この記事のポイント
  • ・OpenAI Codex CLIはターミナルから直接動くOpenAI公式のAIコーディングエージェント。`npm i -g @openai/codex`でインストールし、ChatGPTプランに加入していれば追加費用なしで使える。
  • ・料金はChatGPTプランに同梱で、2026年4月からトークンベースのクレジット課金に移行した。Plus(月20ドル)からPro(月100〜200ドル)まで利用枠が段階的に広がる。
  • ・Claude Codeとの違いは「設計・精密編集はClaude Code/広範リファクタ・自律実行・CI組み込みはCodex」。「Claude Codeで作る→Codexで直す」併用が主流。

ターミナルから動くAIコーディングエージェントを探していて、OpenAIの「Codex CLI」が候補に挙がっている人は多い。この記事は、インストール手順・基本的な使い方・料金・AGENTS.mdの書き方・Claude Codeとの違いを、公式ドキュメント準拠で順に解説する。

なお、ペアプロ的に並走するもう一方の主役であるClaude Codeについては、Claude Codeベストプラクティスで詳しくまとめている。本記事はCodex CLI側を起点に、両者の使い分けまで踏み込む。

Codex CLIの主要機能を5つのチップで示すブランド図:npm導入・承認モード・AGENTS.md・サンドボックス・MCP/CI連携
Codex CLIはnpm導入・承認モード・AGENTS.md・サンドボックス・MCP/CI連携までターミナルで完結する。図はローカル生成(HTML/CSS)。

1. Codex CLIとは|ターミナルで動くAIコーディングエージェント

OpenAI Codex CLIは、ターミナルから直接動作するオープンソースのコーディングエージェントだ。GitHubのOpenAI公式リポジトリ(openai/codex)でApache-2.0ライセンスのもと公開されている。

最大の特徴は「ローカルで動くAIコーディングエージェント」である点だ。既存のIDEやエディタとは独立して動作し、コードの読み取り・編集・コマンド実行をターミナルから直接制御できる。

従来のCopilotやCursorのような補完・提案型のツールに対し、Codex CLIは自律実行型エージェントとして設計された。プロンプトを送るだけでファイルを読み、コードを書き、テストを実行し、修正まで完了する。

Codex CLIで何ができるか:主要機能一覧

機能 概要
インタラクティブTUI フルスクリーンのターミナルUIでリアルタイム対話
非対話型自動化 codex execでスクリプト連携・CI/CD組み込み
ファイル操作 作業ディレクトリ内のファイル読み取り・編集・作成
コマンド実行 シェルコマンドの実行(サンドボックスポリシー制御)
Web検索 デフォルト有効。開発タスクに必要な情報を取得
画像入力 スクリーンショット・デザイン仕様の添付
サブエージェント 複雑なタスクを並列処理で分割実行
MCP連携 Model Context Protocolでサードパーティツール統合
コードレビュー /reviewコマンドでdiff解析・コミット前チェック
クラウドタスク codex cloudでリモートタスクの管理・差分適用

要するにCodex CLIは、コードの理解からテスト実行・PR前レビューまでを一連のフローとして委任できるエージェントだ。次章からは、実際に動かすためのインストール手順を解説する。


2. Codex CLIのインストールとセットアップ

システム要件

・macOS:正式サポート(Apple Silicon・x86_64)
・Linux:正式サポート(x86_64・arm64)
・Windows:WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)推奨、実験的サポート
・Node.js:npm経由の場合はNode.js 18以上が必要

インストール方法

npm経由(推奨)

# グローバルインストール
npm install -g @openai/codex

# バージョン確認
codex --version

# パッケージを更新
npm install -g @openai/codex@latest

Homebrew経由(macOS)

brew install --cask codex

GitHub Releasesからバイナリ取得

macOS Apple Silicon・x86_64、Linux x86_64・arm64向けのコンパイル済みバイナリがGitHub Releasesページで配布されている。npmが使えない環境ではこちらを利用する。

APIキー・認証設定

Codex CLIには2つの認証方法がある。

方法1: ChatGPTアカウントでログイン(推奨)

codex login

ブラウザが開き、OpenAIアカウントでのOAuth認証が行われる。ChatGPT Plus/Pro/Business以上のプランに加入していれば、そのままCodex CLIが利用できる。

方法2: APIキーを使用

# 環境変数で設定
export OPENAI_API_KEY="sk-proj-..."

# または設定ファイル(~/.codex/config.toml)で永続化
# [provider]
# api_key = "sk-proj-..."
APIキーの取り扱い注意
APIキーをコードにハードコードしないこと。環境変数か`~/.codex/config.toml`(適切なパーミッション設定済み)を使用すること。`.gitignore`に`.env`ファイルが含まれていることを必ず確認すること。

初回起動の流れ

# ターミナルでプロジェクトディレクトリに移動
cd /path/to/your/project

# Codex CLIを起動(インタラクティブモード)
codex

# または最初のプロンプトを引数で渡す
codex "このプロジェクトのバグを修正して"

初回起動時にモデルの選択・サンドボックス設定の確認が表示される。デフォルト設定で始めて、使いながら調整していくのがおすすめだ。

config.toml による設定

~/.codex/config.tomlで各種設定を永続化できる。

# ~/.codex/config.toml の基本設定例

# デフォルトモデルの設定(ChatGPTサインインならgpt-5.5推奨)
model = "gpt-5.5"

# Web検索の設定("live" / "cached" / "disabled")
web_search = "live"

# サンドボックスポリシー
sandbox = "workspace-write"

# AGENTS.mdの代替ファイル名(既存ドキュメントを流用する場合)
agents_md_fallback_names = ["TEAM_GUIDE.md", "CONTRIBUTING.md"]

Codexは起動時に、この設定ファイルとAGENTS.md、認証情報を順に読み込んでから動作する。一連の流れは次の図のとおりだ。

flowchart TD A["ユーザー: codex コマンド実行"] --> B["~/.codex/config.toml 読み込み"] B --> C["AGENTS.md 探索
(グローバル → プロジェクト)"] C --> D["認証確認
ChatGPT / API Key"] D --> E{"モード選択"} E -->|"codex"| F["インタラクティブTUI起動"] E -->|"codex exec"| G["非対話型実行"] E -->|"codex cloud"| H["クラウドタスク管理"] F --> I["プロンプト送信"] G --> I I --> J["モデル推論"] J --> K{"アクション種別"} K -->|"ファイル操作"| L["サンドボックスチェック"] K -->|"コマンド実行"| L K -->|"Web検索"| M["検索実行"] L -->|"許可"| N["アクション実行"] L -->|"要承認"| O["ユーザーへ確認"] O -->|"承認"| N O -->|"拒否"| P["スキップ"] N --> Q["結果をユーザーに表示"] M --> Q

3. Codex CLIの基本的な使い方|コマンドと承認モード

起動コマンド

# インタラクティブモード(TUI起動)
codex

# 初期プロンプトありで起動
codex "src/components/Button.tsx のバグを修正して"

# 作業ディレクトリを指定して起動
codex -C /path/to/project "テストを全部通して"

# 特定のモデルを使用(推奨はgpt-5.5)
codex --model gpt-5.5 "パフォーマンスを最適化して"

# 画像を添付して起動
codex -i screenshot.png "このUIデザインを実装して"

# デスクトップアプリを開く(macOS限定)
codex app

主要サブコマンド一覧

コマンド 安定度 用途
codex 安定 インタラクティブTUI起動
codex exec "..." 安定 非対話型実行・スクリプト組み込み
codex resume 安定 前回セッションの継続
codex resume --last 安定 直前のセッションを即座に継続
codex fork 安定 セッションを分岐(別スレッド化)
codex apply 安定 クラウドタスクの差分をローカルに適用
codex login 安定 認証(OAuth/APIキー)
codex logout 安定 認証情報を削除
codex mcp 実験的 MCPサーバー管理
codex cloud 実験的 クラウドタスクの実行・閲覧
codex sandbox 実験的 サンドボックスポリシーでコマンド実行
codex completion 安定 シェル補完の生成(bash/zsh/fish)
codex features 安定 フィーチャーフラグの管理

モデルの切り替えとGPT-5.5の使い方

Codex内のモデルはインタラクティブモードの/modelコマンド、または起動時の--modelフラグで切り替える。

# 1. ChatGPTサインインで起動(GPT-5.5はサインイン必須)
codex login

# 2. インタラクティブモードに入る
codex

# 3. /modelコマンドでGPT-5.5に切り替え
> /model
# → モデル選択画面で「gpt-5.5」を選ぶ

# 4. または起動時にモデル指定
codex --model gpt-5.5 "このコードベースをリファクタリング"

ポイント:Codex内のGPT-5.5はChatGPTサインインのみで利用可能で、APIキー認証セッションでは選択できない。APIキー利用時はGPT-5.4系から選ぶことになる。~/.codex/config.tomlmodel = "gpt-5.5"でデフォルト化もできる。

3つの承認(アプルーバル)モード

Codex CLIはファイル操作とコマンド実行の権限を3段階で制御できる。

graph LR A["承認モード"] --> B["workspace-write
デフォルト"] A --> C["read-only
読み取り専用"] A --> D["danger-full-access
全アクセス許可"] B --> B1["作業ディレクトリ内
ファイル読み書き可"] B --> B2["コマンド実行可"] B --> B3["ネットワーク → 承認必要"] C --> C1["読み取り可"] C --> C2["書き込み不可"] C --> C3["コマンド実行不可"] D --> D1["すべて許可"] D --> D2["開発環境専用"] D --> D3["本番環境では使わない"]
# 承認モード付きで起動
codex --sandbox read-only "このコードを解析して"
codex --sandbox workspace-write "バグを修正して"
codex --sandbox danger-full-access "プロジェクト全体をリファクタリング"

# 全自動モード(承認をスキップ)
codex --full-auto "テストを実行してすべて修正"

# --yolo(全制約解除・危険環境専用)
codex --dangerously-bypass-approvals-and-sandbox "..."
--yolo / --dangerously-bypass-approvals-and-sandbox の使用について
このフラグはすべての安全チェックを無効化する。Docker/VM等の隔離された環境専用だ。本番環境やローカル開発環境での使用は強くお勧めしない。誤ったコマンドが承認なしで実行されるリスクがある。

exec コマンド:CI/CDへの組み込み

# 非対話型でバグ修正を実行
codex exec "src/utils/parser.ts のTODOを全部解決して"

# JSON形式で出力
codex exec --json "テストカバレッジを分析して"

# 最後のメッセージをファイルに保存
codex exec -o output.txt "コードレビューして"

# セッションを保存しない(使い捨て実行)
codex exec --ephemeral "このdiffをレビューして"

# Gitリポジトリ外のディレクトリで実行
codex exec --skip-git-repo-check "このスクリプトを解析して"

スラッシュコマンド(TUI内部)

インタラクティブモード中に使用できる組み込みコマンドだ。

スラッシュコマンド 機能
/model 使用モデルの切り替え
/review コードレビューの実行
/review --base main mainとの差分をレビュー
/review --uncommitted 未コミット変更のレビュー
Ctrl+G 外部エディタでプロンプトを編集

4. Codex CLIの料金とプラン|ChatGPT各プランとAPI課金

「Codex CLIの料金はいくらか」という疑問に対する答えは明確だ。Codex単体の月額料金は存在せず、ChatGPTのどのプランを選ぶかがそのまま料金になる。Codex CLIはChatGPTのサブスクリプションに同梱されており、加入済みなら追加費用なしで使える。

4-1. ChatGPTプラン別の利用枠

OpenAI公式のCodex料金ページによれば、CodexはFree・Go・Plus・Pro・Business・Edu・Enterpriseの各プランに含まれる。主なプランと利用枠は次のとおりだ。

プラン 月額(目安) Codexの利用枠(5時間枠・GPT-5.5)
Free 0ドル お試し範囲(実務常用には不足)
Go 約8ドル Freeよりやや広い
Plus 20ドル 15〜80メッセージ
Pro 5x 100ドル 80〜400メッセージ
Pro 20x 200ドル 300〜1,600メッセージ
Business 従量(席課金) Plus相当+チーム管理
枠は「5時間ごと」にリセットされる
Codexの利用枠は5時間のローリングウィンドウで管理される。GPT-5.4・GPT-5.4-miniを選べば同じプランでもより多くのメッセージを送れる。重い推論はGPT-5.5、軽量タスクはmini系という使い分けが枠の節約になる。

4-2. トークンベースのクレジット課金(2026年4月以降)

2026年4月2日、OpenAIはCodexの課金方式を「メッセージ数」から「API相当のトークン課金」へ刷新した。現在は100万トークンあたりのクレジット消費で計算される。

モデル 入力(/1Mトークン) キャッシュ入力 出力(/1Mトークン)
GPT-5.5 125クレジット 12.50 750クレジット
GPT-5.4 62.50クレジット 6.25 375クレジット
GPT-5.4-mini 18.75クレジット 1.875 113クレジット

プラン枠を使い切っても、Plus・Proユーザーは追加クレジットを購入すれば作業を継続できる。プランをアップグレードせずに一時的な繁忙期を乗り切れる設計だ。

4-3. APIキー(従量課金)で使う場合

ChatGPTのサブスクリプションを持たなくても、APIキーさえあればCodex CLIは動く。この場合はOpenAI APIの標準従量課金が適用され、固定の利用上限はない。小さく試したい個人開発者は、月5〜10ドル程度から始められるのが利点だ。

# APIキー従量課金で使う(サブスク不要)
export OPENAI_API_KEY="sk-proj-..."
codex "このリポジトリのテストを実行して失敗を直して"

4-4. コストを抑える使い方

APIキー従量課金・クレジット課金のどちらでも、トークン消費を抑える工夫が効く。

・作業範囲を明確に指定する(「src/components/Button.tsxのみ修正して」のように絞る)
--ephemeralでセッション保存をスキップし、使い捨て実行にする
・分析だけなら--sandbox read-onlyで読み取り専用にし、書き込みトークンを使わない
・軽量タスクはGPT-5.4-mini、重い推論だけGPT-5.5に切り替える


5. AGENTS.md の書き方

AGENTS.mdはCodex CLIに対する永続的な指示ファイルだ。プロジェクトのルールやチームの規約、コーディング規約をMarkdown形式で記述しておくと、Codexは毎回セッション開始前にこのファイルを読み込み、指示に従って動作する。

GSCの実測クエリでも「codex cli agents.md instructions」「agents.md 書き方」といった検索が目立つ。Codex CLIを使いこなす鍵がAGENTS.mdにあると言ってよい。

AGENTS.md の優先度チェーン

Codex CLIはAGENTS.mdを「グローバル→プロジェクトルート→サブディレクトリ」の順で収集し、連結して使用する。

優先度(高) ~/.codex/AGENTS.override.md    ← 一時的な上書き用
              ~/.codex/AGENTS.md             ← グローバル設定
優先度(低) {repo_root}/AGENTS.md           ← プロジェクト設定
              {subdir}/AGENTS.md             ← サブディレクトリ設定

ポイント:AGENTS.override.mdは実験的な設定を一時的に追加したいときに使う。ベースファイルを変更せずに済むため、後で消去するだけで元に戻せる。

AGENTS.md 基本フォーマット

# Project Rules

## Working Agreements
- コミットメッセージは日本語で書く
- プルリクエストは1機能1PRとする
- テストなしのコードはマージしない

## Code Style
- TypeScript を使用。`any`型は禁止
- 関数は100行以内に収める
- コンポーネントはアトミックデザイン原則に従う

## Repository Structure
- `src/components/` — UIコンポーネント
- `src/api/` — APIクライアント
- `src/types/` — 型定義
- `tests/` — テストファイル

## Testing Rules
- ユニットテストは `vitest` を使用
- E2Eテストは `playwright` を使用
- カバレッジ80%以上を維持する

サイズ制限と分割戦略

AGENTS.mdのデフォルト上限は32 KiBだ。大規模プロジェクトでは以下の戦略で管理する。

戦略 説明
ディレクトリ単位で分割 src/api/AGENTS.mdにAPI専用ルールを置く
グローバルは汎用ルールのみ ~/.codex/AGENTS.mdには全プロジェクト共通のみ
override.mdで一時変更 実験的ルールはAGENTS.override.mdに隔離
既存ドキュメントを流用 config.tomlCONTRIBUTING.mdなどを代替指定

AGENTS.md と CLAUDE.md の比較

AIのMDファイル対応表では、AGENTS.md・CLAUDE.md・.cursorrules・Copilot Instructions の4ファイルを横断比較している。Codex CLIを使う開発者が押さえるべき主要な違いを以下に示す。

項目 AGENTS.md(Codex) CLAUDE.md(Claude Code)
読み込み元ツール OpenAI Codex CLI Claude Code
優先度チェーン グローバル→プロジェクト→サブディレクトリ ~/.claude/ → プロジェクト → サブディレクトリ
上書きファイル AGENTS.override.md なし(直接編集)
サイズ制限 32 KiB(デフォルト) 実質無制限だが200行推奨
代替ファイル名 config.tomlで設定可能 固定(CLAUDE.md)
ベストプラクティス ディレクトリ階層で役割分担 /initで自動生成→育てる

マルチエージェント環境でも両方を設定する
Claude CodeとCodex CLIを併用しているチームでは、AGENTS.mdとCLAUDE.mdの両方を用意することを推奨する。各ツールが自分専用の設定ファイルのみを読み込むため、ルールの混在が起きない。


6. サンドボックス実行の仕組み

Codex CLIのセキュリティ設計の核心がサンドボックス機能だ。macOSではseatbelt、LinuxではLandlockという仕組みを使い、Codexが実行するプロセスの権限を制限する。

sequenceDiagram participant U as ユーザー participant C as Codex CLI participant S as サンドボックス participant FS as ファイルシステム participant NET as ネットワーク U->>C: codex "バグを修正して" C->>C: AGENTS.md読み込み C->>C: タスク計画を立案 C->>S: ファイル書き込みリクエスト S->>S: ポリシーチェック(workspace-write?) alt ポリシー許可範囲内 S->>FS: ファイル書き込み実行 FS-->>C: 書き込み完了 else ポリシー外(ネットワーク等) S-->>C: 承認要求 C-->>U: 「外部APIにアクセスしますか?」 U-->>C: 承認 or 拒否 end C->>S: コマンド実行リクエスト S->>S: コマンドポリシーチェック S-->>FS: 許可されたコマンドを実行 C-->>U: アクションの全履歴を表示 Note over C,U: git履歴でいつでも巻き戻し可能

重要:Codexはすべてのアクション履歴をトランスクリプトとして残す。何かおかしな変更があっても、git diffgit resetで即座に元に戻せる安全設計だ。

サンドボックスポリシーの確認

# macOSでのseatbeltポリシーを確認
codex sandbox -- ls /tmp

# Linuxでのlandlockポリシーを確認
codex sandbox -- cat /etc/passwd

# 追加ディレクトリへの書き込み権限を付与
codex --add-dir /tmp/workspace "一時ファイルを使って処理して"

7. Codex CLIとClaude Codeの違いと使い分け

同じ「ターミナルで動くAIコーディングエージェント」として比較されるCodex CLIとClaude Codeだが、設計思想と得意分野に明確な違いがある。「codex cli claude code 連携」「claude code codex 違い」といった検索が多いポイントだ。

7-1. 基本スペック比較表

項目 OpenAI Codex CLI Claude Code
開発元 OpenAI Anthropic
ライセンス Apache-2.0(OSS) 独自ライセンス
言語(実装) Rust TypeScript
主要モデル GPT-5.5, GPT-5.4 Claude Opus 4.7, Sonnet 4.6
コンテキスト長 400K(GPT-5.5・Codex内) 1M(Opus 4.7・標準価格)
無料プラン ChatGPT Plus以上に付属 Claude Proに付属
API課金モデル OpenAI APIトークン料金 Anthropic APIトークン料金
Windows対応 WSL2推奨(実験的) 正式対応
macOS/Linux 正式サポート 正式サポート
OSSステータス フルOSS 非OSSクライアント
動作環境 ローカル ローカル+クラウドsandbox

7-2. 機能比較表

機能 OpenAI Codex CLI Claude Code
インタラクティブTUI
非対話型自動化 codex exec -pフラグ
サンドボックス ✅ 3段階ポリシー
MCP対応 ✅(実験的) ✅(本番品質)
マルチエージェント ✅ サブエージェント ✅ エージェントチーム
クラウドタスク ✅ Codex Cloud ❌(ローカルのみ)
Git連携
設定ファイル AGENTS.md CLAUDE.md
Web検索 ✅ デフォルト有効 ✅(ツール使用)
画像入力
シェル補完 ✅ bash/zsh/fish/PowerShell
セッション再開 codex resume

7-3. 得意分野の違い

Claude Codeが得意なこと

・複雑な多段階タスク(設計→実装→テスト→デバッグ)
・精密な局所的コード修正
・長文コンテキストを必要とするタスク(100万トークン)
・CLAUDE.md・スキル・エージェントによる高度なカスタマイズ
Agentハーネスエンジニアリングとの深い統合

Codex CLIが得意なこと

・広範なリファクタリング・一括置換
・CI/CDパイプラインへの組み込み(codex exec
・クラウドタスクとローカルの行き来(codex cloud + codex apply
・軽量なコードレビュー(/reviewコマンド)
・GitHubアプリとの統合(Codex Cloudとの連携)

7-4. 使い分けの指針

タスクの性質で使い分ける:

日常的な開発作業(コード理解・逐次実装)
→ Claude Code が向く

大規模バッチ処理(全ファイルに同じ変更)
→ Codex CLI の --full-auto が向く

CI/CDでの自動コードレビュー
→ Codex CLI の codex exec が向く

複雑なバグ調査(コンテキスト量が多い)
→ Claude Code の大コンテキストが向く

チームのコーディング規約自動適用
→ どちらもAGENTS.md/CLAUDE.mdで対応可能

7-5. ベンチマーク実数値で見る両者の差

2026年5月時点のSWE-Bench結果は、両ツールの役割分担を裏付けるデータになっている。

ベンチマーク GPT-5.5(Codex) Opus 4.7(Claude Code)
SWE-Bench Verified 88.7% 87.6%
SWE-Bench Pro(実GitHub Issue) 58.6% 64.3%
Terminal-Bench 2.0 勝ち
出力トークン(同タスク) 72%少ない 標準
10ベンチマーク総合 4勝 6勝

読み解き:細かいツール操作・ファイルナビはGPT-5.5、大規模アーキテクチャ推論はOpus 4.7。次章のハイブリッド運用が合理的な理由が、ベンチマーク数値からも見えてくる。


8. 「Claude Codeで作る→Codexで直す」ハイブリッドワークフロー

2026年4〜5月、X上で広く拡散した使い方が「Claude Codeで作る → Codexで直す」だ。AnthropicとOpenAIの双方を併用し、それぞれの強みを役割分担させる手法である。

8-1. なぜハイブリッドなのか

両ツールには明確な得意分野の違いがあり、片方だけでは取りこぼすケースが目立ってきた。

Claude Code(Claude Opus 4.7・1Mコンテキスト)の強み

・大規模コードベースを丸ごと読み込んで設計する力
・抽象的なゴールから実装計画を立てる構造把握力
・対話的な作業でユーザーと並走するペアプロ的スタイル
・1Mコンテキストで長文書類・巨大ログを丸ごと処理可能

Codex CLI(GPT-5.5)の強み

・深い推論を時間をかけて回す論理性
・細かい穴・エッジケース・型不整合の検出
・サンドボックス隔離で安全にコマンド実行
codex execで非対話型レビューをCIに組み込み可能

つまりClaude Code=設計者・実装者Codex=レビュアー・品質ゲートとして並べると、それぞれの長所が補完し合う。

8-2. 具体的なコマンド例

# Step 1: Claude Codeで実装
claude "user_serviceにマルチテナント対応を追加。
既存のRBACロジックは活かしつつ、tenant_idをすべての
クエリに注入してほしい。テストも書いて"

# Step 2: Codexでレビュー
codex --sandbox read-only "直前のコミットを
セキュリティとパフォーマンス観点でレビュー。
SQLインジェクション・N+1・型不整合を重点確認"

# Step 3: Codexの指摘を再度Claude Codeで修正
claude "Codexが指摘した3点(SQL文字列結合・N+1・
nullable型の扱い)を修正してテストを追加"

# 仕上げ:Claude Codeでドキュメント
claude "今回の変更をCHANGELOG.mdに追記。
README.mdのテナント分離セクションも更新"

順番を逆にすると失敗しやすい理由
「Codexで作ってClaude Codeで直す」順だと、Codexのサンドボックス制約がボトルネックになりがちだ。マイグレーション実行・staging API接続・ローカルサービステストといった作業はClaude Codeのほうが安定する。まず広い視野で組むのがClaude Code、細部を詰めるのがCodexという分担が自然になる。

8-3. ワークフロー図

flowchart LR A["要件・タスク"] --> B["Claude Code
(Opus 4.7・1M)"] B --> B1["設計→実装→テスト"] B1 --> C["Codex CLI
(GPT-5.5・400K)"] C --> C1["レビュー
エッジケース検出"] C1 --> D{"問題あり?"} D -->|"Yes"| E["Claude Codeで修正"] E --> C D -->|"No"| F["Claude Codeで
ドキュメント整備"] F --> G["PR作成
人間レビュー"]

9. codex-plugin-ccでClaude Code内からCodexを呼ぶ

OpenAI公式のcodex-plugin-ccは、Claude Codeのプラグイン機構を使い、Claude Code内から直接Codexのレビュー・タスク委譲ができる仕組みだ。前章の「Claude Codeで作る→Codexで直す」ワークフローを、ツール切り替えなしで完結できる。

9-1. インストール手順

# 1. Claude Code内でマーケットプレイスを追加
> /plugin marketplace add openai/codex-plugin-cc

# 2. プラグインをインストール
> /plugin install codex-plugin-cc

# 3. Claude Codeを再起動

# 4. Codex側のセットアップ確認
> /codex:setup

# 5. 必要ならCodexにログイン
> !codex login

9-2. 提供される3つのコマンド

コマンド 役割
/codex:review 現在のブランチ・差分をCodexにレビューさせる(標準)
/codex:rescue codex:codex-rescueサブエージェントにタスクを丸投げ
/codex:adversarial-review より懐疑的・敵対的なレビュー(穴探し特化)

/codex:adversarial-reviewが特に強力。「このコードを批判的に見て、潜在的バグ・セキュリティリスク・パフォーマンス問題を洗い出して」という指示を内部的にCodexに投げる。Claude Codeが書いたコードに対する「対抗レビュー」として機能する。

9-3. 仕組みの裏側

codex-plugin-ccはCodex App ServerとJSON-RPC 2.0で双方向通信する。Claude Code側のスラッシュコマンドが呼ばれると、ローカルのCodex CLI認証情報を使ってCodexが起動し、結果がClaude Codeのセッションに返る。追加の認証作業なしで動くのが大きな利点だ。

codex-plugin-ccが向くケース/向かないケース
向く:単独開発・PRレビューを高頻度で回したい・両ツールのアカウントを持っている人。
向かない:チーム全体のCI/CD自動化(こちらはcodex execを直接GitHub Actionsで回すのが定石)。


10. GPT-5.5搭載とCode with Claude 2026|2026年の動き

Codex CLIをめぐる勢力図は、2026年4〜5月に大きく動いた。背景を押さえておくと、モデル選択や使い分けの判断がしやすくなる。

10-1. GPT-5.5搭載でCodexはこう変わった

2026年4月23日、OpenAIは新フロンティアモデルGPT-5.5をChatGPTおよびCodexで提供開始した。Codex CLIにとって最大の転換点だ。

項目 GPT-5.4(従来) GPT-5.5(新)
コンテキストウィンドウ 200K 400K(Codex内)
トークン消費 標準 同等タスクで大幅減
推論レイテンシ 標準 GPT-5.4と同等
エージェント的コーディング 強い さらに強化
Codex内利用 API・ChatGPT両対応 ChatGPTサインインのみ

ポイント:GPT-5.5は同じCodexタスクをGPT-5.4より少ないトークンで完了する。性能向上とトークン圧縮が同時に進んだアップデートだ。

10-2. Code with Claude 2026(Anthropic側の一括強化)

2026年5月6日、AnthropicはCode with Claude 2026カンファレンスを開催し、Claude Code側で複数の新機能を一挙に発表した。

機能 概要
Routines バックグラウンドでPR自動作成。GitHubイベント or schedule起動
Auto Mode 多段階の自律コーディング。承認ゲートで安全装置
Dreaming 夜間に過去セッションを自己レビューしメモリ更新(research preview)
Multi-Agent Orchestration エージェント艦隊の調整実行(Public Beta)
Code Review PR自動レビューを一般公開
CI Auto-Fix 失敗チェックを自動修正

10-3. Codex for Chrome拡張(5月7日)

OpenAIは翌5月7日、Codex for Chromeを投入した。Codexアプリ(macOS・Windows)から起動するChrome拡張で、署名済みブラウザセッションをCodexが直接操作できる。

・マルチタブcontext:複数タブ横断で情報収集
・DevTools連携:Webアプリのデバッグ
・サインイン済みサイト操作:LinkedIn・Salesforce・Gmail・社内ツール
・ホスト単位の許可制御:「このチャットだけ許可」「常に許可」

署名済みセッション操作の重大な責任
GmailやSalesforceなど、企業の重要情報にアクセスできるブラウザでCodex拡張を有効化する場合、ホスト許可を慎重に管理すること。許可ホストの設定は管理者が監督すべき項目だ。

両陣営の動きを並べると、戦略の違いが見える。

・Anthropic:Routines/Auto Mode/Dreamingで「自律性」を深掘り、開発フロー自体をエージェント化
・OpenAI:Chrome拡張で「ブラウザ全体」へ進出し、開発者ワークフローの上流・下流まで取りに行く


11. Cursor・GitHub Copilot との位置づけ

ターミナルエージェント型の Codex CLI・Claude Code と、IDE統合型の Cursor・Copilot はそもそもカテゴリが違う

ツール カテゴリ 動作環境 主な用途
Codex CLI ターミナルエージェント ターミナル 自律タスク実行・CI組み込み
Claude Code ターミナルエージェント ターミナル 精密開発・複雑タスク
Cursor IDE(VSCode派生) GUI リアルタイム補完・Composer
GitHub Copilot IDEプラグイン VSCode/JetBrains等 インライン補完・チャット
Windsurf IDE(カスケードAI) GUI エージェント型IDE操作

2026年の主流は「ターミナルエージェント + IDE補完の併用」だ。Codex CLIやClaude Codeで大きなタスクを実行しながら、Claude Code vs Cursor比較記事で紹介したCursorやCopilotでリアルタイムの補完を行うハイブリッドスタイルが広まっている。

IDEの補完が「一行ずつの会話」なら、ターミナルエージェントは「機能丸ごとの委任」だ。この使い分けを意識することで、各ツールの強みを最大化できる。


12. Codex CLIの実践ユースケース

ユースケース1:バグ修正の自動化

テストが失敗しているが原因がわからない場合に有効だ。

# テスト失敗を解析して修正
codex "npm test を実行して失敗しているテストをすべて修正して。
修正前に必ずコミットして、各修正の理由をコミットメッセージに書いて"

# 特定ファイルのバグを修正
codex "src/api/auth.ts の認証トークン検証に脆弱性がある。
修正して対応するテストも追加して"

実行するとCodexがテストを実行し、スタックトレースを読み、ソースコードを確認し、修正案を提示する。承認モードがworkspace-writeの場合は確認なしで修正される(変更はgitで追跡される)。

ユースケース2:テスト生成

既存コードに対するテストがない場合に威力を発揮する。

# カバレッジレポートを渡してテスト生成
codex "vitest でカバレッジを計測して、80%未満のファイルに
ユニットテストを追加して。既存のテストパターンに合わせること"

# 特定モジュールのテスト生成
codex "src/utils/ 以下のすべての関数に対して、
エッジケースを含むテストを生成して"

ユースケース3:大規模リファクタリング

プロジェクト全体に渡る変更はCodex CLIが特に得意とする場面だ。

# CommonJS → ESModules 変換
codex --full-auto "すべての require() を ES imports に変換して。
package.json の type: module も設定して。テストが通ることを確認して"

# TypeScript any型の除去
codex "src/ 以下のすべての any 型を適切な型定義に置き換えて。
型定義が必要な場合は src/types/ に追加して"

ユースケース4:CI/CDへの組み込み

# .github/workflows/codex-review.yml
name: Codex Code Review
on:
  pull_request:
    types: [opened, synchronize]

jobs:
  review:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/checkout@v4
      - uses: actions/setup-node@v4
        with:
          node-version: '20'
      - run: npm install -g @openai/codex
      - run: |
          codex exec \
            --ephemeral \
            --json \
            "このPRのdiffをセキュリティ・パフォーマンス・可読性の観点でレビューして"
        env:
          OPENAI_API_KEY: $

13. MCPとサブエージェント:高度な活用方法

MCP(Model Context Protocol)連携

Codex CLIはMCPをサポートしており、外部ツールやデータソースとの連携が可能だ。

# ~/.codex/config.toml での MCP サーバー設定

[[mcp_servers]]
name = "github"
command = "npx"
args = ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"]
env = { GITHUB_TOKEN = "${GITHUB_TOKEN}" }

[[mcp_servers]]
name = "filesystem"
command = "npx"
args = ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "/workspace"]
# MCPサーバーをCLIで追加
codex mcp add github

# 利用可能なMCPサーバーを確認
codex mcp list

MCPサーバーはセッション開始時に自動的に起動され、Codexの組み込みツールと同列で利用できる。

サブエージェントによる並列処理

複雑なタスクを分割して並列実行できる。

# ~/.codex/config.toml でのサブエージェント設定

[[subagents]]
name = "test-runner"
description = "テスト実行専門エージェント"
model = "gpt-5.5"

[[subagents]]
name = "doc-writer"
description = "ドキュメント生成専門エージェント"
model = "gpt-5.5"

14. 制限事項・注意点

技術的な制限

制限 内容
AGENTS.mdサイズ デフォルト32 KiB(設定変更可)
Windows 正式サポートはWSL2経由の実験的段階
ネットワーク workspace-writeではデフォルトで承認必要
セッション保存 ローカルストレージに依存(クラウド同期なし)
ファイルシステム デフォルトは作業ディレクトリのみ(--add-dirで拡張可)

セキュリティ上の注意点

プロダクション環境では使わない
Codex CLIはローカル開発・ステージング環境での使用を想定している。プロダクションサーバーに直接接続したターミナルでの実行、本番DBへのアクセス権があるシェルでの実行は避けること。

・APIキーは環境変数か設定ファイルで管理し、コードにハードコードしない
--dangerously-bypass-approvals-and-sandbox--yolo)は隔離環境専用
・AGENTS.mdに機密情報(APIキー・パスワード)を書かない
・Gitリポジトリ外のディレクトリで実行する場合は--skip-git-repo-checkが必要


15. まとめ:Codex CLIを使いこなすために

OpenAI Codex CLIは、ターミナルから動くOSSのコーディングエージェントとして急成長を続けている。以下の4点を押さえれば、すぐに活用を始められる。

1. まずインストールして試すnpm i -g @openai/codexcodex logincodex --model gpt-5.5 "このプロジェクトを説明して"で、数分で動作確認できる。

2. 料金はChatGPTプランで決まる:Codex単体課金はなく、Plus(月20ドル)からPro(月100〜200ドル)の枠内で使える。小さく試すならAPIキー従量課金が安い。

3. AGENTS.mdを育てる:チームのコーディング規約をAGENTS.mdに追記していくと、Codexが毎回同じルールに従う。最初は空でよい。使いながら追加していく。

4. Claude Codeと使い分ける:「Claude Code(Opus 4.7・1M)で作る → Codex(GPT-5.5・400K)で直す」が主流スタイルだ。設計力と批判的レビュー力を両取りできる。

ターミナルは単なるコマンド入力の場ではなく、AIエージェントとの協働空間に進化している。Codex CLIとClaude Codeを武器に、開発生産性の新しい次元を体験してほしい。


16. 参照ソース