710修正

v0.10.0〜v0.14.0 リリース履歴タイムライン — Tool Gateway・Interface・Curator・Tenacity・Foundation の5バージョン変遷図

バージョンアップの方法
hermes updateコマンドで最新バージョンに自動更新できる。PyPIインストール環境ならpip install --upgrade hermes-agentでも可能。アップデート後はhermes doctorで設定の整合性を確認することを推奨。

既存のHermes Agentユーザーが今すぐやるべきこと

v0.14〜v0.16の恩恵を最大限に受けるための実践的な手順をまとめる。

1. アップデートと確認

# 最新版に更新(PyPI環境なら pip install --upgrade hermes-agent でも可)
hermes update

# 設定の整合性チェック
hermes doctor

# セキュリティ関連の変更(シークレット秘匿)の確認
hermes config get security.redact_secrets
# → true になっていることを確認(v0.13.0以降はデフォルトtrue)

2. デスクトップアプリの導入(v0.16)

ターミナルを常用しない場面が多いなら、v0.16のネイティブデスクトップアプリを入れておくと運用が一気に楽になる。ワンクリックインストール後はアプリ内で自動更新され、画像のドラッグ&ドロップやCmd+Kパレットで日常操作が完結する。リモートのHermesゲートウェイにOAuthでつなげば、サーバー常駐+手元アプリ操作の構成も組める。

3. session_searchで過去ログ資産を活かす(v0.15)

hermes
# 4500倍高速・無料になった過去セッション検索を試す
> session_search "前にやったDocker Composeのトラブルシュート"

# FTS5インデックスの最適化(v0.16)
hermes sessions optimize

4. Promptware防御とコントロールプレーン保護の確認(v0.15)

外部ツール出力やWeb取得を多用する運用では、Promptware防御がデフォルトで効いているか確認しておきたい。auth.jsonconfig.yaml がエージェント自身から書き換え不可になっているかも合わせてチェックする。

5. Kanbanで既存の定型ワークフローを分散化

既存の hermes cron で動かしている複数タスクをKanbanに移行すると、v0.15で入った自動分解・worktree分離・swarmトポロジーにより、タスク間の依存関係管理や障害時の自動リトライが組み込まれ、より堅牢な自動化パイプラインが構築できる。Skills Hubのスキル標準化の流れは Skillは標準仕様になる|Googleが公式Agent Skillsリポジトリを公開、npx skillsで何が変わるか も合わせて読むと位置づけが掴みやすい。

Hermes Agentの今後の方向性

GitHubのイシューや公開中のコントリビューションの動向から、今後追加が見込まれる機能の輪郭が見えてくる。

デスクトップ・Web Surfaceの成熟:v0.16で登場したデスクトップアプリとWeb管理ダッシュボードはまだ初版だ。多言語UIの拡充(簡体中文に続く言語)、ダッシュボードでのメモリ/Kanban可視化の強化が、貢献者の活動量(v0.16だけで170名)から見ても次の焦点になりそうだ。

GEPA自己進化のコア統合:現在は独立リポジトリ(hermes-agent-self-evolution)だが、Curatorとの連携を深め、スキル進化をHermes Agentのコアサイクルに統合する方向での開発が進んでいる。

Kanbanの拡張:v0.15で自動分解・swarmトポロジー・worktree分離まで来たKanbanは、異種プロバイダー(Claude ProとGPT-5.5など)の協調や、Web管理ダッシュボードからのビジュアル運用が次の伸びしろになる。

computer_use の安定化:v0.14.0で非Anthropicモデルでも動くようになったが、まだ実験的な位置づけ。ASSISTANTレベルのデスクトップ操作エージェントとして安定させることが中期的な目標とされている。

OpenHands / Claude Code との役割分担OpenHands完全ガイド:SWE-Bench 77.6%のOSS AIコーディングエージェント徹底解説が「コード生成特化」に特化するのに対し、Hermesは「汎用自動化・マルチプラットフォーム・チーム協調」に軸を置く棲み分けが明確になってきている。進化したスキルをチーム間で共有・管理する基盤としては Agent Skill Harbor徹底解説|AIエージェントのスキル資産をGitで一元管理するOSS基盤 も参照したい。

参照ソース