この記事のポイント(Codex CLI 使い方)
  • ・OpenAI Codex CLIはターミナルから直接動くOpenAI公式のAIコーディングエージェント。公式インストーラ(`curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh`)またはnpmで導入し、ChatGPTプランに加入していれば追加費用なしで使える。
  • ・料金はChatGPTプランに同梱で、トークンベースのクレジット課金に移行済み。2026年7月には新モデルGPT-5.6(Sol/Terra/Luna)が加わり、旧GPT-5.4・GPT-5.4-miniは2026年8月31日に提供終了予定だ。
  • ・Claude Codeとの違いは「設計・精密編集はClaude Code/広範リファクタ・自律実行・CI組み込みはCodex」。「Claude Codeで作る→Codexで直す」併用が主流。

「Codex CLI 使い方」で検索してこのページに来た人向けに、インストール手順・基本的な使い方・料金・AGENTS.mdの書き方・Claude Codeとの違いを、公式ドキュメント準拠で順に解説する。ターミナルから動くAIコーディングエージェントを探していて、OpenAIの「Codex CLI」が候補に挙がっている人は多いはずだ。

なお、ペアプロ的に並走するもう一方の主役であるClaude Codeについては、Claude Code|2026年版・インストールからCLAUDE.md・Hooks・本番運用までの実装手引きで詳しくまとめている。本記事はCodex CLI側を起点に、両者の使い分けまで踏み込む。

Codex CLIの主要機能を5つのチップで示すブランド図:npm導入・承認モード・AGENTS.md・サンドボックス・MCP/CI連携
Codex CLIは公式インストーラ導入・承認モード・AGENTS.md・サンドボックス・MCP/CI連携までターミナルで完結する。図はローカル生成(HTML/CSS)。

要点まとめ|Codex CLI 使い方の全体像

OpenAI Codex CLIは、ターミナルから直接動作するオープンソースのコーディングエージェントだ。GitHubのOpenAI公式リポジトリ(openai/codex)でApache-2.0ライセンスのもと公開されている。

最大の特徴は「ローカルで動くAIコーディングエージェント」である点だ。既存のIDEやエディタとは独立して動作し、コードの読み取り・編集・コマンド実行をターミナルから直接制御できる。従来のCopilotやCursorのような補完・提案型のツールに対し、Codex CLIは自律実行型エージェントとして設計された。プロンプトを送るだけでファイルを読み、コードを書き、テストを実行し、修正まで完了する。

インストール:公式ワンライナーインストーラまたはnpm/Homebrewで数分で導入できる
料金:ChatGPTプラン同梱で追加費用なし。APIキー従量課金でも利用可能
AGENTS.md:プロジェクト固有ルールをCodexに常時読み込ませる設定ファイル
Claude Codeとの違い:広範なリファクタ・自律実行・CI組み込みが得意分野
サンドボックス:3段階の権限制御でファイル操作・コマンド実行を安全に管理

Codex CLIは、コードの理解からテスト実行・PR前レビューまでを一連のフローとして委任できるエージェントだ。次章から実際に動かす手順・料金・設定ファイルの書き方を順に解説する。

graph TD Core["Codex CLI 使い方"] --> Install["① インストール
公式インストーラ/npm/Homebrew"] Core --> Price["② 料金
ChatGPTプラン同梱 or API従量課金"] Core --> Agents["③ AGENTS.md
常時読み込む指示ファイル"] Core --> Diff["④ Claude Codeとの違い
広範リファクタ・自律実行・CI"] Core --> Sandbox["⑤ サンドボックス
3段階の権限制御"]

Codex CLIで何ができるか:主要機能一覧

機能 概要
インタラクティブTUI フルスクリーンのターミナルUIでリアルタイム対話
非対話型自動化 codex execでスクリプト連携・CI/CD組み込み
ファイル操作 作業ディレクトリ内のファイル読み取り・編集・作成
コマンド実行 シェルコマンドの実行(サンドボックスポリシー制御)
Web検索 デフォルト有効。開発タスクに必要な情報を取得
画像入力 スクリーンショット・デザイン仕様の添付
サブエージェント 複雑なタスクを並列処理で分割実行
MCP連携 Model Context Protocolでサードパーティツール統合
コードレビュー /reviewコマンドでdiff解析・コミット前チェック
クラウドタスク codex cloudでリモートタスクの管理・差分適用

背景と文脈|GPT-5.6搭載とCode with Claude 2026の勢力図

Codex CLIをめぐる勢力図は、2026年4月以降に大きく動いた。背景を押さえておくと、モデル選択や使い分けの判断がしやすくなる。

timeline title Codex CLI 2026年の主要アップデート 2026-04-23 : GPT-5.5 提供開始 2026-05-06 : Anthropic Code with Claude 2026(Routines/Auto Mode等) 2026-05-07 : Codex for Chrome 拡張投入 2026-07-09 : GPT-5.6(Sol/Terra/Luna)一般提供 2026-08-31 : GPT-5.4・GPT-5.4-mini 提供終了予定

リリース速度と、自分のバージョンの確かめ方(2026-08-10 実測)

このツールが今どれくらいの速度で動いているかを押さえておきたい。手順そのものより先に効いてくる情報だからだ。

項目 実測値(2026-08-10 時点)
npm 最新版(@openai/codex 0.147.0
そのリリース日 2026-08-07
リポジトリ最終コミット 2026-08-10
GitHub Stars 105,134
ライセンス Apache-2.0

メジャーバージョンはまだ0系のまま、パッチ番号が147まで進んでいる——ドキュメントやブログ記事の手順が数週間で古くなる速度で動いているので、「うまく動かない」ときは自分の版が古い可能性をまず疑うのが早い。

# 今入っている版を確認する
codex --version

# npm 側の最新版と、その公開日時を確認する
npm view @openai/codex version time.modified

# 差があれば更新する
npm install -g @openai/codex@latest

GPT-5.6(Sol / Terra / Luna)でCodexはこう変わった

2026年7月9日、OpenAIは新モデルファミリーGPT-5.6(Sol・Terra・Luna)をChatGPT・Codex・APIに展開した。公式モデルページ(learn.chatgpt.com/docs/models)は次のように役割を分けている。

モデル 位置づけ 入力/1Mトークン 出力/1Mトークン
GPT-5.6 Sol(既定) 複雑なコーディング・computer use・セキュリティ調査向けの最上位モデル 125クレジット 750クレジット
GPT-5.6 Terra GPT-5.5相当の性能を低コストで。日常タスク向け 50クレジット 300クレジット
GPT-5.6 Luna ファミリー最安・最速。要約や定型自動化向け 5クレジット 30クレジット
GPT-5.4・GPT-5.4-miniは2026年8月31日に提供終了予定
公式モデルページには、旧世代のGPT-5.4・GPT-5.4-miniが2026年8月31日にretire(提供終了)すると明記されている。ここでの「提供終了」はCodex(ChatGPTサインイン・API双方)でのモデル選択肢からの終了を指す。`config.toml`で`model = "gpt-5.4"`を固定指定している場合は、期限前にGPT-5.6系(Sol/Terra/Luna)へ切り替えておく必要がある。

Sol・Terra・Lunaの使い分けの目安:あいまいで難易度の高いタスクはSol、日常的な開発作業はTerra、要約・定型自動化のような軽量タスクはLuna——公式ドキュメントのガイドラインをそのまま踏襲すればよい。ChatGPT Plusプランは既にGPT-5.6系へのアクセスを含む。

Code with Claude 2026とCodex for Chrome(Anthropic側の動き)

2026年5月6日、AnthropicはCode with Claude 2026カンファレンスを開催し、Claude Code側で複数の新機能を一挙に発表した。

機能 概要
Routines バックグラウンドでPR自動作成。GitHubイベント or schedule起動
Auto Mode 多段階の自律コーディング。承認ゲートで安全装置
Multi-Agent Orchestration エージェント艦隊の調整実行(Public Beta)
Code Review PR自動レビューを一般公開

翌5月7日、OpenAIはCodex for Chromeを投入した。Codexアプリ(macOS・Windows)から起動するChrome拡張で、署名済みブラウザセッションをCodexが直接操作できる。両陣営の動きを並べると、戦略の違いが見える——Anthropicは「自律性」の深掘り、OpenAIは「ブラウザ全体」への進出だ。


詳しく見ていく|Codex CLI 使い方(インストール・料金・AGENTS.md)

graph TD Q["どの方法で入れるか"] -->|"迷ったらこれ"| A["公式インストーラ
curl / powershell ワンライナー"] Q -->|"Node.js環境が既にある"| B["npm install -g @openai/codex"] Q -->|"macOSでbrewを使う"| C["brew install --cask codex"] Q -->|"npmもbrewも使えない"| D["GitHub Releasesから
バイナリを直接取得"]

システム要件

・macOS:正式サポート(Apple Silicon・x86_64)
・Linux:正式サポート(x86_64・arm64)
・Windows:WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)推奨、ネイティブは実験的サポート
・Node.js:npm経由の場合はNode.js 18以上が必要

インストール方法

公式インストーラ経由(現在の一次推奨)

公式README「Quickstart」では、パッケージマネージャより先にこのワンライナーが案内されている。

# Mac / Linux
curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh

# Windows(PowerShell)
powershell -ExecutionPolicy ByPass -c "irm https://chatgpt.com/codex/install.ps1 | iex"

デフォルトではreleases.openai.comから配信され、失敗時はGitHub Releasesへ自動フォールバックする。GitHub Releasesを明示的に使いたい場合は環境変数CODEX_INSTALLER_USE_RELEASES_OPENAI_COM=falseを指定する。

npm経由

# グローバルインストール
npm install -g @openai/codex

# バージョン確認・更新
codex --version
npm install -g @openai/codex@latest

Homebrew経由(macOS)

brew install --cask codex

codex --versionが返すのはPATHの先頭にある1つだけなので、複数の方法で入れてしまった環境ではwhich -a codexで併存を確認してから、不要なほうを消す。

APIキー・認証設定

# 方法1:ChatGPTアカウントでログイン(推奨)
codex login

# 方法2:APIキーを環境変数で設定
export OPENAI_API_KEY="sk-proj-..."

codex loginはブラウザでOAuth認証を行い、ChatGPT Plus/Pro/Business以上のプランに加入していればそのままCodex CLIが利用できる。APIキーは~/.codex/config.toml[provider] api_key = "..."でも永続化できる。

APIキーの取り扱い注意
APIキーをコードにハードコードしないこと。環境変数か`~/.codex/config.toml`(適切なパーミッション設定済み)を使用すること。`.gitignore`に`.env`ファイルが含まれていることを必ず確認すること。

基本コマンドと承認モード

# インタラクティブモード(TUI起動)
codex

# 初期プロンプトありで起動、モデルを明示指定
codex --model gpt-5.6-sol "src/components/Button.tsx のバグを修正して"

# 承認モード付きで起動
codex --sandbox read-only "このコードを解析して"
codex --sandbox workspace-write "バグを修正して"

# 非対話型実行(CI/CD向け)
codex exec "src/utils/parser.ts のTODOを全部解決して"

Codex CLIはファイル操作とコマンド実行の権限をworkspace-write(既定)/read-only/danger-full-accessの3段階で制御する。既定のworkspace-writeでは作業ディレクトリ内の読み書きとコマンド実行が許可され、ネットワークアクセスには承認が必要になる。

主要サブコマンドはcodex(TUI)・codex exec(非対話実行)・codex resume(セッション継続)・codex mcp(MCPサーバー管理・実験的)・codex cloud(クラウドタスク・実験的)・codex sandbox(サンドボックスポリシーでコマンド実行)。インタラクティブモード内では/modelでモデル切替、/reviewでコードレビューを実行できる。

Codex CLIの料金とプラン

Codex単体の月額料金は存在せず、ChatGPTのどのプランを選ぶかがそのまま料金になる

プラン 月額(目安) Codexでの位置づけ
Free 0ドル お試し範囲(実務常用には不足)
Go 約8ドル 軽量タスク向け
Plus 20ドル 週に数回のフォーカスした開発セッション、GPT-5.6系にアクセス可
Pro 100〜200ドル Plusの5〜20倍のレート制限
Business 20ドル/席 ワークスペース管理・SSO対応
Edu / Enterprise 個別見積もり 組織全体への展開・優先サポート
枠は5時間ごとのローリングウィンドウでリセットされる
Codexの利用枠は5時間単位で管理される。GPT-5.6 Terra・Lunaを選べば同じプランでもより多くのメッセージを送れる。重い推論はSol、軽量タスクはTerra/Lunaという使い分けが枠とクレジットの節約になる。プラン枠を使い切っても、Plus・Proユーザーは追加クレジットを購入すれば作業を継続できる。

APIキーさえあればChatGPTのサブスクリプションを持たなくてもCodex CLIは動く。この場合はOpenAI APIの標準従量課金が適用され、固定の利用上限はない。作業範囲を明確に指定する、--sandbox read-onlyで分析専用にする、軽量タスクはLuna/Terraに切り替えるといった工夫でトークン消費を抑えられる。

AGENTS.md の書き方

AGENTS.mdはCodex CLIに対する永続的な指示ファイルだ。プロジェクトのルールやチームの規約をMarkdown形式で記述しておくと、Codexは毎回セッション開始前にこのファイルを読み込み、指示に従って動作する。GSCの実測クエリでも「codex cli agents.md instructions」「agents.md 書き方」といった検索が目立つ。

Codex CLIはAGENTS.mdを「グローバル→プロジェクトルート→サブディレクトリ」の順で収集し、連結して使用する。

優先度(高) ~/.codex/AGENTS.override.md    ← 一時的な上書き用
              ~/.codex/AGENTS.md             ← グローバル設定
優先度(低) {repo_root}/AGENTS.md           ← プロジェクト設定
              {subdir}/AGENTS.md             ← サブディレクトリ設定
# Project Rules

**Working Agreements**
- コミットメッセージは日本語で書く
- プルリクエストは1機能1PRとする

**Code Style**
- TypeScript を使用。`any`型は禁止
- 関数は100行以内に収める

**Testing Rules**
- ユニットテストは `vitest` を使用
- カバレッジ80%以上を維持する

AGENTS.mdのデフォルト上限は32 KiBだ。大規模プロジェクトではディレクトリ単位で分割し(src/api/AGENTS.md)、グローバルは汎用ルールのみに絞り、実験的ルールはAGENTS.override.mdに隔離する戦略が推奨される。既存のCONTRIBUTING.md等をconfig.tomlで代替指定することもできる。

AIのMDファイル対応表では、AGENTS.md・CLAUDE.md・.cursorrules・Copilot Instructions の4ファイルを横断比較している。

項目 AGENTS.md(Codex) CLAUDE.md(Claude Code)
読み込み元ツール OpenAI Codex CLI Claude Code
優先度チェーン グローバル→プロジェクト→サブディレクトリ ~/.claude/ → プロジェクト → サブディレクトリ
上書きファイル AGENTS.override.md なし(直接編集)
サイズ制限 32 KiB(デフォルト) 実質無制限だが200行推奨
ベストプラクティス ディレクトリ階層で役割分担 /initで自動生成→育てる

マルチエージェント環境でも両方を設定する
Claude CodeとCodex CLIを併用しているチームでは、AGENTS.mdとCLAUDE.mdの両方を用意することを推奨する。各ツールが自分専用の設定ファイルのみを読み込むため、ルールの混在が起きない。


アーキテクチャと仕組み|サンドボックスとMCP連携

Codexは起動時に、設定ファイルとAGENTS.md、認証情報を順に読み込んでから動作する。一連の流れは次の図のとおりだ。

flowchart TD A["ユーザー: codex コマンド実行"] --> B["~/.codex/config.toml 読み込み"] B --> C["AGENTS.md 探索
(グローバル → プロジェクト)"] C --> D["認証確認
ChatGPT / API Key"] D --> E{"モード選択"} E -->|"codex"| F["インタラクティブTUI起動"] E -->|"codex exec"| G["非対話型実行"] E -->|"codex cloud"| H["クラウドタスク管理"] F --> I["プロンプト送信"] G --> I I --> J["モデル推論
(gpt-5.6-sol 等)"] J --> K{"アクション種別"} K -->|"ファイル操作"| L["サンドボックスチェック"] K -->|"コマンド実行"| L K -->|"Web検索"| M["検索実行"] L -->|"許可"| N["アクション実行"] L -->|"要承認"| O["ユーザーへ確認"] O -->|"承認"| N O -->|"拒否"| P["スキップ"] N --> Q["結果をユーザーに表示"] M --> Q

Codex CLIのセキュリティ設計の核心がサンドボックス機能だ。macOSではseatbelt、LinuxではLandlockという仕組みを使い、Codexが実行するプロセスの権限を制限する。

sequenceDiagram participant U as ユーザー participant C as Codex CLI participant S as サンドボックス participant FS as ファイルシステム U->>C: codex "バグを修正して" C->>C: AGENTS.md読み込み C->>S: ファイル書き込みリクエスト S->>S: ポリシーチェック(workspace-write?) alt ポリシー許可範囲内 S->>FS: ファイル書き込み実行 FS-->>C: 書き込み完了 else ポリシー外(ネットワーク等) S-->>C: 承認要求 C-->>U: 「外部APIにアクセスしますか?」 U-->>C: 承認 or 拒否 end C-->>U: アクションの全履歴を表示 Note over C,U: git履歴でいつでも巻き戻し可能

重要:Codexはすべてのアクション履歴をトランスクリプトとして残す。何かおかしな変更があっても、git diffgit resetで即座に元に戻せる安全設計だ。

MCPとサブエージェント

Codex CLIはMCP(Model Context Protocol)をサポートしており、外部ツールやデータソースとの連携が可能だ。

# ~/.codex/config.toml での MCP サーバー設定
[[mcp_servers]]
name = "github"
command = "npx"
args = ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"]
env = { GITHUB_TOKEN = "${GITHUB_TOKEN}" }

MCPサーバーはセッション開始時に自動起動され、Codexの組み込みツールと同列で利用できる。複雑なタスクは[[subagents]]設定でモデル・役割を分けたサブエージェントへ並列処理できる。


他の選択肢との比較|Claude Code・Cursor・Copilotとの違い

同じ「ターミナルで動くAIコーディングエージェント」として比較されるCodex CLIとClaude Codeだが、設計思想と得意分野に明確な違いがある。「codex cli claude code 連携」「claude code codex 違い」といった検索が多いポイントだ。

graph LR Start["何を優先したいか"] -->|"広範リファクタ・CI組み込み"| Codex["Codex CLI"] Start -->|"複雑な多段階タスク・大規模設計"| Claude["Claude Code"] Start -->|"エディタ内のリアルタイム補完"| Cursor["Cursor / Copilot"] Codex -.->|"併用"| Claude

基本スペック比較

項目 OpenAI Codex CLI Claude Code
開発元 OpenAI Anthropic
ライセンス Apache-2.0(OSS) 独自ライセンス
言語(実装) Rust TypeScript
主要モデル GPT-5.6 Sol(既定), Terra, Luna Claude Opus 5, Sonnet 5
無料プラン ChatGPT Plus以上に付属 Claude Proに付属
Windows対応 WSL2推奨(実験的) 正式対応
動作環境 ローカル ローカル+クラウドsandbox
クラウドタスク ✅ Codex Cloud ❌(ローカルのみ)
設定ファイル AGENTS.md CLAUDE.md

Claude Codeが得意なこと:複雑な多段階タスク(設計→実装→テスト→デバッグ)、精密な局所的コード修正、長文コンテキストを必要とするタスク、CLAUDE.md・スキル・エージェントによる高度なカスタマイズ。Agentハーネスエンジニアリングとの深い統合も強みだ。

Codex CLIが得意なこと:広範なリファクタリング・一括置換、CI/CDパイプラインへの組み込み(codex exec)、クラウドタスクとローカルの行き来(codex cloud + codex apply)、軽量なコードレビュー(/reviewコマンド)。

2026年5月時点のベンチマーク実数値(参考データ)
SWE-Bench Verifiedでは当時のGPT-5.5(Codex)が88.7%、Opus 4.7(Claude Code)が87.6%と拮抗していた。実GitHub Issueを扱うSWE-Bench Proでは逆にOpus 4.7が64.3%とGPT-5.5の58.6%を上回った。両モデルとも既に世代交代(GPT-5.6・Claude Opus 5/Sonnet 5)が進んでいるため、最新のベンチマーク数値は各社公式リーダーボードで確認してほしい。数値の傾向としては「細かいツール操作はOpenAI系、大規模アーキテクチャ推論はAnthropic系」という役割分担が読み取れる。

Cursor・GitHub Copilotとの位置づけ

ターミナルエージェント型の Codex CLI・Claude Code と、IDE統合型の Cursor・Copilot はそもそもカテゴリが違う

ツール カテゴリ 動作環境 主な用途
Codex CLI ターミナルエージェント ターミナル 自律タスク実行・CI組み込み
Claude Code ターミナルエージェント ターミナル 精密開発・複雑タスク
Cursor IDE(VSCode派生) GUI リアルタイム補完・Composer
GitHub Copilot IDEプラグイン VSCode/JetBrains等 インライン補完・チャット

2026年の主流は「ターミナルエージェント + IDE補完の併用」だ。Codex CLIやClaude Codeで大きなタスクを実行しながら、Claude Code vs Cursor比較記事で紹介したCursorやCopilotでリアルタイムの補完を行うハイブリッドスタイルが広まっている。


実務への影響|ハイブリッド運用とCI/CD組み込み

「Claude Codeで作る→Codexで直す」ハイブリッドワークフロー

2026年4〜5月、X上で広く拡散した使い方が「Claude Codeで作る → Codexで直す」だ。AnthropicとOpenAIの双方を併用し、それぞれの強みを役割分担させる手法である。Claude Code=設計者・実装者Codex=レビュアー・品質ゲートとして並べると、それぞれの長所が補完し合う。

# Step 1: Claude Codeで実装
claude "user_serviceにマルチテナント対応を追加。テストも書いて"

# Step 2: Codexでレビュー
codex --sandbox read-only "直前のコミットをセキュリティとパフォーマンス観点でレビュー"

# Step 3: Codexの指摘を再度Claude Codeで修正
claude "Codexが指摘した3点を修正してテストを追加"

順番を逆にすると失敗しやすい理由
「Codexで作ってClaude Codeで直す」順だと、Codexのサンドボックス制約がボトルネックになりがちだ。マイグレーション実行・staging API接続といった作業はClaude Codeのほうが安定する。まず広い視野で組むのがClaude Code、細部を詰めるのがCodexという分担が自然になる。

flowchart LR A["要件・タスク"] --> B["Claude Code
(設計→実装→テスト)"] B --> C["Codex CLI
(レビュー・エッジケース検出)"] C --> D{"問題あり?"} D -->|"Yes"| E["Claude Codeで修正"] E --> C D -->|"No"| F["Claude Codeで
ドキュメント整備"] F --> G["PR作成
人間レビュー"]

codex-plugin-ccでClaude Code内からCodexを呼ぶ

OpenAI公式のcodex-plugin-cc(GitHub Star 31,600超)は、Claude Codeのプラグイン機構を使い、Claude Code内から直接Codexのレビュー・タスク委譲ができる仕組みだ。ツール切り替えなしでハイブリッド運用を完結できる。

# Claude Code内でマーケットプレイスを追加してインストール
> /plugin marketplace add openai/codex-plugin-cc
> /plugin install codex-plugin-cc

提供されるコマンドは/codex:review(現在のブランチ・差分をレビュー)・/codex:rescue(サブエージェントにタスクを丸投げ)・/codex:adversarial-review(より懐疑的な敵対的レビュー)の3つ。Codex App ServerとJSON-RPC 2.0で双方向通信するため、追加の認証作業なしで動くのが利点だ。

CI/CDへの組み込みと実践ユースケース

# .github/workflows/codex-review.yml
name: Codex Code Review
on:
  pull_request:
    types: [opened, synchronize]

jobs:
  review:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/checkout@v4
      - run: npm install -g @openai/codex
      - run: |
          codex exec --ephemeral --json \
            "このPRのdiffをセキュリティ・パフォーマンス・可読性の観点でレビューして"
        env:
          OPENAI_API_KEY: $

実務では次のような場面でCodex CLIが特に効く。

バグ修正の自動化codex "npm test を実行して失敗しているテストをすべて修正して"のようにテスト失敗の原因調査から修正までを一任できる
テスト生成:カバレッジレポートを渡し、80%未満のファイルへユニットテストを追加させる
大規模リファクタリングcodex --full-auto "すべての require() を ES imports に変換して"のようなプロジェクト全体の一括変換
CI/CDでの自動コードレビューcodex execをGitHub Actionsに組み込み、PRごとに機械的な一次レビューを走らせる

プロダクション環境では使わない
Codex CLIはローカル開発・ステージング環境での使用を想定している。プロダクションサーバーに直接接続したターミナルでの実行、本番DBへのアクセス権があるシェルでの実行は避けること。`--dangerously-bypass-approvals-and-sandbox`(`--yolo`)はDocker/VM等の隔離環境専用だ。

まとめ:Codex CLIを使いこなすために

OpenAI Codex CLIは、ターミナルから動くOSSのコーディングエージェントとして急成長を続けている。以下の4点を押さえれば、すぐに活用を始められる。

1. まずインストールして試す:公式インストーラ(curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh)またはnpmで導入し、codex logincodex "このプロジェクトを説明して"で数分で動作確認できる。

2. 料金はChatGPTプランで決まる:Codex単体課金はなく、Plus(月20ドル)からPro(月100〜200ドル)の枠内で使える。小さく試すならAPIキー従量課金が安い。

3. AGENTS.mdを育てる:チームのコーディング規約をAGENTS.mdに追記していくと、Codexが毎回同じルールに従う。最初は空でよい。使いながら追加していく。

4. GPT-5.4系からの移行とClaude Codeとの使い分け:GPT-5.4・GPT-5.4-miniは2026年8月31日に提供終了予定のため、config.tomlの固定指定はGPT-5.6系へ更新しておく。そのうえで「Claude Codeで作る → Codexで直す」の役割分担を意識すれば、設計力と批判的レビュー力を両取りできる。

ターミナルは単なるコマンド入力の場ではなく、AIエージェントとの協働空間に進化している。Codex CLIとClaude Codeを武器に、開発生産性の新しい次元を体験してほしい。


参照ソース