Coolify とは、Vercel・Heroku・Netlify の代わりになる自己ホスト型 PaaS(セルフホスト PaaS)の OSS のことだ。SSH で繋いだ自前のサーバに、Git リポジトリからアプリやデータベースを自動デプロイし、独自ドメインと自動 HTTPS まで面倒を見る。star 65.4k・fork 5.9k の定番で、最新は v4.5.3、ライセンスは Apache-2.0。本記事は、何ができて、何が AI と関係ないのかを、公式リポジトリを一次情報に切り分ける。
HOW DEPLOY WORKSデプロイの流れ
SSH1本で、自前サーバが PaaS になる
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サーバを SSH で登録
VPS・ベアメタル・Raspberry Pi など SSH で入れる任意のサーバ。エージェント不要、必要なのは SSH 接続だけ
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Git からビルド
GitHub/GitLab/Bitbucket/Gitea から Nixpacks・Railpack・Dockerfile・Docker Compose・既成イメージでビルド
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公開まで自動
独自ドメイン・自動HTTPS・リバースプロキシ・ヘルスチェックを設定。360以上のDB/サービスはワンクリック
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運用もダッシュボードで
git push 毎に自動デプロイ・PRプレビュー・Webフック・ロールバック。ログ/端末/監視/バックアップ/シークレット
30秒でわかるCoolify(v4.5.3・2026-11-01確認)
- ・SSHで繋いだ自前サーバを、Gitからの自動デプロイ付き PaaS に変える OSS。Vercel/Heroku/Netlify の代替。
- ・360以上のワンクリックサービスとDBを、永続ストレージ・認証情報の自動生成つきで建てられる。
- ・star 65.4k・Apache-2.0・Laravel(PHP)製。設定は自サーバに残り、止めても稼働中リソースは動き続ける。
- ・AIツールではない。AI接点は「MCPでエージェントから操作」「AIアプリを自己ホスト」の2点だけ。
関連して、当サイトでは自己ホスト系の OSS としてOpenShip(自己ホストのデプロイ基盤)やCheckmate(自己ホストの死活監視)も実測している。Coolify はその中でも「アプリのデプロイそのもの」を担う、最も中心的な1本だ。
Coolify とは:SSH1本で自前サーバがPaaSになる
発想はシンプルだ。Vercel や Heroku の「git push したら公開される」という体験を、自分が所有するサーバの上で実現する。必要なのは SSH で入れるサーバが1台だけ。VPS でもベアメタルでも、手元の Raspberry Pi でも、SSH さえ通れば対象になる。各サーバに専用のエージェントを常駐させる方式ではなく、Coolify 本体が SSH 経由で各サーバを操作する。
インストールは公式スクリプトを1行で走らせる。実行前にスクリプトの中身を読むことが README でも勧められている。
# 対応サーバ上で実行(実行前にスクリプトを読むことが推奨されている)
curl -fsSL https://cdn.coollabs.io/coolify/install.sh | bash
導入後はブラウザのダッシュボードから操作する。サーバを登録し、Git リポジトリを繋ぎ、ビルド方式を選ぶと、あとは公開まで自動で進む。ビルドは Nixpacks・Railpack・Dockerfile・Docker Compose・既成の Docker イメージから選べるので、言語やフレームワークをほぼ問わない。GitHub・GitLab・Bitbucket・Gitea に対応する。
# Docker Compose をそのまま持ち込んでデプロイすることもできる(例)
services:
app:
image: myorg/myapp:latest
environment:
- DATABASE_URL=${DATABASE_URL}
ports:
- "3000"
公開のあとも、git push 毎の自動デプロイ・プルリクエストのプレビュー環境・デプロイ Web フック・過去イメージへのロールバックが揃う。独自ドメイン、自動 HTTPS 証明書、リバースプロキシ、ヘルスチェックといった「公開まわり」も設定項目として用意されている。
何ができるか:360以上のサービスと運用機能
Coolify の守備範囲は、アプリのデプロイだけではない。README が挙げる機能を整理すると、だいたい次の表のようになる。
| 分野 | できること |
|---|---|
| アプリのデプロイ | Git から Nixpacks/Dockerfile/Compose/既成イメージでビルド |
| DB・サービス | 管理DBと360以上のワンクリックサービス(永続ストレージ・認証情報の自動生成) |
| 自動化 | push毎デプロイ・PRプレビュー・Webフック・ロールバック |
| ネットワーク | 独自ドメイン・自動HTTPS・リバースプロキシ・ヘルスチェック |
| 運用 | 複数サーバ管理・ログ閲覧・コンテナ端末・リソース監視 |
| 保護 | DB/ストレージのバックアップ・定期タスク・環境変数/シークレット・通知 |
| 操作口 | ダッシュボード・API・CLI・MCP・チーム権限管理 |
「360以上のワンクリックサービス」は誇張ではなく、リポジトリの public/svgs/ にサービスのアイコンが300枚超(当サイト計測で337個の画像)入っていて、対応の幅を裏づけている。顔ぶれも幅広く、API 検証の Hoppscotch、ドキュメント変換の Gotenberg、家計簿の Actual Budget、メディアサーバの Emby、メモの SilverBullet、AI チャット UI の LobeChat まで、同じダッシュボードから建てられる。DB も PostgreSQL・MySQL・MariaDB・MongoDB・Redis などを管理データベースとして扱え、永続ストレージと認証情報の自動生成が付く。つまり「アプリ1本だけ」でなく、そのアプリが依存する周辺一式を1か所で面倒見られるのが実用上の強みだ。技術スタックは Laravel 11(PHP 8.4)+ Livewire/Alpine.js、PostgreSQL 15、Redis 7、WebSocket に Laravel Reverb、土台は Docker と S6 Overlay。堅実な Web アプリの構成で、特別なランタイムを要求しない。
SELF-HOSTED VS CLOUD2つの使い方
自分で建てるか、公式Cloudに任せるか
セルフホスト(OSS・無料)
Coolify Cloud(有料・公式運用)
セルフホスト(OSS・無料): 自分のサーバに入れて全部を管理
Coolify Cloud(有料・公式運用): 公式が維持するインスタンスを使う
セルフホスト(OSS・無料): 無料・Apache-2.0。設定は自サーバに残る
Coolify Cloud(有料・公式運用): 高可用・保守の手間が減る(有料・サポートあり)
セルフホスト(OSS・無料): Coolify を止めても起動中のリソースは動き続ける
Coolify Cloud(有料・公式運用): まず試すならこちらが速い
使い方は2通りある。セルフホスト(自分のサーバに入れる・無料・Apache-2.0)と、公式が運用するCoolify Cloud(有料・保守の手間が減る)だ。まず触って感触を掴むだけなら Cloud が速く、本番で握りたいならセルフホストという住み分けになる。価格は公式サイトを参照。
AIとの接点はどこにあるか
当サイトは AI 関連 OSS を主に扱うので、ここははっきりさせておく。Coolify は AI ツールではない。 本体はあくまでデプロイ/自己ホストの基盤だ。そのうえで、AI との接点は次の2つに限られる。どちらも「AIを動かす土台」としての接点で、Coolify が AI 機能を持つわけではない。
BEFORE YOU START導入前に押さえる
要るのは SSH、推奨はサーバ分離
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1.必要なのは SSH 接続だけ
専用エージェントを各サーバに入れる方式ではない。VPS/ベアメタル/Raspberry Pi で可
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2.推奨構成はサーバ分離
Coolify 本体を1台、デプロイ先を別の1台以上に。本体サーバに全部載せも可だが分離が推奨
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3.データの所有は自分
設定は自サーバに残り、Coolify を止めても稼働リソースは動く。ロックインが弱い
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4.操作口は4つ+AI接点
ダッシュボード・API・CLI・MCP。MCP 提供でエージェントから操作可。LobeChat 等のAIアプリも自己ホストできる
1つ目は MCP サーバの提供だ。Coolify は操作口としてダッシュボード・API・CLI に加えて MCP を持つので、Claude Code のような AI エージェントから、デプロイやリソース操作を指示できる。2つ目は AI アプリの自己ホストで、360以上のワンクリックサービスの中に LobeChat のような AI チャット UI が含まれる。つまり「自分の LLM アプリを、自分のサーバに1クリックで建てる」用途に使える。CLI からの操作はこうした雰囲気だ。
# CLI の例(詳細は公式ドキュメント)。API/CLI/MCP いずれからも操作できる
coolify deploy --uuid <resource-uuid>
coolify databases:list
逆に言えば、それ以外に AI 的な仕掛けは無い。無理に「AI で賢くデプロイ」と読む必要はなく、自己ホストの土台として堅く、AIアプリを載せる場所にもなる、と捉えるのが正確だ。
向き・不向きと、自己ホストの責任
向くのは、Vercel や Heroku の開発体験は欲しいが、課金が読めない・データを自分の管轄に置きたい・特定クラウドに縛られたくない、というケースだ。固定費のサーバ1台で複数アプリと周辺サービスをまとめて動かせるので、小規模〜中規模の自社サービスや、副業・個人開発の常時稼働先として相性がいい。向かないのは、サーバの面倒を一切見たくない人だ。その場合は素直に Coolify Cloud かマネージドな PaaS を選ぶほうが幸せになる。セルフホストは安い代わりに、運用の責任が自分に移るからだ。
ここが自己ホスト PaaS の肝で、便利さと引き換えに、OS のパッチ適用・バックアップの確認・SSH 鍵の管理は自分の仕事になる。Coolify は DB/ストレージのバックアップ、定期タスク、シークレット管理といった道具を用意しているが、「設定して、復元できることを確かめる」のは利用者側の責任だ。推奨構成で Coolify 本体とデプロイ先を別サーバに分けるのも理由がある。本体サーバが落ちたときに全アプリを巻き込まないため、そしてデプロイ負荷と管理画面を切り離すためだ。本番で握るなら、まずこの分離とバックアップの復元テストから入るのがいい。Coolify のインストール自体は1行で終わるが、運用の設計はそのぶん自分で持つ、という前提で選ぶ道具だ。加えて Coolify 本体も更新が速く、v4.5 系が短い間隔で小刻みに出ている。本体の自動更新を有効にするか、版を固定して計画的に上げるか、アップデート方針もあらかじめ決めておきたい。
Coolifyを試す前に押さえる点
・要るのは SSH が通るサーバ1台:専用エージェント常駐型ではない。VPS/ベアメタル/Raspberry Pi で可
・推奨はサーバ分離:本体1台+デプロイ先1台以上。小さく試すなら同居も可
・ロックインが弱い:設定は自サーバに残り、Coolify を止めても稼働リソースは動く。ビルドも標準方式で持ち出しやすい
・本体は Laravel/PHP:特殊なランタイムは不要。Docker が土台
・無料はセルフホスト、楽をするなら Cloud:保守の手間とのトレードオフ
・AIツールではない:接点は MCP での操作と、AIアプリの自己ホストの2点だけ
・本番前にバックアップと通知を設定:DB/ストレージのバックアップ・定期タスク・シークレット管理が用意されている
総括。 Coolify は「クラウド PaaS の便利さを、自分のインフラの所有権を手放さずに得る」ための OSS だ。SSH1本で自前サーバが git push デプロイの基盤になり、360以上のサービスがワンクリックで建つ。star 65.4k という定番ぶりは、この領域の需要の大きさをそのまま映している。AI との関係は薄く、接点は MCP 操作と AIアプリの自己ホストの2点だけ——だが、自分の AI アプリを自分のサーバに置く土台としては、素直に有力な選択肢になる。
参照ソース
- coollabsio/coolify(公式リポジトリ) — README・
TECH_STACK.md・LICENSE・public/svgs/を 2026-11-01 に確認(v4.5.3) - Coolify 公式ドキュメント — インストール要件・構成・CLI/API/MCP の詳細
- Coolify 公式サイト — Cloud の価格とセルフホストの位置づけ





