Gr8r Studio(gr8r studio)は、ボード・表・カレンダー・タイムラインなどを備えたプロジェクト管理画面を、UIフレームワークを使わず Vite+素の JavaScript ES モジュール+CSS だけで書いたリポジトリだ。GitHub では★665・fork 147(2026-10-15、github.com のページで確認)。本記事では実際に npm ci からビルド・起動まで行い、何が入っていて何が入っていないか、コードを再利用してよいのかを確かめた。
なお、このリポジトリに AI の機能は無い(src に AI・LLM の API を呼ぶコードは0件)。開発者向けの OSS として扱う。開発まわりのツール全体は AI自動化ツール|ノーコードからコードまで2026年版の比較と選び方 にまとめている。
WHAT IS IN THE REPO中身は何か
画面は揃っているが、サーバー側は入っていない
リポジトリにあるもの
Vite+素のJS/CSSのフロントエンド
- 20のルートと8つのプロジェクトタブボード・表・カレンダー・タイムライン等
- デモ用のワークスペース一式src/data/seed.js(タスク49件ほか)
- lint・format・build の CI.github/workflows/ci.yml
リポジトリに無いもの
チームで運用するのに要る部分
- サーバー・データベース保存先はブラウザの localStorage だけ
- 本物の認証ログイン画面は入力形式の確認のみ
- LICENSE ファイル再利用の許諾が書かれていない
30秒でわかる Gr8r Studio(2026-10-15時点)
- ・正体:プロジェクト管理ツールの画面一式。Vite でビルドする素の JS/CSS で、実行時の依存パッケージは0
- ・何ができる:タスクの作成・編集、ボード/リスト/表/カレンダー/タイムライン表示、メンバー・チーム・設定画面。データはデモ用のシード
- ・実測:npm ci 14.6秒、ビルド約1.6秒、出力 JS 358KB。18画面と8タブをエラー0で表示。保存先はブラウザの localStorage だけ
- ・注意:LICENSE ファイルが無い。コミットは3件・すべて 2026-10-07。サーバー側が無いので、そのままチームでは使えない
Gr8r Studio とは:Vite と素の JS で組んだプロジェクト管理UI
README の説明は「a calm, structured project management workspace(落ち着いた、構造化されたプロジェクト管理のワークスペース)」。画面の構成はホーム、受信箱、マイタスク、プロジェクト(ボード・リスト・表・カレンダー・タイムライン・ファイル)、メンバー、チーム、アクティビティ、設定だ。
上は npm run build の出力を npm run preview で配信し、Chromium で開いたボード表示だ。日付は起動した日を基準に「Today」「Tomorrow」と出るよう、シードデータの側で計算している。
読者の3つの問いに、動かした結果で答えるとこうなる。
読者の3つの問いへの答え
- ・何ができる:プロジェクト管理ツールの画面と操作を、ブラウザの中だけで一通り試せる
- ・何を解決する:フレームワークを使わずに、この規模の管理画面をどう分割して書くかの実例になる(約8,700行の JS と約5,200行の CSS)
- ・何を代替する:運用中のプロジェクト管理ツールの代わりにはならない。共有・認証・サーバー保存が無いため。代わりになるのは「管理画面の UI 試作」の部分
Gr8r Studio の仕組み|状態はひとつ、画面は HTML 文字列
README の Conventions 節と src を読むと、作りは単純だ。アプリの状態は src/core/store.js の1つのオブジェクト S にまとまり、各ページは「状態から HTML 文字列を返す関数」として書かれている。
ONE CLICK1回の操作
クリックごとにHTMLを文字列で組み直し、少し遅れて保存する
-
data-a 属性
要素が操作名を宣言
-
A.<操作名>
events.js が委譲し状態 S を変更
-
render()
画面を HTML 文字列で再構築
-
save()
150ms 後に localStorage へ
要素は data-a="操作名" を宣言するだけで、actions/events.js がクリックを1か所で受けて A.操作名 に渡す。操作は状態を書き換えて render() を呼び、render() はシェルを組み直してフォーカスとスクロール位置を戻す。保存は save() が150ミリ秒の遅延をはさんで localStorage の gr8r.v2 キーに書く。実際に登録されている操作は181個あった(開発サーバーの window.__gr8r.A で確認)。
フォルダは README の「Layers」どおり、依存が下向きに流れる。
| 層 | フォルダ | 役割 |
|---|---|---|
| 1 | core/・data/ |
ユーティリティ・定数・アイコン・状態・デモデータ。アプリの他の部分に依存しない |
| 2 | ui/・shell/・pages/・views/・overlays/・features/・components/ |
状態から HTML を描く |
| 3 | actions/ |
状態を変えて再描画する。読み込まれた時点で操作表 A に登録される |
アイコンは Lucide を使うが、全部は同梱しない。vite.config.js の自前プラグインが src 中の文字列から Lucide のアイコン名に一致するものだけを拾い、インライン SVG として virtual:icons に書き出す。Lucide 自体は devDependencies にしか無く、ブラウザが読む JS に npm パッケージの実行時依存は残らない。
ログイン・サインアップ・オンボーディングの画面もあるが、doLogin はメール形式と空欄を確かめたあと、750ミリ秒待って画面に入るだけだ。ファイルのアップロードも、コードを読む限りファイル名とサイズを記録して進捗バーを進める演出で、中身はどこにも送らない。
実測:インストールから起動確認まで(2026-10-15)
検証したのはコミット 904205c(2026-10-07、既定ブランチ main の最新)。タグとリリースは無い。
git clone https://github.com/gr8rstudio/gr8r-studio.git
cd gr8r-studio
npm ci # added 102 packages(14.6秒・node_modules 72MB)
npm ci の途中で [email protected] に「This version is no longer supported」の非推奨警告が出た。同じ実行の最後に出る監査の結果は「found 0 vulnerabilities」だった。
npm run lint # エラー0で終了
npm run format:check # All matched files use Prettier code style!
npm run build # dist/ に出力(56モジュール)
MEASURED実測
依存は開発用だけ、ビルドは2秒かからない
102件
npm ci で入るパッケージ
package.json は devDependencies 6件のみ
1.6秒
npm run build(3回の中央値)
1.5〜1.9秒・vite 6.4.4・56モジュール
358KB
出力 JS(gzip 103KB)
CSS 75KB・dist 合計 437KB
ビルドは3回続けて 1.89/1.55/1.63 秒。出力は JS 358,113 バイト(vite の表示で gzip 103.34kB)、CSS 75,206 バイト、dist 全体で 436,747 バイトだった。
npm run preview # 本番ビルドを http://localhost:4173 で配信
npm run dev # 開発サーバー http://localhost:5173(ホットリロード)
起動後に Playwright(Chromium)で確かめた結果は次のとおり。
検証環境:Linux x86_64・Node 22.22.0・npm 10.9.4/2026-10-15
- ・本番ビルドで、20あるルートのうち ID の要らない18画面と、ログイン・サインアップ・オンボーディングの3画面を開いた。ページエラーとコンソールエラーは0
- ・プロジェクト「Website Redesign」の8タブ(概要・ボード・リスト・表・カレンダー・タイムライン・ファイル・アクティビティ)も表示を確認
- ・シードの中身はプロジェクト7・タスク49・メンバー8・チーム4・ファイル12(開発サーバーの状態から数えた)
- ・タスクを1件追加すると localStorage の
gr8r.v2に約32KBの JSON が書かれ、再読み込み後も残った。別のブラウザプロファイルでは見えなかった - ・通信は localhost 以外では Google Fonts(fonts.googleapis.com・fonts.gstatic.com)だけ
未検証の範囲
- ・README にある公開デモ(gr8r-taskmanagement.vercel.app)は、この環境のプロキシに接続を拒否されて開けていない
- ・ドラッグ&ドロップ、キーボードショートカット、コマンドパレット、スマートフォン幅の表示は操作していない
- ・Vercel へのデプロイは試していない
Gr8r Studio は何を代替できるか|既存ツールとの比較
立ち位置を比べると、Gr8r Studio は「プロジェクト管理ツール」ではなく「プロジェクト管理ツールの画面」に近い。他製品の細かな機能は比べず、形態の違いだけを並べる。
| 観点 | Gr8r Studio | プロジェクト管理 SaaS(Linear・Asana・Trello など) | セルフホスト型の OSS(Plane など) |
|---|---|---|---|
| 提供されるもの | フロントエンドのソースコードだけ | サービス一式(アカウント・保存・共有) | サーバーとフロントエンドのソースコード |
| データの保存先 | 開いたブラウザの localStorage | 提供元のサーバー | 自分で立てたサーバー |
| 複数人での共有 | できない(ブラウザごとに別のデータ) | できる | できる |
| 改変・再配布 | 許諾が無い(LICENSE ファイル無し) | ソースは非公開 | 各リポジトリのライセンスの範囲で可 |
| 向いている用途 | UI の作り方を読む・画面を試す | チームの実務 | 自社内での運用 |
チームのタスク管理を始めたいなら SaaS かセルフホスト型の OSS を選ぶことになる。セルフホスト型は Plane徹底解説|OSSのプロジェクト・タスク管理をJira/Linear代替でセルフホスト、サーバーを持たずブラウザ側で完結するタスク管理は TaskFlow徹底解説:サーバー不要・ローカル完結のモダンなタスク管理OSS で扱っている。Gr8r Studio が役に立つのは、フレームワークを使わない管理画面の分割の仕方や、デザイントークン(src/styles/tokens.css)とアプリ内の「Design system」画面の組み方を読みたい場合だ。
ライセンスとリポジトリの状態:使う前に確かめること
コードを読む・自分の手元で動かす以上のことをするなら、先にライセンスとリポジトリの状態を見ておきたい。
LICENSE ファイルが無い(2026-10-15時点)
- ・リポジトリに LICENSE ファイルは無く、package.json にも
licenseの指定は無い("private": true)。README とソースの冒頭にも許諾の記述は見当たらない - ・アプリのログイン画面のフッターには「© 2026 Gr8r Studio」と表示される
- ・GitHub のドキュメントは、ライセンスが無ければ既定の著作権法が適用され、誰も複製・配布・派生物の作成をできないと説明している。公開リポジトリなので GitHub の利用規約にもとづく閲覧と GitHub 上での fork はできるが、コードを自分の製品に組み込む・配布する場合は作者の許諾を確認する必要がある
リポジトリの履歴も確かめた。深さを制限せずに clone すると、コミットは3件。いずれも 2026-10-07 の約2時間半の間に、作者「Gr8r Studio」1名で入っている。初回コミット「Initial release of Gr8r Studio」が86ファイル・16,404行を一度に追加し、残り2件はレイアウトの調整だ。
| 項目 | 値(2026-10-15) | 確かめた方法 |
|---|---|---|
| ★/fork/watch | 665/147/4 | github.com のページ |
| コミット数・作者 | 3件・1名 | git log(全履歴) |
| 最初と最後のコミット | 2026-10-07 17:34 と 20:05(+0600) | git log |
| タグ・リリース | 無し | git tag・github.com |
| Issue | 3件(open) | github.com のタブ表示 |
初回コミットから8日で★665・fork 147 という数字は、公開直後に関心を集めたことを示す。ただし★の数は、保守が続いているか、外部からの貢献を受けているかを示すものではない。現時点で読み取れる事実は、履歴が1日分しか無く、リリースもまだ無いということだ。採用を考えるなら、今後のコミットと Issue への応答を見てから判断しても遅くない。
参照ソース
・gr8rstudio/gr8r-studio(公式リポジトリ) — README・package.json・src(コミット 904205c、2026-10-15確認)
・GitHub Docs: Licensing a repository — ライセンスの無いリポジトリの扱い
・Vite — ビルドツール(README からのリンク)
・Lucide — アイコンセット(README からのリンク)





