この記事ではUIデザインに特化して解説します。デザインシステム・UI生成全般は デザインシステムとは?仕組み・構成要素・有名事例をエンジニア向けに完全解説 をご覧ください。

Waterfly IIIとは

Waterfly IIIは、セルフホスト型個人財務管理システム Firefly III の非公式Androidクライアントアプリ。

Firefly IIIはGitHubで14,000スターを超える人気のオープンソース家計管理ソフトウェアだが、公式のスマートフォンアプリは存在しない。Waterfly IIIはその空白を埋め、Androidデバイスからトランザクション管理・予算追跡・残高確認を直感的に行えるインターフェースを提供する。

Google PlayとF-Droidの両方で無料公開されており、プライバシーを重視するユーザーはF-Droid版をGoogleアカウントなしで利用できる。

主な機能

機能 説明
ダッシュボード 残高・収支推移・予算概要をウォーターフォールチャートで表示
トランザクション管理 日付順リスト・フィルタリング・添付ファイル・マルチ通貨対応
銀行通知連携 SMS/プッシュ通知からトランザクション情報を自動入力
予算・請求書 月別予算設定と請求書管理、超過アラート対応
貯金箱 カテゴリー別貯蓄目標の設定と進捗管理
指紋認証 起動時の生体認証でセキュリティを強化
ダーク/ライトモード ダイナミックカラー対応のUI
多言語対応 Crowdin経由で国際化に貢献可能

セットアップ手順

前提条件

Waterfly IIIを使うには、事前にFirefly IIIサーバーが稼働している必要がある。

# Docker Composeでのサーバー起動例(Firefly III公式より)
docker-compose -f docker-compose.yml up -d

アプリのインストール

# Google Playから
https://play.google.com/store/apps/details?id=net.nr4.waterflyiii

# F-Droidから(Googleアカウント不要)
https://f-droid.org/packages/net.nr4.waterflyiii/

APIトークンの取得と接続設定

Firefly III管理画面でAPIトークンを発行し、アプリ起動時に入力する。

サーバーURL例: https://firefly.example.com
APIトークン:   (Firefly III管理画面 → OAuth → Personal Access Token で生成)
セルフホストなら完全無料・広告なし
Firefly IIIはDockerで自宅サーバーやVPSに簡単デプロイ可能。データはすべて自分のサーバーに保存されるため、家計データをクラウドサービスに預けたくないユーザーに最適な構成だ。

アーキテクチャ

Waterfly IIIのデータフローを図示する:

flowchart LR subgraph サーバー A["Firefly III
バックエンド"] B["PostgreSQL
/ MySQL"] end subgraph Androidアプリ C["Waterfly III"] D["ダッシュボード"] E["トランザクション"] F["予算・請求書"] G["貯金箱"] end H["銀行アプリ
SMS通知"] -->|通知検出| C A -->|REST API| C B --- A C --> D C --> E C --> F C --> G

Firefly IIIサーバーとREST APIで通信し、財務データをAndroid上で表示・編集。バンキングアプリからのSMS通知を検出してトランザクション情報を自動補完する仕組みも備える。

Firefly IIIとの機能比較

Webブラウザ経由でのFirefly III操作と、Waterfly IIIアプリ利用の違いを整理する。

操作 Webブラウザ Waterfly III
トランザクション入力 PC操作が主 スマホから即時入力
銀行通知連携 非対応 SMS/プッシュ通知から自動入力
生体認証 ブラウザ依存 指紋認証対応
オフライン閲覧 不可 キャッシュで一部閲覧可能
ウィジェット 非対応 ホーム画面ウィジェット対応

外出先でのリアルタイム支出入力と、銀行通知の自動連携がWaterfly IIIの最大のアドバンテージ。

活用シーン

日常の支出管理

飲食・交通・日用品などの支出をその場でスマートフォンから入力。Google PayやバンキングアプリのSMS通知を受信すると自動でトランザクション情報が入力候補として表示されるため、手入力の手間を最小化できる。

複数通貨での家計管理

海外赴任・旅行・越境ECでの支出もWaterfly IIIからFirefly IIIに直接記録可能。マルチ通貨サポートにより、異なる通貨での取引を統一のアカウント体系で管理する。

予算超過をその場で確認
月別予算とカテゴリーを事前設定しておくと、外出先でトランザクション入力した瞬間に予算残高が更新される。カフェでコーヒーを買った瞬間に「今月の外食費の残りはXX円」と確認できるため、衝動買いの抑制にも効果的だ。

Firefly IIIとWaterfly IIIの使い分け

入力・確認はWaterfly III(スマートフォン)、分析・レポートはFirefly III(Webブラウザ)という使い分けが最も効果的だ。

月初の予算設定や年次レポートはPC/タブレットのWebブラウザで行い、日々の支出入力はWaterfly IIIでモバイルから処理する。どちらからの入力も同一データベースに反映されるため、両環境のデータは常に同期される。

インストール要件

  • Android 8.0(API 26)以上
  • Firefly IIIサーバー(v5.7.0以上推奨)
  • サーバーへのHTTPS接続(HTTP接続は非推奨)

まとめ

Waterfly IIIはFirefly IIIユーザーにとって、セルフホストの家計管理をモバイルで完結させる実用的な選択肢だ。Google PlayとF-Droidの両方で無料提供されており、データのプライバシーを重視しながらスマートフォンから家計を管理したいユーザーに適している。

Firefly IIIと組み合わせることで、データをすべて自分のサーバーに保持しつつ、モバイルでのリアルタイム支出管理を実現できる。類似ツールとしては Dify(ワークフロー自動化)や各種家計管理SaaSがあるが、Waterfly III + Firefly IIIの構成はプライバシー優先のユーザー向けのオープンソース選択肢として際立つ。

参照ソース