Paseo は、複数のAIコーディングエージェントを 自分のマシン上で並列に実行し、ひとつのインターフェースから統合管理 するためのオープンソースのオーケストレーション基盤です。 Claude Code・Codex・Copilot・OpenCode・Pi——それぞれ別々に使っていたエージェントを、1つの操作面に集約 し、スマホからでも操作できるのが特徴です。 開発は getpaseo、ライセンスは AGPL-3.0、GitHubで 9.1k★前後(866フォーク)と着実に支持を集めています。 公開からの伸びも速く、複数エージェント併用という課題が多くの開発者に共有されていることがうかがえます。
「Claude Codeも使うし、Codexも試したい。でもターミナルとUIがバラバラで、並列で走らせたいのに管理が煩雑」——この課題に、セルフホスト+マルチデバイス+音声操作 で答えるのがPaseoです。 本稿は 2026年6月24日(JST)時点 で、公式GitHubリポジトリ(getpaseo/paseo)をもとに、仕組み・導入・使い方・他ツール比較を整理します。
なお、名前の「Paseo」はスペイン語で「散歩・そぞろ歩き」を意味する語です。 複数のエージェントの間を、デバイスを問わず軽やかに行き来しながら開発を進める——そんなイメージを込めたネーミングだと捉えると、このツールが目指す体験がつかみやすくなります。 肩肘張った“自律AI”ではなく、開発者が主導権を握ったまま、複数の道具を快適に使い回す ことに重きを置いているのがPaseoの世界観です。
そもそもAIエージェントの仕組みや種類を先に押さえたい方は AIエージェントとは?仕組み・種類・代表的OSSフレームワークを初心者向けに解説【2026年版】 をご覧ください。
- ・複数のAIコーディングエージェントを自分のマシンで並列実行・統合管理するOSS(AGPL-3.0・9.1k★)。
- ・Claude Code / Codex / Copilot / OpenCode / Pi を1つのインターフェースで操作。
- ・音声操作+iOS/Android/デスクトップ/Web/CLIのマルチデバイス対応。
- ・テレメトリ・トラッキング・強制ログインなしのプライバシー重視セルフホスト。
- ・技術スタックはTypeScript / Expo / Electron / Node.js。エージェント自体は別途用意。
Paseoが解決する「乱立したエージェントの管理」を、導入前後のイメージで示すと次のようになります。
1. Paseoとは — 乱立するAIエージェントを束ねる「指揮者」
2026年、AIコーディングエージェントは一気に増えました。 Claude Code、Codex、GitHub Copilot、OpenCode、Pi——それぞれに強みがあり、開発者は複数を併用するのが当たり前になりつつあります。 しかし併用すると、ターミナルやUIがバラバラで、起動・監視・結果の集約が煩雑 という新しい問題が生まれます。
Paseoは、この「乱立したエージェントを束ねる指揮者(オーケストレーター)」です。 複数のエージェントを 共通の操作面 に集約し、並列実行 と 一元管理 を可能にします。
主な特徴は次のとおりです。
・マルチプロバイダ:Claude Code / Codex / Copilot / OpenCode / Pi を1つのインターフェースで
・並列実行:複数エージェントを自分のマシン上で同時に走らせる
・セルフホスト:エージェントは自分のマシン(フルの開発環境)で動く
・音声操作:タスクを口述したり、声で相談しながら進める
・マルチデバイス:iOS / Android / デスクトップ / Web / CLI に対応
・プライバシー重視:テレメトリ・トラッキング・強制ログインなし
対応する各エージェントの性格を簡単に整理しておくと、使い分けのイメージが湧きます。
・Claude Code:Anthropic公式のコーディングエージェント。大規模な変更や設計判断を伴うタスクに強い
・Codex:OpenAI系のコーディングエージェント。汎用的なコード生成・補完に幅広く対応
・Copilot:GitHub Copilot。エディタ統合とコード補完で広く普及
・OpenCode:OSSのコーディングエージェント。多数のモデルプロバイダに対応し、ターミナル中心で扱える
・Pi:Paseoが束ねる対象として挙げているエージェントの一つ
これらは「どれが正解」ではなく、コスト・速度・得意分野・対応モデルが異なるため、タスクの性質に応じて選ぶ ものです。 Paseoは、この選択と切り替えを毎回の手作業にせず、1つの操作面から行えるようにします。
要するにPaseoは、「どのエージェントを、どのマシンで、どう走らせるか」を束ねて指揮する ためのレイヤです。 個々のエージェントを置き換えるのではなく、それらの上に立つ管理層 だと理解すると位置づけが明確になります。
この「管理層」という考え方は、ソフトウェアの歴史で繰り返されてきたパターンです。 個々の道具が増えて乱立すると、それらを束ねる上位レイヤが生まれる——コンテナに対するKubernetes、複数のクラウドに対する管理基盤、といった具合です。 AIコーディングエージェントもいま同じ局面にあります。 2025年までは「どの単体エージェントが最強か」という競争でしたが、2026年に入って実用フェーズに移ると、開発者は 「1つの最強」ではなく「複数を適材適所で使う」 ようになりました。 Claude Codeは大規模リファクタに、別のエージェントは軽量な雑務に、さらに別のものは特定言語に強い——という具合に、得意分野で使い分けるのが現実的だからです。 Paseoは、この「複数併用が当たり前になった時代」に必然的に求められる“束ねる層”を、OSSかつセルフホストで提供しようとしている、と位置づけられます。
2. アーキテクチャ:自分のマシンで動かし、どこからでも操作する
全体像を図にすると次のようになります。
iOS / Android / デスクトップ / Web / CLI"] --> CORE["Paseo(オーケストレーション層)
起動・割り当て・並列実行・進捗監視・結果集約"] VOICE["音声モード
口述・相談"] --> CORE CORE --> M1["あなたのマシン A
フルの開発環境"] CORE --> M2["あなたのマシン B"] M1 --> A1["Claude Code"] M1 --> A2["Codex / Copilot"] M2 --> A3["OpenCode / Pi"] A1 --> REPO["コードベース / リポジトリ"] A2 --> REPO A3 --> REPO
ポイントは2つです。
第一に、実行は「自分のマシン」で行われる こと。 エージェントは、あなたのフルの開発環境(依存関係・ツール・認証が揃った状態)の上で動きます。 だからコードや認証情報が外部SaaSに送られず、自己完結 します。
第二に、操作は「どのデバイスからでも」可能 なこと。 スマホ・Web・CLIなど、手元のどの端末からでもエージェントに指示し、進捗を監視できます。 長時間のタスクを仕掛けて、移動中にスマホで状況を見る——といった使い方ができます。
この「実行はローカル、操作はどこからでも」という分離が、Paseoの設計の核です。 中央に常駐するオーケストレーション層(サーバーデーモン)が、各マシン上のエージェント群と、各デバイス上の操作クライアントの“ハブ”として機能している、と捉えると構造が理解しやすいでしょう。
この設計が効くのは、AIコーディングの作業が 「指示を出す瞬間」と「処理が走っている時間」が大きくずれる からです。 大規模なリファクタやテスト生成は、エージェントが数分〜数十分かけて処理します。 その間ずっとPCに張り付いている必要はありません。 Paseoのように操作面が分離されていれば、指示はデスクから出し、進捗確認は移動中にスマホで、追加指示は音声で、といった非同期な働き方ができます。 クラウド型のエージェントサービスでも非同期運用は可能ですが、その場合コードや認証情報を外部に預けることになります。 Paseoは 「非同期の利便性」と「ローカル実行による機密保持」を両立 させようとしている点が、設計思想として一貫しています。 言い換えれば、クラウドの使い勝手をセルフホストで再現する、という狙いです。
3. 導入:Node.js環境にセルフホストする
PaseoはTypeScript製で、CLIとサーバーデーモンはNode.jsで動きます。 導入は リポジトリを取得し、自分の環境で起動 するのが基本です。
# リポジトリを取得
git clone https://github.com/getpaseo/paseo.git
cd paseo
# 依存をインストール(パッケージマネージャはリポジトリの指定に従う)
npm install
Paseoはあくまで「束ねる側」なので、束ねたい各エージェント(Claude Code等)自体のセットアップと認証 が別途必要です。 たとえばClaude Codeを使うなら、Claude Code側のインストールとAPIキー/サインインを済ませておきます。 この「Paseo本体」と「各エージェント」を分けて準備するという二段構えは、最初こそ手間に感じますが、エージェントの追加・削除をPaseo側の設定で柔軟に行える という拡張性の裏返しでもあります。
# Paseo のサーバーデーモンを起動(例)
npm run start
# → 表示されるURL/接続情報を、スマホアプリやWeb UIから開いて操作
※ 実際のコマンド・起動手順・各デバイスアプリの入手方法はバージョンで変わるため、必ず公式リポジトリのREADMEを確認してください。 重要なのは「Paseoのデーモンを自分のマシンで立て、そこへ各デバイスから接続して、ローカルのエージェント群を操作する」という構造の理解です。
技術スタックがこの構造をよく表しています。 サーバーデーモン(Node.js) がオーケストレーションの中核を担い、あなたのマシンで常駐してエージェント群を管理します。 デスクトップアプリ(Electron) と モバイルアプリ(Expo) が、その中核へ接続する操作面(クライアント)です。 ExpoはReact Nativeベースのフレームワークで、iOSとAndroidの両方を1つのコードベースから出せるため、Paseoがマルチデバイス対応を実現できているのはこの選択によるところが大きいといえます。 全体が TypeScript で統一されているため、サーバーからモバイルまで一貫した型で開発・保守できるのも、OSSとしての貢献しやすさにつながっています。 逆に言うと、導入時には Node.jsが動く環境 が前提になり、サーバーを常駐させられるマシン(普段の開発機など)が1台必要になる、という点は理解しておきましょう。
4. 使い方:並列実行とエージェントの使い分け
Paseoの真価は 並列実行と使い分け にあります。 代表的な使い方を挙げます。
・同一タスクを複数エージェントで競わせる:同じ課題をClaude CodeとCodexに並列で投げ、出力を比較して良い方を採用
・別タスクを同時並行で回す:機能Aの実装をエージェント1に、テスト作成をエージェント2に、同時に担当させる
・長時間タスクの非同期運用:重いリファクタを仕掛け、進捗はスマホで監視
・音声でのタスク投入:手が塞がっているときに口述でタスクを追加
・プロバイダのコスト最適化:軽い作業は安価なエージェント、難しい作業は上位エージェントへ振り分け
・音声でのレビュー・相談:生成されたコードについて、声で質問しながら理解を深める
これらを「1つの操作面」で行えることの効果は、想像以上に大きいものです。 従来は、Claude Code用のターミナル、Codex用の別ウィンドウ、Copilot用のエディタ…と、文脈が分散していました。 作業の全体像を頭の中で統合する負荷(コンテキストスイッチ)が、地味に生産性を削っていたのです。 Paseoのように統合された操作面があれば、「いまどのエージェントが何をしているか」を一望 でき、指示の出し直しや結果の取り込みもスムーズになります。 複数エージェントの“交通整理”を人間の頭の中ではなくツールに任せられる、というのが実務上の最大の恩恵だといえます。 この負荷軽減は、エージェントを2つ3つと増やすほど効いてきます。
エージェントごとに 得意分野・コスト・対応モデル が違うため、「1つの万能エージェント」に固執するより、複数を束ねて適材適所で使う ほうが効率的です。 Paseoは、その“適材適所”を1つの操作面で実現し、エージェント間の切り替えコストをほぼゼロにします。
特に「同一タスクを複数エージェントで競わせる」使い方は、AI生成の品質ばらつきへの実践的な対策になります。 LLMの出力は非決定的で、同じ指示でもエージェントやモデルによって出来が変わります。 1つのエージェントの結果だけを見ていると、それが最善かどうか判断できません。 ところがPaseoで2〜3のエージェントに同じ課題を並列で投げれば、複数の解を見比べて一番良いものを採用 できます。 これは、難しいバグ修正や設計判断のように「正解が一つに定まらない」タスクで特に有効です。 人間がコードレビューで複数案を比較するのと同じことを、エージェントの段階で前倒しでやる——という発想です。 もちろん並列実行はその分だけLLMのAPI費用がかかるため、重要なタスクに絞って使うのが賢明です。
たとえばClaude CodeとOpenCodeを併用する場合、両者の特性を理解しておくと使い分けが効きます。 OpenCodeについては OpenCode:GitHub13万スターのオープンソースAIコーディングエージェント導入ガイド も参考にしてください。
5. 他ツールとの違い(単体エージェント/マルチエージェント基盤)
立ち位置を整理します。 Paseoは「エージェントそのもの」ではなく「エージェントを束ねる層」です。
| ツール | 種類 | 役割 | ホスティング | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Paseo | オーケストレーター | 複数エージェントの並列実行・統合管理 | セルフホスト | マルチプロバイダ・音声・マルチデバイス・テレメトリ無し |
| Claude Code | 単体エージェント | コード生成・編集 | ローカルCLI | 高品質なコーディングエージェント |
| OpenClaw | エージェント/基盤 | 自律エージェント実行 | セルフホスト | OSSの自律エージェント |
| Ruflo 等のswarm | マルチエージェント | 群制御・協調 | ローカル | Claude Code上の群運用 |
Paseoの差別化は、「異なるベンダーのエージェントを横断して束ねる」「マルチデバイス+音声で操作する」「テレメトリ無しのセルフホスト」 の3点に集約されます。 単体の賢さを競うのではなく、複数の賢さを“指揮”して使い倒す ためのツールです。
ここで「ベンダー横断(マルチプロバイダ)」の意味を補足します。 Claude Code・Codex・Copilotといったエージェントは、それぞれ別の企業が提供し、対応モデルも料金体系も異なります。 通常、これらを併用するとアカウントもUIも別々で、横断的に使うには頭の切り替えが要ります。 Paseoはこの壁を取り払い、どのベンダーのエージェントも同じ操作面から扱える ようにします。 これは、特定ベンダーへのロックインを避けたい開発者にとって重要です。 「いまはClaude Codeが主力だが、将来もっと良いエージェントが出たら乗り換えたい・併用したい」というとき、Paseoのような中立の操作面を持っておけば、移行や併用のコストを下げられます。 OSSであること、テレメトリが無いこと、セルフホストであることは、いずれもこの 「中立性とコントロールを開発者の手に残す」 という思想で一貫しています。
マルチエージェントの群制御という観点では、Ruflo徹底解説:Claude Code上で動くマルチエージェントSwarm や OpenClaw完全ガイド2026 と比較すると、Paseoが「ベンダー横断の統合操作面」に振っている特徴がよく見えます。
6. 向き不向きと導入時の注意
Paseoは万能ではありません。 セルフホスト+マルチプロバイダという性質ゆえの、向き不向きがあります。
・向いている:複数のAIエージェントを併用している/コードを外部に出したくない(機密性重視)/PCから離れてもタスクを監視したい/音声でラフに指示したい
・向いていない:エージェントは1つしか使わない/セットアップや運用の手間をかけたくない/フルマネージドのクラウドで完結したい
導入時の注意点も押さえておきましょう。
・各エージェントの準備が前提:Paseoは束ねる層。Claude Code等の本体・認証は自分で用意する
・運用は自己責任:セルフホストゆえ、起動・アップデート・障害対応は自分で行う
・AGPL-3.0のライセンス:ネットワーク越しに改変版を提供する場合のソース開示義務など、AGPL特有の条件を理解する(商用組込み時は要確認)
・コスト管理:並列実行は便利だが、複数エージェントを同時に走らせると各LLMのAPI費用が積み上がる
・マシンの常駐:サーバーデーモンを常駐させる開発機が必要。スリープや電源管理に注意
・セキュリティ:各エージェントの認証情報を扱うため、デーモンへの接続経路(特に外出先からのアクセス)の保護を意識する
特に「外出先のスマホから自宅・社内のマシンのエージェントを操作する」という使い方は便利な反面、接続経路のセキュリティ が重要になります。 ローカルのデーモンに外部から安全に接続する設定(VPNや認証付きの接続など)を整えないまま公開ネットワークに晒すのは危険です。 Paseoがテレメトリ無し・セルフホストを掲げているのは、裏を返せば「セキュリティの責任も自分で持つ」ということでもあります。 クラウドサービスのように提供側が守ってくれるわけではないため、便利さと引き換えに、接続経路と認証情報の管理は自分でしっかり設計する必要があります。 この点は、セルフホスト型ツール全般に共通する“自由と責任のトレードオフ”として理解しておきましょう。
いきなり全プロバイダを繋がず、普段使いのエージェント2つ(例:Claude Code+OpenCode)をPaseoで束ねるところから始めるのがおすすめ。並列実行と使い分けの効果を体感してから、対応プロバイダやデバイスを広げると、運用がぶれない。
AGPL-3.0というライセンス選択についても、もう少し補足しておきます。 AGPL(Affero General Public License)は、GPLの条件に加えて「ネットワーク越しにソフトウェアを提供する場合も、改変したソースコードの開示義務が生じる」という強いコピーレフト条項を持ちます。 個人が自分のために使う分には何の問題もありませんが、Paseoを改変して自社のSaaSに組み込み、ネットワーク経由でユーザーに提供するような使い方をする場合は、改変部分のソース開示が求められる可能性があります。 これは「コードを誰もが自由に使えるよう守る」ための仕組みであり、Paseoが開発者中心・オープンであろうとする姿勢の表れでもあります。 商用での組み込みを検討する場合は、必ず公式のLICENSEファイルと、必要なら法務の確認を取ってください。 逆に、社内利用やセルフホストでの個人・チーム利用であれば、AGPLの制約を過度に気にする必要はありません。
7. AIエージェント「オーケストレーション」という潮流
Paseoが象徴するのは、AIコーディングの主戦場が 「単体エージェントの性能」から「複数エージェントの運用」へ移りつつある という大きな流れです。
2026年、開発者の手元には複数のエージェントが当たり前に並ぶようになりました。 すると次に問題になるのは、「それらをどう協調させ、どう管理し、どう使い分けるか」という運用の課題です。 この層に取り組むOSSは、アプローチごとに性格が分かれています。
・ベンダー横断の統合操作面:Paseo。異なるエージェントを1つの面から束ねることに主眼
・マルチエージェントの群制御(swarm):同種エージェントを多数協調させ、1つの大きなタスクを分担
・自律エージェント基盤:エージェントに長い自律性を与え、人の介入を減らす方向
これらは競合というより、目的に応じて重ねて使える ものです。 たとえば「Paseoで複数ベンダーを束ねつつ、その中の1つでswarm的な群制御を回す」といった組み合わせも考えられます。 重要なのは、自分の開発スタイル——単体で十分なのか、並列比較が要るのか、群制御まで要るのか——を見極めて、必要な“層”だけを導入することです。 Paseoは、その中でも 「複数ベンダーを横断して、ローカル実行のまま、どのデバイスからでも操作する」 という、実務的で導入しやすいポジションを取っています。 派手な自律性を売りにするのではなく、日々の併用を快適にする という地に足のついた価値を提供している点が、9.1k★という支持につながっているといえるでしょう。
まとめ
Paseoは、乱立するAIコーディングエージェントを、自分のマシン上で並列実行し、ひとつのインターフェースから統合管理する AGPL-3.0のオープンソース・オーケストレーターです。
要点を整理すると次のようになります。
・Claude Code / Codex / Copilot / OpenCode / Pi を1つの操作面で束ねる
・実行はローカル(フルの開発環境)、操作はマルチデバイス(iOS/Android/Web/CLI)+音声
・テレメトリ・トラッキング・強制ログインなしのプライバシー重視セルフホスト
・技術スタックはTypeScript / Expo / Electron / Node.js。エージェント本体は別途用意
・価値は「単体の賢さ」ではなく「複数の賢さを指揮して使い倒す」こと
・AGPL-3.0のOSS。個人・社内利用は自由、SaaSへの商用組込み時はライセンス条件を要確認
複数のAIコーディングエージェントを併用する時代に、Paseoは「指揮者」というポジションを取った。実行はローカルで機密を守り、操作はどのデバイスからでも、しかもベンダーを横断して束ねる。まずはよく使う2エージェントをPaseoで束ね、並列実行と使い分けの効果を確かめるところから始めるとよい。エージェントが増えるほど、こうした“束ねる層”の価値は高まっていく。AGPL-3.0のOSSなので、まず自分の手元で試し、合うと感じたら対応プロバイダやデバイスを広げていく——という段階的な導入が、最もリスクの少ない始め方だ。
最後に一点。Paseoは「魔法のように全自動でコードを書く」ツールではありません。 実際にコードを生成するのは、あくまで束ねられた各エージェント(Claude Code等)です。 Paseoが提供するのは、それらを 快適に・安全に・どこからでも使い回すための“操作環境” です。 だからこそ、Paseoを評価するときは「どれだけ賢いか」ではなく「複数エージェントの併用がどれだけ楽になるか」という観点で見るのが正しい、と覚えておいてください。
参照ソース
・getpaseo/paseo(公式GitHubリポジトリ)
・Model Context Protocol(MCP)公式
・AIエージェントとは?仕組み・種類・代表的OSSフレームワーク【2026年版】(本サイト・ピラー)