「AIっぽい文章」を消すスキル(アンチスロップ・スキル)が、2026年に入ってXで次々と共有されている。どれもSKILL.md 1枚のMarkdownで、git clone すればすぐ使える手軽さもあって、話題になったものはスター数万に届く。ただ、共有されるのはリンクとスクリーンショットばかりで、中身がどう違うのか、そもそも効くのかは誰も比べていない。
そこで、まとめて挙げられていた10本をすべてcloneし、SKILL.mdと付属の参照ファイルを全文読んで比較した。禁止語リストの一致率、公開されている唯一の同一条件ベンチマーク、日本語での使用可否、そしてAnthropicの公式マーケットプレイスとの関係まで、数字はすべて2026年8月23日時点の実測値である。
- ・正体:AIエージェントに読ませるMarkdownの指示書1枚。実行バイナリは無く、禁止語と禁止構文をエージェントの振る舞いに載せる。
- ・合意は薄い:定番AI語彙38語を全文検索した結果、10本すべてが挙げる語は
crucialの1語だけ。 - ・厚さは効果と無関係:5本を同一条件で採点した唯一のベンチマークで25ケース中23ケースが同点、最高点は最小(2.6KB)のstop-slop。
- ・日本語は守備範囲外:10本の付属Markdownを走査してかなの出現は全本0文字。非英語の付録は中国語1本のみで、作者自身が「未検証」と明記。
- ・公式流通とは別集合:Anthropic公式マーケットプレイス(2,282件)にこの10本の登録は0件。公式側には別作者の類似15本がある。
この記事ではClaude Code等のエージェントに読ませるスキルとしてアンチスロップ系を扱います。スキルを含むClaude Code全体の設定・運用は Claude Code|2026年版・インストールからCLAUDE.md・Hooks・本番運用までの実装手引き をご覧ください。
アンチスロップ・スキルとは——「AIっぽい文章」を消すSKILL.md 1枚
アンチスロップ・スキルの実体は、フォルダに置かれた SKILL.md というMarkdownファイルだ。冒頭のYAML frontmatterに name と description があり、本文に「こう書くな」「こう直せ」という編集規則が並ぶ。実行されるコードは基本的に無い。エージェントが文章を扱う場面でこのファイルを読み込み、出力の癖を変える。スキルという仕組み自体の構造は Claude Skillsとは|「スキル=フォルダ」の仕組みと作り方・使い方を徹底解説 で扱っている。
今回比較した10本は次の通り。すべてMITライセンスだった。
| # | スキル名 | リポジトリ | ★ | SKILL.md | 参照ファイル |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | humanizer | blader/humanizer | 37,300 | 30.4 KB | 2本 / 16.5 KB |
| 2 | stop-slop | hardikpandya/stop-slop | 16,200 | 2.6 KB | 5本 / 12.6 KB |
| 3 | no-ai-slop | petergyang/no-ai-slop | 5,800 | 10.9 KB | 5本 / 9.3 KB |
| 4 | unslop | cursor/plugins | 4,700 | 6.6 KB | 0本 |
| 5 | anti-ai-slop-writing | jalaalrd/anti-ai-slop-writing | 402 | 7.5 KB | 1本 / 3.8 KB |
| 6 | humanize | aashaexo/soundshuman | 277 | 27.6 KB | 9本 / 30.6 KB |
| 7 | anti-slop | elithrar/dotfiles | 202 | 7.6 KB | 1本 / 3.4 KB |
| 8 | humanizer | Aboudjem/humanizer-skill | 180 | 35.0 KB | 28本 / 150.0 KB |
| 9 | slopbeth | ehmo/slopkit | 85 | 7.5 KB | 18本 / 49.6 KB |
| 10 | deslop | stephenturner/skills | 7 | 8.4 KB | 5本 / 47.3 KB |
4番のunslopは
cursor/plugins というCursor公式のプラグイン集リポジトリの中の1スキルで、★4,700はリポジトリ全体に付いた数字。7番のanti-slopも elithrar/dotfiles という個人のdotfilesリポジトリの一部で、★202は dotfiles 全体への評価。10番のdeslopが載る stephenturner/skills は「自分用スキル集」と自称しており、★7は宣伝していないことの裏返しでしかない。単体で公開されている1〜3・5・6・8番と、そうでないものを同じ軸で並べられない。
3つの設計思想に分かれる
10本のSKILL.mdを読み比べると、見出し構成から3つの型が見えてくる。
・規則列挙型:stop-slop(Core Rules / Quick Checks / Scoring)や deslop(10個の番号付きルール)のように、短い規則を並べる。最小のstop-slopはSKILL.md本体が2.6KBしかない
・パターン網羅型:humanizer(blader)の「1. Inflated claims / 2. Name-dropping / 3. Shallow analysis…」や、humanize(soundshuman)の41パターン、humanizer(Aboudjem)の53パターンのように、AI臭を分類して1つずつ潰す
・ワークフロー型:slopbeth は本体を7.5KBに抑え、Reference routing と Script routing で18本の参照ファイルとスクリプトへ処理を振り分ける。no-ai-slop は書き換え後に回す eval.md を別ファイルで持つ
① 何ができる:AIが書いた英語の文章から、定型句・誇張・受動態・埋め草を機械的に落とせる。② 何を解決する:「読むとAIが書いたと分かる」原稿を、公開前に自分で検知できない問題。③ 何を代替できる:英語原稿の一次推敲は代替できる。日本語の推敲と、事実確認は代替しない——後述の通り日本語パターンは1本も入っていない。
手元に10本まとめて落として読む
比較そのものを自分でやり直せるように、実際に使ったコマンドを載せておく。すべてMarkdownなので、cloneは軽い。
# 10本の置き場所を作る
mkdir -p ~/anti-slop && cd ~/anti-slop
# 単体公開されているものを取得
for r in hardikpandya/stop-slop petergyang/no-ai-slop blader/humanizer \
ehmo/slopkit Aboudjem/humanizer-skill aashaexo/soundshuman \
jalaalrd/anti-ai-slop-writing stephenturner/skills elithrar/dotfiles; do
git clone --depth 1 -q "https://github.com/$r" "${r//\//_}"
done
# SKILL.md の在り処と大きさを一覧する
find . -name SKILL.md -exec ls -l {} \; | awk '{print $5, $NF}' | sort -rn
禁止語リストはどこまで一致するか——全10本が挙げる語はたった1語
一番知りたいのは「結局どの言葉を避ければいいのか」だろう。英語圏でAI語彙の定番とされる38語を選び、10本それぞれの付属Markdown全文を検索して、何本がその語を挙げているかを数えた。
結果は次の通りだった。
| 採用スキル数 | 語 |
|---|---|
| 10本(全員) | crucial |
| 9本 | landscape / delve / tapestry |
| 8本 | pivotal / leverage / underscore |
| 7本 | in today’s / foster / robust / harness / testament |
| 6本 | unlock / empower / realm / intricate |
| 5本 | navigate / it’s not just / elevate / vital / showcase / not only / boasts / vibrant / seamless |
| 4本 | game-changer / deep dive / cutting-edge / paradigm / moreover / synergy |
| 3本以下 | meticulous / dive into / furthermore / embark / holistic / myriad / bustling |
crucial の1語で、残りはどこかが落としている。これは各スキルが手を抜いているという話ではなく、AI臭の定義がまだ収束していないということだ。delve のように広く知られた語ですら1本が落としているし、bustling(賑わう)を挙げているのは10本中1本しかない。禁止語リストを丸ごと信じるのではなく、自分が書く分野で実際に浮く語を足していく前提で使うほうが実態に合う。
語彙だけでなく「何を守るか」で差が出る
もうひとつ、読み比べて明確に分かれたのが誤検出の扱いだ。禁止語を機械的に消すと、人間が意図して書いた強い表現まで削れてしまう。この危険に正面から向き合っているかどうかで、スキルの設計は分かれる。
| スキル | 誤検出への備え |
|---|---|
| anti-slop(elithrar) | 冒頭に Prime directive: preserve voice、専用節 What to keep (do not "fix" these) |
| humanizer(Aboudjem) | Guardrails: what NOT to flag/Signs of human writing (preserve these) を検出手順より前に配置 |
| no-ai-slop(petergyang) | 別ファイル eval.md の11項目で「声・語彙・リズム・digressionを保てたか」を書き換え後に自己採点 |
| slopbeth(ehmo) | ベンチマークに false-positive rows(触ってはいけない文)を12件用意 |
| stop-slop / deslop / unslop | 規則列挙が中心で、保全の記述は簡潔 |
no-ai-slop の eval.md は「編集しすぎ」を具体的に禁じている点が特徴的で、「実際のslopの量に見合った量だけ削れ。個性を削ぐ圧縮をするな」という趣旨のチェック項目が並ぶ。アンチスロップ・スキルの一番の失敗は書き手の癖まで平らにすることだと、複数の作者が明示的に警戒している。
実際に何を直すのか——3本の規則を並べて読む
禁止語の一覧だけでは、実際にエージェントの出力がどう変わるのか分かりにくい。設計思想の違う3本から、実際に書かれている規則を引いて並べてみる。
stop-slop:納品前の5つの問い
最小の stop-slop は、規則ではなくチェック項目として書かれている。SKILL.md本体の Quick Checks はこれだけだ。
・副詞はあるか → 消す
・受動態はあるか → 行為者を見つけて主語にする
・無生物が人間の動詞をしているか(”the decision emerges”)→ 人を名指しする
・文がWh-語で始まっていないか → 組み替える
・”here’s what / this / that” の前置きはないか → 本題に入る
2.6KBで済んでいるのは、語彙の列挙をやめて書き手が自分で判定できる問いに落としているからだ。ベンチマークで最高点を取ったのがこの構成だった、という事実は軽くない。
anti-slop:「なぜ信頼を損なうか」まで書く
elithrar/dotfiles の anti-slop は、tell(AIの手癖)ごとに「なぜダメか」と「どう直すか」を表で持つ。抜粋するとこうなる。
| 手癖 | なぜ信頼を損なうか | 直し方 |
|---|---|---|
| 前置きの咳払い(”It is worth noting that…”) | 読者の時間を無駄にし、水増しの合図になる | 枠を消して、本題をそのまま書く |
| 指示語のキメ台詞(”That instinct backfires.”) | 形式的な埋め草のリズム。直前の文の言い換えでしかないことが多い | 削るか本文に畳み込み、次の文は “But…” のような実質的な転換で始める |
| 誇張の副詞(genuinely / truly / actually / simply) | 熱は足すが光は足さない | 消す。その副詞が無いと成立しない主張は、主張のほうが弱い |
| 重要性の宣言(”This matters.”) | 読者に感じ方を指示している。感じさせていない | 結果を直接示す |
| 気の利いた比喩(”an authorization bug wearing the costume of a performance optimization”) | モデルが機知を演じているように読める | 平叙で書く(”an authorization bug, not a performance optimization”) |
| 3点セット反射 | すべてのリストが3項目に揃うのは予測可能。3つ目が埋め草になりがち | 数を揃えない。2つが真なら2つで止める |
冒頭には「アンチスロップの最も多い失敗は、平坦で声の無い文章へ過剰修正することであり、それ自体がひとつの手癖だ」と書かれ、削る前に「これはslopか、それとも著者が擁護するであろう声か」を判断せよと指示している。
unslop:記号と書式のレベルまで機械的に決める
Cursor公式プラグイン集に入っている unslop は、語彙や構文よりも表記の規則が多い。番号付きで挙がっているものの後半はこうだ。
・コロンの多用:リストや例示の前は可。文中の接続として使うのは不可
・太字の多用:固有名詞や略語をいちいち太字にしない
・インライン見出しリスト:**Performance:** Performance improved… のように太字ラベルが直後を言い換えるのは手癖。散文に直す
・見出しのTitle Case:sentence caseにする
・装飾絵文字:見出しと箇条書きから外す
・カーリークォート:ストレートクォートに置換する
ただし「太字リード文が句点で終わり、項目を名指しし、そのあとに新しい情報が続く場合は手癖ではない」という例外まで明記されている点が重要だ。機械的な禁止だけを取り出すと、正当な書式まで潰れる。
同じ「AI臭を消す」でも、stop-slopは判定を人に返し、anti-slopは理由まで説明して声を守り、unslopは記号と書式を機械的に決める。ベンチマーク上の出力差がほとんど無いのは、この3つが競合ではなく別々の層を担当しているからとも読める。
SKILL.mdの厚さと出力の良さは対応していなかった
10本のうち5本を同一条件で採点した公開ベンチマークが1つだけ存在する。ehmo/slopkit が公開しているv2ベンチマークで、25ケースの実エージェント出力を5本のスキルそれぞれに通し、同じ採点器でスコア化したものだ。
公開されているスナップショットの数字はこうなっている。
| スキル | ケース数 | 平均診断スコア | 事実の欠落 | 禁止出力ヒット |
|---|---|---|---|---|
| stop-slop | 25 | 112.55 | 0 | 0 |
| anti-ai-slop-writing | 25 | 112.34 | 0 | 0 |
| humanizer | 25 | 112.30 | 0 | 0 |
| skill-deslop | 25 | 112.12 | 0 | 0 |
| slopbeth | 25 | 112.10 | 0 | 0 |
5本が0.45点の幅に収まり、25ケース中23ケースが5本とも同点。最高点を取ったstop-slopはSKILL.md本体が2.6KBで、10本中もっとも小さい。35KB・53パターン・参照150KBを積んだ構成が優位に立ったわけではなかった。
このベンチマークの評価すべき点は、作者が自分の不利まで書いていることだ。slopkitはこの5本の1本(slopbeth)の作者が作ったものだが、BENCHMARKS.mdには次の3つが明記されている。
・スコアはslopbeth自身のlint器で計算しているため、他社をこれで測るのは循環的であり、順位ではなくパリティ確認として読むべきこと
・slopbethは1ケースも単独首位を取れず、平均でも0.45点差の最下位であること
・以前のリリースで「勝率0.92」と報告していたが、同点を先頭に並んだツールの勝ちに数える集計ミスだったため撤回したこと
AI検出ツールの回避には使えない
同じリポジトリには、公開されているAI検出ツールに実際にかけた記録(public-detector-panel-v1.md)もある。QuillBot・Sapling・ZeroGPTの3種で判定した結果、同じサンプルに対して検出器どうしの判定が割れている(5サンプル中4サンプルで disagreement あり)。作者はこのパネルを冒頭で「弱い証拠であり、ある文章が人間のものである・安全である・恒久的に検出されないことを証明するものではない」と位置づけている。
アンチスロップ・スキルは検出回避ツールではない。具体性を上げて定型句を落とす編集支援として使うのが、公開されている実測に照らして誠実な使い方だ。
アンチスロップは日本語で使えるか——10本すべてでかなの出現が0文字
ここが日本語で書く読者にとって最も重要な点になる。10本それぞれについて、SKILL.mdと同梱のMarkdownをすべて連結し、文字種で走査した。
・ひらがな・カタカナの出現数は10本とも0
・多言語・非英語に言及があるのは slopbeth と humanizer(Aboudjem)の2本のみ
・実際に非英語のパターン集を同梱しているのは humanizer(Aboudjem)の1本だけで、その中身は中国語(簡体字)の付録
漢字が検出されたので日本語対応かと一瞬見えるが、実体は patterns.zh.md という中国語ファイルだった。しかもその冒頭には作者自身の但し書きがある。ZH1〜ZH15は暫定草稿で中国語母語話者の検証を経ておらず、英語の正式カタログ(P1〜P53)とは成熟度が違うため検証済みのルールとして扱うべきではない、という趣旨だ。
この付録には、日本語にもそのまま当てはまる重要な指摘がある。英語で使われるburstiness(文長の揺らぎ)やperplexity(語の予測しやすさ)の指標は、単語をスペースで区切らない文字ベースの言語にはそのまま移植できない、という点だ。中国語では四字熟語の密度や句読のリズムのほうが強い手掛かりになる、と書かれている。日本語も同じ構造上の制約を持つ。
日本語のAI臭は自分で定義するしかない
つまり日本語で使う場合、10本は「英語原稿用の土台」として使い、日本語パターンは自分で足すことになる。当サイトでは同種のスキルを日本語向けに持っており、検出対象は次のように英語版とは別物になっている。
| 対象 | 英語圏10本 | 日本語で必要になるもの |
|---|---|---|
| 語彙 | delve / crucial / leverage / robust | 「包括的」「革新的」「多岐にわたる」「非常に」 |
| 文末 | — | 「〜と言えるでしょう」「〜ではないでしょうか」の連発 |
| 構文 | passive voice / copula avoidance | 体言止めの多用、「〜における」の名詞化 |
| 記号 | em-dash(—)の多用 | 全角ダッシュ・三点リーダの機械的な反復 |
| 構成 | formulaic “challenges” sections | 「まとめると」「いかがでしたか」型の締め |
英語側の規則をそのまま日本語に適用すると、em-dash の扱いのように日本語では自然な表現まで禁止してしまうケースも出る。10本をそのまま日本語原稿に当てるのは避けたほうがよい。
Anthropic公式マーケットプレイスとの断絶——話題の10本は0件収録
最後に、流通経路を確認しておく。Anthropicは anthropics/claude-plugins-community というコミュニティ・プラグインの公式マーケットプレイスを運用しており、.claude-plugin/marketplace.json には2026年8月23日時点で2,282件のプラグインが登録されている。
このJSONを、今回の10本の作者名(hardikpandya / petergyang / blader / cursor / ehmo / Aboudjem / stephenturner / elithrar / aashaexo / jalaalrd)で検索したところ、該当は0件だった。一方、slop・humanizeを名前か説明に含むプラグインは15件登録されている。
| 公式側にあるもの | 提供元 | 性格 |
|---|---|---|
| deslop | agent-sh | コード中の console.log・TODO等のAI残骸を除去(文章ではない) |
| slopstop | zhuxiangyi | AI slop なPR(プレースホルダのテスト等)を検出 |
| slop-gate | codeninja | Claudeが指示を無視して手抜き実装に走るのを段階的に抑止 |
| anti-slop-ui | awaken7050dev | フロントエンドの「AIっぽい見た目」を除去 |
| humanize-kit | Branded-Mayhem-Collective-LLC | 自分の文章から声の指紋を作り、それに合わせて書き換え |
| humanizer | adelaidasofia | Wikipedia の Signs of AI Writing ベース |
注目すべきは、公式側の「deslop」「slopstop」「slop-gate」はいずれも文章ではなくコードやPRを対象にしていることだ。同じslopという語が、文章のAI臭とコードのAI残骸という別々の問題に使われている。さらに「anti-slop-ui」のようにUIの見た目を対象にするものもあり、この層については Hallmark デザインスキル解説|AI slopを拒みClaude Code・Cursorで使う で個別に扱っている。Xで話題になった10本はすべて文章側であり、公式マーケットプレイスの主流とは対象がずれている。
なお公式マーケットプレイスへの登録はGitHubへのプルリクエストではなく、専用の申請フォーム経由で、リポジトリに直接送られたPRは自動的にクローズされる運用になっている。話題の10本が載っていないのは審査に落ちたからとは限らず、そもそも申請していない可能性が高い。プラグインやスキルの探し方そのものは buildwithclaudeとは|Claude Skills・Agents・Pluginsを横断検索できる発見ハブ で扱っている。
結局どれを選ぶか
英語規則を土台に
日本語パターンを自作する"] B -- 英語 --> D{"誰の原稿か"} D -- 自分の下書き --> E["軽い1本で足りる
stop-slop / unslop"] D -- 他人の原稿 --> F["声の保全を明記した設計
no-ai-slop / anti-slop"] E --> G{"チームで回すか"} F --> G G -- 個人で使う --> H["SKILL.md 1枚を置くだけ"] G -- CIに載せる --> I["CLI・検査を同梱するもの
soundshuman / slopkit"]
10本すべてを同時に入れるのは避けたほうがよい。禁止語リストが部分的にしか一致していないため、片方が禁じている語をもう片方が許すという矛盾した指示をエージェントに同時に読ませることになる。1本を選んで、自分の分野で浮く語を足していくのが実用的だ。
まとめ
・正体:AIエージェントに読ませるMarkdownの指示書1枚。10本ともMITライセンス
・合意は薄い:定番AI語彙38語のうち10本全員が挙げたのは
crucial の1語。bustlingのように1本だけの語もある・厚さ≠効果:5本を同一条件で採点した唯一の公開ベンチマークで25ケース中23ケースが同点、最高点は最小(2.6KB)のstop-slop
・ベンチマークは自己批判的:作者自身が循環的である旨・自分が最下位である旨・過去の勝率を撤回した旨を明記
・日本語は対象外:10本すべてかな0文字。非英語付録は中国語1本のみで「母語話者未検証」と明記
・公式流通とは別集合:公式マーケットプレイス2,282件に10本の登録は0件。公式側の類似15本は多くがコード・PR側を対象にしている
このジャンルで一番参考になったのは、実は個々の禁止語リストではなく、複数の作者が「編集しすぎ」を明示的に警戒していることだった。AI臭を消す作業は、放っておくと書き手の癖・逸脱・言い切りまで平らにしてしまう。no-ai-slop が書き換え後に11項目で自己採点させ、anti-slop が「直してはいけないもの」を専用節に持ち、slopbeth が「触ってはいけない文」12件をベンチマークに入れているのは、いずれも同じ失敗に対する備えだ。
英語の原稿を整えるなら、どれを選んでも結果はほぼ変わらない。差が出るのは何を守ろうとしているかの設計と、それが自分の書き方に合っているかどうかである。日本語で使うなら、10本は出発点にしかならない。
参照ソース
・hardikpandya/stop-slop — SKILL.md 2,629バイトの実体。★16,200 / MIT
・blader/humanizer — ★37,300。Wikipedia「Signs of AI writing」ベースのパターン網羅型
・petergyang/no-ai-slop — 書き換え後の自己採点 eval.md 11項目
・ehmo/slopkit — BENCHMARKS.md / score-snapshot.md / public-detector-panel-v1.md。5本を同一条件で採点した唯一の公開ベンチマークと、その自己批判
・Aboudjem/humanizer-skill — 53パターン・参照150KB。中国語付録 patterns.zh.md と「未検証」の但し書き
・jalaalrd/anti-ai-slop-writing — banned-words.md の52項目(語・句・書き出し)
・anthropics/claude-plugins-community — marketplace.json 2,282件。10本の登録0件・類似15件の確認元
・slopkit score-snapshot.md(生成物の実ファイル) — 本文の112.10〜112.55・23件同点の出所
・slopkit v1.4.1 のコミット b33718b — 本記事が参照したベンチマーク生成時点のリビジョン
・claude-plugins-community のコミット f4c9452 — marketplace.json 2,282件を数えた時点のHEAD