MCPとは、Model Context Protocol(モデル・コンテキスト・プロトコル)の略で、AIアプリと外部のツールやデータをつなぐための共通の規格です。MCPサーバーは、その規格に沿って GitHub やファイル、データベースなどの機能を AI に差し出すプログラムです。この記事ではMCPとMCPサーバーの意味、仕組み、できること、Claude Code での設定、入れる前に確かめることを順に説明します。自分でMCPサーバーを作る手順は MCPサーバーの作り方2026年完全ガイド:TypeScript・Python両対応チュートリアル にまとめています。

WHAT IS MCPMCPとは

MCPは、AIアプリと外部のツール・データをつなぐ共通の規格

  1. 利用者の依頼

    「この Issue を要約して」

  2. ホスト

    Claude Code・ChatGPT・VS Code など

  3. MCPクライアント

    サーバー1つにつき1つ

  4. MCPサーバー

    ツールやデータを提供

  5. 外部サービス

    GitHub・ファイル・DB

出典: MCP 仕様(modelcontextprotocol/modelcontextprotocol、2026-07-28版)のホスト・クライアント・サーバー

30秒でわかるMCP

  • ・MCPとは:AIアプリと外部のツール・データをつなぐオープンな規格。公式は「AIアプリの USB-C ポート」とたとえる
  • ・MCPサーバーとは:ツール・リソース・プロンプトを AI に提供するプログラム。ローカル(stdio)でもリモート(HTTP)でも動く
  • ・誰のもの:Anthropic が2024年11月に公開し、2025年12月に Linux Foundation 傘下の Agentic AI Foundation へ寄贈
  • ・最新の仕様:2026-07-28版で、接続の最初の握手(initialize)をなくしたステートレスな形に変わった
  • ・注意:入れるサーバーには、渡した権限の範囲で AI が触れる。作り手・権限・読み込む内容を確かめる

「MCP」は分野によって別のものを指します。この記事で扱うのは一番上の行です。

分野 MCP が指すもの
AI・ソフトウェア Model Context Protocol(この記事)
医療・解剖 中手指節関節(指の付け根の関節)
農業 MCP系の除草剤(フェノキシ系の成分名)
IT資格 Microsoft Certified Professional(マイクロソフト認定資格の旧称)

MCPとは何か:AIとツールをつなぐ共通の規格

MCP は LLM を使うアプリケーションと、外部のデータやツールをつなぐためのオープンなプロトコルです。メッセージには JSON-RPC 2.0 を使います。仕様はプログラミング言語の機能をエディタに共通の方法で足す LSP(Language Server Protocol)から着想を得たと書いています。

MCP が置き換えるのは、AIアプリとツールの組み合わせごとに書いていた個別の連携です。

N×M → N+M何を代替するか

個別の連携コードを、1つの規格への対応に置き換える

MCP 以前

AIアプリ × ツールごとに個別実装

  • N 個のアプリ × M 個のツール=最大 N×M 通り
  • モデルやアプリを替えると作り直し
  • 権限や認証の作法もばらばら

MCP

アプリはクライアント、ツールはサーバーを1つ作る

  • N+M 通りの実装で全部つながる
  • 同じサーバーを Claude・ChatGPT・Cursor で使い回せる
  • 認可は OAuth ベースの仕様で共通化
出典: MCP 公式ドキュメント(USB-C のたとえ)と仕様の Authorization

経緯は次のとおりです。

時期 出来事
2024年11月 Anthropic が MCP を公開(仕様 2024-11-05版)
2025年3月〜11月 仕様を3回改訂(Streamable HTTP・OAuth ベースの認可などを追加)
2025年12月9日 Linux Foundation 傘下の Agentic AI Foundation へ寄贈。Anthropic は公開MCPサーバーが1万を超え、ChatGPT・Cursor・Gemini・Microsoft Copilot・VS Code が採用したと発表
2026年7月28日 仕様 2026-07-28版。ステートレス化など大きな改訂

MCPサーバーの仕組みとホスト・クライアントの関係

MCP の登場人物は3つです。

役割 何か 例
ホスト 接続を始める AI アプリ本体 Claude Code、Claude Desktop、ChatGPT、VS Code、Cursor
クライアント ホストの中の接続部品。サーバー1つにつき1つ ホストが内部で作る
サーバー 機能を提供するプログラム GitHub MCP、ファイルシステム、DB、SaaS のサーバー

MCPサーバーが提供できるものは、仕様で次の3つに決まっています。

機能 何をするか 例
ツール(Tools) AI が呼んで実行する関数 Issue を作る、ファイルを書く、SQL を投げる
リソース(Resources) AI や利用者に読ませるデータ ファイルの中身、DB のレコード
プロンプト(Prompts) 利用者が選んで使う定型の指示 レビュー用の指示の型

通信路(トランスポート)は2種類です。stdio はホストがサーバーを子プロセスとして起動し、標準入出力でやり取りします。手元のファイルや CLI を扱うサーバーに向きます。Streamable HTTP はネットワーク越しのサーバー用で、SaaS の公式サーバーの多くはこちらです。プロトコルの詳細と、仕様が改訂ごとにどう変わってきたかは MCPの仕組み の記事で扱っています。

2026-07-28版の仕様で変わったこと

最新の 2026-07-28版では、接続の作り方が大きく変わりました。仕様の変更点(changelog)から、利用者にも関係するものを挙げます。

・ステートレスになった:接続の最初に initialize で能力を交換する手順がなくなり、毎回のリクエストがプロトコルの版とクライアントの能力を持つ
・server/discover が必須に:サーバーは対応する版と能力をこの呼び出しで知らせる
・一部の機能が非推奨に:Roots・Sampling・Logging は動き続けるが、新しく実装しないよう求められた
・一覧の結果にキャッシュの目安が付いた:tools/list などが有効期間(ttlMs)を返す

古いサーバーやクライアントは、しばらく混在します。サーバーを選ぶときは、対応している仕様の版も確かめてください。

MCPサーバーでできること:代表的なサーバー

MCPサーバーを入れると、AI が外のサービスを読んだり操作したりできるようになります。当サイトが動かして確かめたものを中心に、代表例を並べます。

サーバー できること 種類 当サイトの確認
GitHub MCP Issue・PR・コードの検索と操作 リモート/ローカル 2026-07-27
Chrome DevTools MCP ブラウザを開き、画面・コンソール・性能を調べる ローカル 既定29ツール(v1.6.0、2026-08-06)
Microsoft Learn MCP Microsoft の公式ドキュメントを検索して読む リモート(認証不要) 公開3ツール(2026-08-07)
Serena コードをシンボル単位で読み、編集する ローカル 2026-10-11
Figma MCP 選んだデザインの情報をコード生成に渡す ローカル 2026-10-10
Filesystem(公式のリファレンス実装) 許可したフォルダのファイルを読み書きする ローカル 下の設定例で接続を確認(2026-10-18)

ほかのサーバーは公式の MCP Registry や modelcontextprotocol/servers リポジトリで探せます。個別の記事は下の「あわせて読みたい」から開けます。ツールの数が多いサーバーは、それだけで AI の文脈を消費します。使うツールだけに絞れるかも選ぶ基準になります。

MCPサーバーの設定方法:Claude Codeで追加する

Claude Code では claude mcp add で登録します。オプション、サーバー名、URL の順に書き、ローカルのサーバーは -- の後ろに起動コマンドを書きます。

# リモートの HTTP サーバーを登録する(Microsoft Learn MCP、認証不要)
claude mcp add --transport http microsoft-learn https://learn.microsoft.com/api/mcp

# ローカルのサーバーを登録する(公式のファイルシステムサーバー。~/Documents だけを許可)
claude mcp add --transport stdio filesystem -- npx -y @modelcontextprotocol/server-filesystem ~/Documents

# 登録したサーバーと接続の状態を確かめる
claude mcp list

Claude Code 2.1.302 で3つとも実行し、2つの登録と、ファイルシステムサーバーの Connected を確かめました。リモートのサーバーへの接続は未検証です。登録先は既定で「この作業フォルダだけ」です。--scope project を付けるとリポジトリ直下の .mcp.json に書かれてチームで共有でき、--scope user ならすべてのプロジェクトで使えます。

ほかのアプリでは、設定ファイルの置き場所とキーが違います。

ホスト 設定ファイル サーバーを並べるキー
Claude Code .mcp.json(project スコープ)/~/.claude.json mcpServers
Cursor .cursor/mcp.json mcpServers
VS Code .vscode/mcp.json servers

MCPサーバーを入れる前に確かめること

MCPサーバーは渡した権限の範囲で AI に外のサービスを触らせます。便利さと引き換えに、次の3つを確かめてください。

BEFORE YOU ADD入れる前に

MCPサーバーを入れる前に3つを確かめる

  1. 1.誰が作り、どこで動くか

    公式・提供元の配布か。ローカルの stdio か、外部の HTTP か

  2. 2.何に触れる権限を渡すか

    トークンの範囲・書き込みの可否・使うツールだけに絞れるか

  3. 3.読み込む内容に指示が混ざらないか

    Web・Issue・メールを読むなら、間接プロンプトインジェクションの入口になる

本記事の整理。根拠は MCP 仕様の Security Best Practices と OWASP LLM01

・作り手と動く場所:提供元の公式か、名前の似た別物ではないか。ローカルの stdio サーバーは手元の権限で動き、リモートのサーバーにはデータが外に出る
・権限の範囲:読み取り専用のトークンで足りないか。使うツールだけを有効にできるか
・読み込む内容:Web ページ・Issue・メールを読むサーバーは、内容に紛れた指示で AI が動かされる入口になる(間接プロンプトインジェクション)。機密を読めるサーバーと外部に送れるサーバーを同じエージェントに同時に入れる組み合わせは避ける

Claude Code はリポジトリの .mcp.json にあるサーバーを使う前に利用者の承認を求めます。それでも、承認したサーバーが何をできるかを決めるのは渡した権限です。本番のエージェントにMCPを組み込む設計は、Anthropic MCPガイドの記事(下の「あわせて読みたい」)で扱っています。

参照ソース

・Model Context Protocol 仕様(2026-07-28版)と changelog — modelcontextprotocol/modelcontextprotocol
・Model Context Protocol 公式ドキュメント
・Donating the Model Context Protocol and establishing the Agentic AI Foundation — Anthropic(2025-12-09)
・Connect Claude Code to tools via MCP — Claude Code ドキュメント
・modelcontextprotocol/servers(公式リファレンス実装)